レア映像収録のDVD付き!40周年記念3枚組ベスト!
先週の15日に迎えた沖縄返還40周年。
いまだ解決に至っていない諸問題が山積みでアレコレ脳天気なことを言ってる場合ではないのですが、ワタシの場合、沖縄という島を初めて意識し、大好きになっていったのはやっぱり歌手から。もちろんわれらがシンシア・南沙織、そして類い希なるグルーブ感を持ったキッズグループ・フィンガー5からなのです。
実は彼らが、ベイビーブラザーズから改名しフィンガー5としてシングル「キディ・キディ・ラブ」をリリースしたのはちょうど沖縄返還と同じ40年前。名義だけで正しくカウントすれば、今年がデビュー40周年にあたるのだそうです。
とはいえ世間的には、F5が彗星のごとく現れ、瞬く間に脚光を浴びたのはご存じ73年の「個人授業」。阿久悠+都倉俊一という山本リンダ復活プロジェクトが担当し、アメリカンコミックというコンセプトを打ち出した新しいグループというイメージでした。
確か当時のオフィシャルな触れ込みでもキング時代は伏せられていて、メディアでもフィリップスからこの曲でデビューという感じだったと思います。
なので、ベイビーブラザーズならまだしも、F5が72年デビューと言い切られてしまうとちょっと違和感がある…という人も多いかもしれませんね。
しかし、そこはおめでたい節目。「個人授業」からのカウントでも40周年目に突入するのは間違いないことですし、記念のDVD付きベスト「 Best&Nonstop フィンガー5(DVD付) 」もリリースされるとのことなので、堅いことは抜きということで。
ただ、子ども時代の記憶を振り絞って、当時の一般ファンとしての認識を書いておきますと、「個人授業」でデビューしたF5は、本格的な和製ジャクソン5になるべく、時間をかけて相当な特訓を積んだ…というようなことはよく語られてた気がします。
しかし、実は再デビューだったこと、すなわちベイビーブラザーズからのキング時代の活動があったことが一般に認識されたのは、第3弾シングル「学園天国」を歌っていた頃ではなかったかと思います。
そう、あの間奏のハーモニカとタップダンスをみんながマネしていた頃、1枚のLPレコードがキングから発売されたのでした。それが、爆発的な人気に便乗したであろう「フィンガー5オリジナル」というLP。
むろん改名や移籍後のブレイクによる旧時代の便乗再発は、アンドレ・カンドレや赤坂小町を筆頭によくある話でしょうが、F5のケースはちょっとひどかった…。
だって収録内容は、ほぼベイビーブラザーズ時代で路線も違うというのに、ジャケットは、シックなアーガイルベストにニッカポッカ(「恋のダイヤル6700」の衣装)を着た、まさしく最新F5のイラスト。しかも、あきらがトンボメガネをかけていたりして…。
昭和40年代にはまだ存在していたやり口…といえばそれまでですが、ホント看板に偽りありという言葉を地でいく衝撃だったんです。こうして40年近く経った今もハッキリ覚えているほどですからね。
情報化社会が到来していない頃、何も知らないよい子たちが新譜だと思って購入し、その中身を聴いて落胆したというハナシは全国にあったことでしょう。
と、また話がヘンな方向へ行きましたが、今回の40周年ベストは侮ることなかれ! 3枚組で、CD2枚に待望のDVD付きなのです! F5の場合、かなりな再評価ブームも訪れたりしたもので、CD黎明期から数多のベスト盤が出てきましたが、DVD付きは2005年の「CD&DVD THE BEST」以来、7年ぶり。しかも、アレは3曲入りで全盛期の映像は74年の「学園天国」のみというちょっと淋しいモノでしたんで、今回入るというレア映像(現時点では発表されていませんが)に大いに期待したいところです。
昨年出た東映まんがまつりの短編映画(こちらで紹介)の歌唱シーンでも実感しましたが、なんたって、あのビジュアルとパフォーマンスがあって初めてF5というものが成立するのだと思いますし、それこそが日本中をトリコにした要因でしょうしね。
なお、CDは1枚がおなじみのヒット曲を集めたベスト盤、もう1枚が再ブーム以降要望が殺到しているというDJによるノンストップミックス盤とのこと。
思えば「個人授業」「恋のダイヤル6700」「学園天国」「恋のアメリカンフットボール」「恋の大予言」までの1年余りがF5全盛期といえますが、それはF5最大の特徴だったあきらのハイトーンが過労で失われ、変声期が本格的に始まるまで、というくくり。
繰り言ですけど「恋の大予言」が当初の予定通り「同級生」のままで我慢できてて、リードボーカルが最もファンキーでウマイ正男に無理なくシフトしていけてたなら、また違った流れが生まれて、渡米にはつながらなかったのかもしれません。
75年に妙子メインで巻き返しに出た「華麗なうわさ」も名曲ですが、ローティーンにもなってなかった妙子にF5の牽引を任せるのはちょっと無理だったというものでしょう。
個人的にF5で一番好きなのは妙子の「おませなデート」なのですが、ろくに寝かせてもらえなくっていつも髪が乱れてた姿を思い出すに付け、やっぱ昭和40年代の出来事だったんだったなあと実感します。
そして「バンプ天国」。おしりとおしりを押し合う振り付けは流行りましたが、あのあきらはやっぱり痛々しかったです…。
なおF5の場合、ファンの努力の結集のコンプリートBOXが出ていますが、あの企画はF5クラスであっても純正メーカーが高額BOXの発売に踏み切れなかった時代。ですので、コストダウンで組枚数を抑えるためSEが被っていない純然たるシングルバージョンが漏れていたりしてます。
よってBOXを持ってるコアファンでも、目玉のDVDのほか、純然たるベストCDにも価値があったりして。むろんBOXには手が届かなかった薄いファンや、カバーで知った新しい世代の皆さんにも、映像がじっくり楽しめる今回のベストこそ必携だと思いますので、ぜひどうぞ。DVD付きならでは、オフプライスで販売するショップのチェックもお忘れなく!
(2012.5.25)
*CDは最新デジタルリマスタリングを施した高音質(SHM-CD)盤となり、Disc1にはボーナストラックとして、本人たちのバンド演奏による「気になる女の子」「歓びの世界」「Fall in Love Again」の英語デモバージョン3曲(既発のコンプリートCD BOXでCD化済み)を収録。Disc2はDJ AGETETSUによるメガミックスでさらにダンサブルにアレンジされるほか、特典DVDには貴重な蔵出し映像(21分)が収録となるそうです。最新情報はフェイスブックによる40周年記念サイトをご覧ください。
*1973〜75年に「近代映画」に掲載された、全盛期の彼らのグラビアや記事を再編集した復刻コンピレーション・ブック「F5 40 ~フィンガー5 近代映画ベストコレクション~」(2012.9.21発売、¥4,500)が期間限定注文生産ブックとして40周年記念サイトのみで期間限定発売(予約は8月25日から10月31日まで、通信発売のみ)されます。
9月20日までに注文すると、注文先着特典として「フィンガー5 B4ポスター&『学園天国』歌って踊ろうポスター」がもらえるとのことです。
デビュー40周年を記念して、2003年に発売された「フィンガー5 COMPLETE CD BOX」(CDSOL-1057〜65)が2007年に次いでアンコールプレス決定!(2012.9.19発売)
HMV ONLINE
では通常発売日よりも早く、2012年9月8日に先行再発決定!さらに先着で「缶ペンケース」がプレゼントされるそうです。