永遠のポップス少年、シングル集&提供曲集!
今ある、J-POPの礎となった音楽を、心をこめてあなたに伝えたい...。 そんなところから始まったメーカー合同企画・GOLDEN☆BESTシリーズ。
参加メーカーも次第に増え、タイトルもゾクゾク増えておりますが、シカトできないのが杉サマの「 GOLDEN☆BEST/杉真理杉真理 & フレンズ 」。
永遠のポップス少年である杉サマのシンガー・ソングライター&プロデューサーとしての軌跡を追った初の2枚組ベスト。
ご本人監修で、DISC-1はシングル曲を集めたコンプリート・シングル・コレクション。DISC-2は自選の提供曲集となっています。
DISC-1は80年のCBS・ソニー移籍後、初のシングルとなった「Hold on」から、93年の「Love is Magic」まで、19枚のA面曲に、77年にビクターから杉真理 レッド・ストライプス名義で出た「思い出の渦 」をプラス。
上質なメロディーライン、ポップなサウンド、美しくも楽しいコーラスワークなど、さすがシングルだけあってどの曲も聴かせどころが満載ですが、ナイアガラ・トライアングルvol.2のアルバムからシングルカットされた「夢みる渚」から、セーラー服の堀ちえみが話題を呼んだグリコのCMソング「バカンスはいつも雨」あたりの流れはホント秀逸です。
もっとヒットすると思ったんですけどね…。正直、ルックスがもう少し良かったら、不動の地位を築いていたのではなかろーか、などと思っております、失礼ながら。
そしてDISC-2、ソングライターとしての杉サマですが、ワタシがそのお名前を初めて意識したのは、やはりアイドルから。
80年に井上望が放った名曲「シャドー・ボーイ」でした。当時ノンの大ファンだったのですが、あの歌のとてもキャッチーだけど、凝ってて洒脱なメロディーラインが大好きになったワタシは、“まさみち”さんと読むとは知らず「丸山圭子とコンビを組んでる“すぎ・まり”ってどんな女の人だろーね? 百恵ちゃんのもオシャレでいいよね」なんて、親友と話し合っていたものです。
その謎が解けて、本格的に意識し始めたのは、ナイアガラ・トライアングルvol.2で、後はユーミン、須藤薫ちゃんとのワンダフルムーンという流れで、提供曲のチェックを始めるんですが、決定打となったのはハイ・ファイ・セットのCBS・ソニー移籍第1弾「素直になりたい」。カッコよくてブッたまげましたけど、今回の提供曲集はこの曲をオープニングに始まります。
百恵ちゃんのラストシングルB面「想い出のストロベリーフィールズ」、今も仲良しだというワインソムリエ・野田幹子の「8月の砂時計」、石川さゆりが覆面歌手として出した「ウイスキーが、お好きでしょ」、シュッシュッシュワワと磨く松原みき「あいつのブラウンシューズ」、松田聖子はデュエット曲ではなく「Dancing Cafe」、名コンビの須藤薫ちゃんは志賀真理子もカバーした「RAINY DAY HELLO」 など、通な選曲でずらり。
ボーナストラックとして、杉サマの新曲「Don't Worry Yoko」も収録されているほか、全曲杉サマのコメント付きですので、聴いて楽しい、読んで楽しいベストとなっております。
提供曲ではないので収録されていませんが、同じホリプロだったよしみで後期の郁恵ちゃんがシングル化し紅白でも歌った名曲「悲しきクラクション」など、いい曲はまだまだありますので、これをきっかけにイロイロ聴いていただければと思います。
ハイ・ファイ・セットはユーミンとせっとの作品集「 GOLDEN☆BEST/ハイ・ファイ・セット 荒井由実・松任谷由実・杉真理作品集 」も出ていますので。杉サマの曲で最も好きな「Boyfriend」がオススメです!
あと、カーペンターズのファンに聴いてほしいのが96年にソニーから出たN.A.T「 愛は永遠に 」。
杉サマがサウンドプロデュース、須藤薫ちゃんも参加した好企画で長らく愛聴しているのですが、オリジナルの韻を大切にした超訳詩が原曲に忠実なアレンジと相まって、素晴らしい魅力を醸しています。
薫ちゃんのユニットによるリイシュー企画「 POP’N ROLL PARADISE 」「 ポップンロール・プラネット 」なんかも素晴らしい出来です。すっと愛聴していますけど、もっともっと正当な評価がなされてもいいと思いますね、杉サマって。
(2005.7.6)