通販では15年ぶり! 黄金の80年代Blu-spec CD-BOX!
今年は花の82年組アイドルの30周年にあたり、CDの企画でも彼らがクローズアップされることの多かった1年でした。
しかしですね、仲良しと粒ぞろい、現役組が多いというだけでスポットライトが当たっているような気がするのも確かで、個々人のパワーや個性、楽曲や実績を総合的に鑑みると、80年組の方がもっと伝説化されてしかるべきではないかと思ったり。
田原俊彦、河合奈保子、岩崎良美、柏原よしえ(芳恵)、三原順子(じゅん子)…とビッグネームが勢ぞろいしておりますが、No.1といえばやっぱりこの人、松田聖子をおいて他にはいないでしょう。
歌手としても、芸能人としても、女性としても、革新的な感じで時代を切り拓いてきた印象がありますが、それを邪道ではなく立派な王道に整え、末代まで正しく存続させていく様は、まさに保守本流といえましょう。
特に、80年代の奇跡とも言える作品群は、戦後ニッポンの美しい宝物ではないかと思えるほど。アイドルがアルバムアーティストと化したのも彼女の功績ですが、シングルA面のみならず、B面、アルバム曲まで、代表曲が幅広くまたがっていますから、そんじょそこらのベストアルバムでは満足できないという人が多いのも当然です。
というワケで、黄金の80年代聖子をコンパクトにまとめた一般向けの通販BOX、しかも高品質のBlu-spec CDによるリーズナブルな5枚組BOX「SEIKO SWEET COLLECTION 」が満を持して登場となります!
SEIKO SUITEならぬSEIKO SWEETですが、聖子の通販BOXとしては97年の「Seiko Matsuda 1980-1995」以来15年ぶり。今回は80年代、しかも完全セルフ突入前までに絞った全シングル&厳選アルバム曲をまとめた全88曲という構成なので、非常にムダのない感じです。
内容は、80年4月の記念すべきデビューシングル「裸足の季節/RAINBOW~六月生まれ」から、89年11月にリリースされた「Precious Heart/恋の魔法で Catch Your Heart」まで、12インチ英語版の「DANCING SHOES (Club Mix) 」のカップリングが入っていないのと「Marrakech ~マラケッシュ~」のカップリング「NO.1」がAlbum Versionになっている以外は、80年代のシングル両面を網羅。
もちろんアルバム曲もセルフ突入前のナンバーがバランスよく入っていて、ファースト「SQUALL」の「SQUALL」「ロックンロール・デイドリーム 」から、セカンド「North Wind」の「白い恋人」「North Wind 」「Only My Love」、「シルエット」の「白い貝のブローチ」、「風立ちぬ」から「一千一秒物語」「いちご畑でつかまえて」「流星ナイト」、「Pinapple」の「P・R・E・S・E・N・T」「パイナップル・アイランド」「SUNSET BEACH」、「Candy」の「星空のドライブ」「未来の花嫁」「Rock'n'roll Good-bye」「真冬の恋人たち」、「ユートピア」の「マイアミ午前5時」「セイシェルの夕陽」「ハートをRock」、「Canary」の「Canary」「LET'S BOYHUNT」、「Tinker Bell」の「密林少女」「いそしぎの島」「Sleeping Beauty」、「Windy Shadow」の「マンハッタンでブレックファスト」、「The 9th Wave」の「さざなみウェディングロード」、「SUPREME」の「瑠璃色の地球」「螢の草原」「時間旅行」、「Strawberry Time」の「Kimono Beat」、「Citron」の「抱いて…」「続・赤いスイートピー」まで、人気曲や近年のライブなどでも歌われたナンバーがずらり。
さらにベストやサントラ、企画盤から「WITH YOU」「SWEET MEMORIES (Cinema Version) 」「妖精たちのTea Party」がセレクトされているというニクいサービスぶり。
Blu-spec CD-BOXとしては、2009年のオルゴール付き完全限定盤「Premium Diamond Bible」以来ですが、構成としてはこちらの方に軍配を上げたいと思います。
先ごろソニー時代がやっと解禁になったiTunesもそうですけど、こういう形のBOXが通販カタログに生き続け、普段は音楽を聴かなくなったり、ショップに足を運ばない生活が当たり前になった人たちにアピールできれば、言うことはありません。
聖子自身ずっと第一線ですし、今年はセルフ脱却を期待したものの実現ならず、音楽的にはコアなファン向けのクローズドな活動という印象がつきまといます。しかもプライベートで大きな出来事もありましたし、一般的にはまたまた本業以外の部分がクローズアップされてしまった感のある聖子ですが、こういうBOXでボーカリストとしての再評価が常に行われ、次世代へもきちんと受け継がれていくことを祈ってます。今の音楽活動の方向性を今一度考え直してもらう、という意味でも。
とはいえ、このBOX、聖子ちゃんカットをはじめとするパッケージのビジュアルも含めターゲットではないコアなファンも欲しくなる感じだし、普段聴く用に常備しておくのもいいかもしれませんね。
時代は次世代のBlu-spec 2へとシフトし、来年からは洋邦ともにゾクゾクと復刻が予定されているようなので、タイミング的にはBlu-spec 2を希望したいところですが、これはあくまで市販ものとはチャネルが異なる通販。Blu-spec 2化は今後の動きに期待したいところです。
(2012.12.5)