オススメ復刻盤「あべ静江アンソロジー Memories for 40years」


ナツメロ喫茶店

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 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#652

あべ静江/アンソロジー Memories for 40years

(2013.11.2発売、DMCA-40283、¥3,360)  *2枚組、通販およびコンサート会場などでの限定販売

*市販品「あべ静江アンソロジー Memories for 40years」(PCCA-04019、¥3,200+税)は2014.5.21発売!

40周年記念、セルフプロデュースによる豪華ベスト!

 2013年で歌手デビュー40周年、現在は日本歌手協会の常任理事も務めるシーちゃんことあべ静江さん。

 40周年を機にライブ盤「 デビュー40周年記念コンサートライブ 」を自主制作したほか、記念のベストを自らプロデュースし古巣のポニーキャニオンから出すということがご本人の口から語られていましたが、ついに発売日が正式に決定しました。

 ポニーキャニオンの通販やライブ会場などでの限定販売となるようですが、2枚組では昨今珍しい豪華仕様の「 ★通信販売限定★あべ静江アンソロジー Memories for 40years [CD] 」! 

 三重県松阪市出身のシーちゃん、ご両親が芸能活動をされていたこともあり、子どもの時から子役や少女歌手として活躍していたのはご存じの通り。全国に名を轟かせたのは、東海地方きっての美人DJへと成長し、レコードデビューを飾ってからでした。

 73年5月、阿久悠+三木たかしコンビによる「コーヒーショップで」で歌手デビューしたワケですが、あの完璧な美人ぶりといったら! テレビで初めて見て、世の中にこんなに美しい人がいるのかと思ったことを忘れもしません。ミドルティーンのアイドル全盛の中で、21歳という大人の魅力は、我々子どもたちにもハッキリわかるものでありました。
 もちろん美貌だけでなく、美声、しかも知性を兼ね備えたシーちゃんですから、人気が出ないはずありませんよね。個人的には「芸能界に友だちが1人もいない」と言っていたシンシアが、唯一仲良しとしてシーちゃんの名前を挙げたことも、ファンになる大きな理由でした。

 さて、容姿端麗、成績優秀、シーちゃんが才色兼備なのは広く知られるところですが、ディベートもライティングも昔からお手のもの。それは現在も変わることなく、ブログのまめさや几帳面さを見ても分かることでしょう。

 であるからして、セルフプロデュースの今回のベストはこだわりが満載。2枚組では珍しい美麗な外箱付きで、ブックレットでは自ら解説を書き下ろし。それぞれの曲にまつわるマル秘エピソードもバッチリ書かれているそうです。もちろんフォトジェニックなシーちゃんですから秘蔵写真も満載。写真は年代別にフォトアルバム形式で収録されているそうです。全72ページ、このブックだけでもかなりの価値だと思います。

 肝心のCDの方も、自らこだわり抜いて選曲したそうですし、最新リマスタリングとのことですから、ベスト盤やオリアルの復刻盤を持っている人も要チェックですぞ。
 昨年、カラオケ付きの2枚組「 ザ・プレミアムベスト あべ静江 」が出ましたけど、全部歌入りとしてはCD初の2枚組になることですしね。

 ちなみにディスク1は、シングルからのセレクト。レコ大新人賞に輝いたデビューシングル「コーヒーショップで/ひまわり」から、セリフが大流行した紅白出場曲「みずいろの手紙」、発売直前にタイトルが変わった「突然の愛」という一連のヒット曲から、作家陣を変えて哀愁を押し出した「透きとおった哀しみ/愛の記念日」に、また戻してメロウに仕上げた佳曲「秋日和」と、美人歌手としてのイメージ通りのナンバーがそろいます。

 そして、より大人っぽいフォーク路線へと進んだ「生まれたままの姿で/モジリアニの少女」や、フレンチポップスみたいな「雨をみていた人」と幅を広げていきますが、転機となったのが同じ事務所のチューリップのカバー「私は小鳥」。歌のうまさを再認識させましたが、出演ドラマ「三男三女婿一匹」の挿入歌としてスマッシュヒットした「ゆらめき」、キャニオン時代ラストの「長距離電話」のB面だった「別れしな」までがズラリ。
 今回はCBS・ソニー移籍第1弾にしてイメチェンした「椿姫」、久々にキングから出した熟女的な「危険なクラス会」(ヒロシ&キーボーのヒット曲とは同名異曲)も収録されています。

 一方、ディスク2はアルバムからのセレクション。
 シーちゃんのオリジナルアルバムはMyこれ!チョイスシリーズで「 みずいろの手紙/コーヒーショップで 」「 あべ静江オリジナル~愛のかたち~ 」「 Myこれ!チョイス 30 TARGET+シングルコレクション 」の3枚がCD化されておりますが、今回は初CD化も4曲入っておりますので、音源的にも押さえておきたいところ。

 まずファーストにして大ヒットしたアルバム「コーヒーショップで/みずいろの手紙」からは「さよならを風に乗せて」が選ばれていますが、これはチェリッシュの初期メンバーであり、一緒にDJもしていた奥山圭三さんが手がけたもので、歌手デビューのきっかけとされるナンバー。東海ラジオのレギュラー番組「ヤングランド」の特番で披露したことが始まりだったそうです。

 70年代初めまで、邦楽アルバムといえばオリジナルとカバーが半々というスタイルが定番でしたが、シーちゃんの場合も同様。その構成のセカンド「突然の愛」からは、オリジナル曲の「白鳥」と、ヤマハ出身のデュオ・ウイッシュのカバー「御案内」が選ばれています。続くサード「透き通った哀しみ」からは「ちいさな罪」と「花嫁に捧げる唄」。この4曲が初CD化となります。

 シーちゃんの場合、シンコーミュージックというフォーク系の事務所に所属していましたし、財津さんをはじめフォークの面々交流も深くて、当初からフォーク志向でありました。それが顕著になって本格的にフォーク・ニューミュージック路線へと進んでいったのが、初めての全曲オリジナルとなり力の入った「あべ静江オリジナル~愛のかたち~」。ここからは「気がかり」、松本隆さん作詩の「氷壁」、そして同じ事務所の長谷川きよしさんの提供作「白い小部屋」という3曲。

 さらに、財津和夫+長谷川きよし作品でまとめ、時代を先取りしたクロスオーバー的シティポップスの名盤と誉れ高い「TARGET」からは「TOO HAPPY」「私の小さな部屋」「人ちがい」「いつも青空の下で」「友達」「今あなたは」「私を育てた愛」と7曲も選ばれていて、お気に入り度合いが分かります。

 なお、地元東海地区の名古屋では、発売当日に記念イベントも行うのだとか。デビュー同期の桜田淳子さんの記念ベストがオリコン33位とかなりの売れ行きを示していますから、シーちゃんのベストも流通は違っても大きな盛り上がりを見せることを祈っています。


(2013.10.28)


*2014.5.21には市販品「 あべ静江アンソロジー Memories for 40years 」(PCCA-04019、¥3,200+税)として発売!


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