40曲で3千円!お買い得の名曲コンピ定番シリーズ
そろそろ秋の風が吹いて、センチメンタルな気分になる頃。やっぱり聴きたくなるのはナツメロです。むろん世代世代によってうたの年代も異なりますが、やっぱり我々世代にとって郷愁を覚えたり、心ときめいたりするのは、幼少期から多感な少年少女だった頃、すなわち70~80年代前半ではないでしょうか。
当時隆盛を極めたフォークを味わうなら「愛と青春のうた」(こちらで紹介)がお得でオススメですが、今の季節なら続編となる「 愛と青春のメロディー 」がぴったり。いよいよ来週、9月の訪れとともにリリースされます。
このシリーズ、40曲で3千円という超絶プライスに食指が伸びてしまうという人が多そうですが、誰もが知っているヒットナンバー、一部60年代もありますが、70年代から80年代前半の歌い継がれる名曲をしっかり押さえた選曲も見逃せません。
ややフォーク寄りの印象を受けるものの、ポップスあり、いわゆる昭和歌謡あり、ニューミュージックありで、あの頃のヒットチャートそのままに、いろんなうたがしのぎを削っています。
最も古いのは、1969年に大ヒットし、最近も由紀さんの「1969」で脚光を浴びたいしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」ですが、この曲をはじめ、オリコン1位が満載なのです。
ちなみに列挙いたしますと、小柳ルミ子「わたしの城下町」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」、ビリー・バンバン「さよならをするために」、郷ひろみ「よろしく哀愁」、風「22才の別れ」、布施明「シクラメンのかほり」、サーカス「Mr.サマータイム」、久保田早紀「異邦人」、中村雅俊「心の色」、松田聖子「赤いスイートピー」、岩崎宏美「聖母たちのララバイ」、あみん「待つわ」、安全地帯「ワインレッドの心」と、どれもおなじみの曲ながら、こうして聴き直すとやっぱり圧巻です。
もちろんNo.1ヒット以外にも名作ぞろいで、高田恭子「みんな夢の中」やチェリッシュ「なのにあなたは京都へゆくの」、アリス「今はもうだれも」、村下孝蔵「ゆうこ」など、コンピにはなかなか入らない曲がチョイスされていたり、73年のレコ大新人賞を競ったあべ静江「コーヒーショップで」と安西マリア「涙の太陽」や、南沙織「色づく街」とよしだたくろう&かまやつひろしの「シンシア」という小ワザがきいた組み合わせ、山口百恵「秋桜」や太田裕美「九月の雨」、松崎しげる「愛のメモリー」といった77年の秋を彩ったヒット曲など、いろんな視点からの聴きどころもたっぷり。
詩も、メロディーも、サウンドも、それぞれに情緒があって、時代を背負ったヒット曲。聴く人の人生といいますか、さまざまな経験と齢を重ねたことで、昔は気づかなかった言葉の裏側とか、思わぬ味わいに泣かされたりすることもしばしばです。
そんな人生を重ねられる愛と青春のメロディー。この秋の夜長にひとりしみじみ聴くもよし、仲間たちと肩を寄せ合い、ともに語らい歌い合うもよし…贈り物に困った時にもぴったりのコンピ盤だと思いますよ。
(2012.8.27)