花のアラフォーユニット、ついにデビュー盤発売!
80年代アイドルの代表格であり今も現役で活躍する3人――ミセスの南野陽子、ミスの森口博子、そしてマザーの西村知美――によって結成されたアラフォーユニット・Blooming Girls。
熱心なファンたちは親衛隊を再結成するほどの力の入れようで、5月下旬に開催された東京、大阪でのPremium Live 2012も盛況のうちに終了。いよいよ本格的始動となり、来週には待望のデビューシングルがついに発売されます。
ライブには都合で伺えませんでしたが、聞くところによると最初こそかなり緊張してたといいますが、3人の息もちゃんと合っていた上(実は結成時の「当時は会う機会がなかった」発言にちょっと心配していたのです)、それぞれのソロコーナーも充実してたようですし、ご本人たちもファンの皆さんも一様に熱いときめきを取り戻したみたいでホントに何よりです。
実際、ライブの予習のようにリリースされた3人の代表曲自選ベスト「南野陽子・森口博子・西村知美 Three girls selection」(こちらで紹介)をあらためて聴いて、当時は確かに毛色の違うように思えていた3人も、こうして四半世紀以上の時が流れた今では、しっくりなじんでいるように思えるから不思議。
それは当時のサウンドだからという理由だけではなく、プロの作家陣とスタッフによる贅沢で丁寧な作品作りが貫かれているからではないかと思ったり。歌好きの人特有の節回しを駆使したピロコさんの歌唱力や、トータルイメージを貫いたナンノの作品群はもちろん、歌唱力と反比例したとろりんの高度な楽曲など、イロイロ再認識した次第でした。
ビジュアル的に見ても、3人ともずっと現役ということもあり、劣化するどころか若い頃にはなかった円熟の美しささえ漂わせ、フリフリのドレスもバッチリ決まっていますよね。それもアー写に施した修正技術の賜ではないようですから、やっぱりスゴイ。
ただですね、逆にずっと現役ということが仇となってか、結成発表以来、メディアの反応も含め世間的な盛り上がりがイマイチなのも事実。そんな状況ですし、熱心なリクエストも頂戴しましたので、復刻盤ではございませんが、話題のデビューシングルをあらためてご紹介させていただきましょう。
そう、もげしゃんのバースデイでもある6月13日発売となりますBlooming Girls初のシングル。
特典DVD付きの2枚組となる初回盤「 Knock!!Knock!!Knock!!(初回生産限定盤)(DVD付) 」、Q&Aカラオケ付き通常盤「 Knock!!Knock!!Knock!! 」の同時発売2タイプです。
こんな時、昨今のガツガツしたアイドル商法ならば何種類も出された上、いろんな企画も盛られちゃったりするもんで、ファンも同じCDを何枚も買わなくちゃならない羽目になりますが、そこはやっぱり凛とした往年の80年代アイドル。
CDショップで販売されるのはこの2種類だけ(ライブ会場ではCD付きフォトブック「 Blooming Girls CD付き写真集【完全生産限定盤】 」も販売、プレミアムライブ参加者に配られた非売品のメッセージ付きスペシャルCDも存在します)であり、それぞれ内容や仕様が異なっているので、両方入手する人も多そうです。
なお、初回盤ならびに通常盤の初回仕様には、6月24日に神奈川県のラゾーナ川崎プラザで行われる発売記念イベント(ミニLIVE&握手会)の参加券が封入されていますから、関東および遠征されるファンの方はお早めに。イベント当日に会場で買うと先着で会場特典ポスターがプレゼントされるそうですので、 慌てない人はそちらがいいかも。
また、 Sony Music Shop や山野楽器で予約購入するとそれぞれバージョンの違う生写真、 タワーレコード と 新星堂 ではこれまたバージョン違いのB3ポスターがもらえる(いずれも先着)ほか、 HMV などのオンラインショップや全国の指定CDショップでも先着特典があるそうなので、オリ特狙いの方はオフィシャルサイトなどのチェックを抜かりなく。
昔ならお小遣いと相談していた少年も、今では立派な中年紳士。もしかしたら総選挙アイドルグループのファンに負けじとばかり、オリ特コンプリートをめざし一気に大人買いする猛者も多そうですね。
肝心の楽曲はといいますと、既に各メディアでも流れ、キャンペーンでも披露されているタイトル曲「Knock!! Knock!! Knock!!」を筆頭に「幸せのキャパシティ」「wish」「いつだって Friends」というミディアム系でまとめた全4曲。
マイリコメンドとしてはブルージーな印象の「いつだって Friends」ですが、結構ドキドキしながら白盤を拝聴したところ、かなり驚いたのが夢幻童子・とろりんの声。
かつて史上最下手歌手のレッテルを貼られた原因は、一語一語ずつ調整していたという音程ではなく、あの茫洋としたぬらりひょん的声質だと確信しておりますが、ホント兵器的でオケともコーラスとも一切調和しないあの歌声がある限り、正直、このユニットは失敗に終わりそうな心配していたところ…うれしい誤算がありました。年を重ねて低くなったせいもあるのか、声にきっちり芯ができていて、まさかの安定が見られるのです(注・比較対象はあくまで過去の本人)。
ナンノの変わらなさ、もげしゃんの器用なイマドキ歌唱とも相まって、それぞれのソロ部分もハーモニーも破壊感なく決まっているんじゃないかと思います。
作詞はすべて松井五郎さんが担当。女性アイドルではやっぱり工藤静香のハードなイメージが強くて、この3人には意外な感じもしましたが、テーマである三人三様の女性の幸せを、同世代が共感できる世界感で綴っているのはさすが。本物の職業作詞家がめっきり少なくなった歌謡界ですが、やっぱりその必要性を実感させてくれます。
一方、作曲はナンノのナンバーも手がけ、今や大ヒットメーカーとなったコモリタミノル(小森田実)さん、そして女性シンガーがこぞって楽曲提供を求めていた人気作家であり、3人にも書いたことのある上田知華さん。
個人的に小森田さんといえばポプコン&フォリナーとの活動、上田さんはKARYOBIN(特にサンヨーの扇風機CM)とか、表舞台でのイメージも強いんですけど、シンガー・ソングライター出身の職業作家という形で、大きな実績を残したという点を忘れてはならないと思います。
そしてそれはやはり歌謡曲とニューミュージックの融合が完成した80年代ならではの出来事といえるでしょう。
サウンドにはイマドキのエッセンスも加味しているので、往時の輝きプラス今の空気感もあり、往年のファンも安心して聴ける仕上がりとなっていますが、そこはなんたってナンノサイドであるソニー発の企画。担当はもちろん吉田格プロデューサーなので、往年のナンノワールドと同じくホント上品なんですよね。
ヒット狙いのインパクトという点においては弱いといわれるかもしれませんが、全編あくまで等身大のナチュラルムードが貫かれてて、聴けば聴くほどその良さが理解できてくるのかも。
そういう意味でも、れっきとした大人のためのアイドルポップスといえるんじゃないでしょうか。
三者三様、けっこう個性が強いのですが、それぞれ主張はしていてもケンカすることなくバランスが保たれている感じなんですよ。
そのへん、女子高生だった頃の仲良しグループの関係とは異なる絶妙な距離感で、分かったような口をきく小娘には真似できない大人の女の余裕といいましょうか、もしかしたらママ友付き合いの感覚に似ているのかもしれません。
そう考えると、立場や状況によっていろんな顔が求められ、使い分けが必要な女性たちからの共感が得られそうな気がします。
今後は、当時の男性ファンに向けたアプローチだけでなく、エイジングケア的プロモーションというか美容系トーク&デモンストレーションとかで打って出た方が営業的にも成功を収めたりして。クリップを拝見しても、みんなやっぱり美しい…。
というBlooming Girls。一説では新メンバー増員の可能性もアリ!ということですが、やっぱり同世代として同じ時代をともに生きてきたアイドルたちが、今も元気で一生懸命、まだまだ努力を重ねつつ第一線で輝きながら頑張っているというのが何よりもウレシイ。
ワタシ自身、ナンノと同い年でありますし、岡田有希子さんや本田美奈子さんとも同い年です。今は亡き親友やクラスメイトも含め、大好きな同級生を何人も失い見送ってきた身としては、まず、今ともにこうして生きていられることに感謝していますし、今後も自分ができる限りの応援をさせていただきたい、なんて思っています。
そんなこんなで、3人のファンの皆さんだけでなく、同世代の皆さんも、Blooming Girlsをよろしくお願いします!
(2012.6.7)
*「
Blooming Girls CD付き写真集【完全生産限定盤】
」など、Blooming Girlsのイベントで販売されている公式グッズの通販が
Sony Music Shop
でスタートしました!