80’s聖子の名盤16タイトルがブルスペ2化!
“擦り切れるほど愛聴した名盤をもう一度聴きましょう”を合い言葉に、今春から展開されているソニーミュージック・日本の名盤復刻シリーズ。
Blu-spec CD2によって原音により忠実になったと話題の復刻盤で、かれこれ100タイトルを超える勢いですけれど、その中核になると思われるのが、今回リリースが決定した松田聖子。
一連のシリーズとは違う価格帯ながら、ここでは聖子の名盤復刻として、まとめさせていただきました。
復刻されるのは、名盤というにふさわしいCBS・ソニー時代の80年代オリジナルアルバム。
すなわち、よく伸びる歌声がダイナミックなデビューアルバム「 SQUALL 」から、早くも幅の広さを見せつけたセカンド「 North Wind 」、ニューミュージック消化の萌芽となった「 Shilhouette ~シルエット 」、松本隆+大瀧詠一御大渾身の「 風立ちぬ 」、ユーミンとの出会いでステップアップした傑作「 Pineapple 」、ノドの荒れを逆手に取って生み出した聖子唱法とカラーを確立した「 Candy 」、絶頂へと上り詰めていく「 ユートピア 」、かつてないほどの陰鬱さも孕み陰影に富んだ「 Canary 」、小悪魔的ファンタジー「 Tinker Bell 」、80年代の女性解放という聖子的生き方を映した「 Windy Shadow 」、絶世の聖子ボイスが堪能できる「 The 9th Wave 」、世界のソニー&聖子を実現させた初の英語盤「 SOUND OF MY HEART 」、レコ大アルバム大賞に輝いた結婚後初の名作「 SUPREME 」、美魔女的ロリータで第一線への復帰作「 Strawberry Time 」、D・フォスタープロデュースの「 Citron 」、全セルフ作詞となってしまった「 Precious Moment 」までの16タイトルです。
聖子の80年代はサンミュージックでしたから、先ごろお亡くなりになった相澤会長への哀悼の意も表すタイミングになったような気がします。
これらのアルバムは、CD黎明期に始まって、価格見直しの再発、選書と進み、ロングセラーを記録。近年も2006年の10万円BOXを皮切りに、2009年にはDVD付きBlu-spec CDでのバラ売りがあり、2012年にはBlu-spec CDのLPサイズでかジャケ化と、再発が繰り返されてきましたが、どれもが限定盤や初回盤という形で、定番扱いではなかったのですね。でかジャケも初回仕様以降は通常盤に切り替わる予定が、あまり捌けなかったようでその様子もなく…。
そんな経緯がありましたから、今回の名盤復刻シリーズは、でかジャケの通常盤がBlu-spec CD2にグレードアップした!みたいな印象です。
聖子ほどの実績と人気を両立するアーティストなら再発は幾度繰り返されても当然ですし、最初から限定ではない形で流通に乗るのは選書以来20年以上ぶりの気がしますから、今回の名盤復刻入りはファンならば大いに喜びたいところ。
また、コアなファンほど、音の違いに賞賛の声が上がっているBlu-spec CD2で、幾多の傑作がどう変わって聴こえるのか、一聴してみたいという人は多いことでしょうね。
アイドルがアルバムアーティストになり得ることを身をもって証明したのが松田聖子です。各アルバムの紹介はこちらでも常々行ってきましたので今回は割愛しますが、まだちゃんと聴いたことのない方はぜひこの機会に。
どのアルバムも本物のボーカリストとしての魅力が感じられますが、松本隆さんの力を借りてニューミュージック路線を確立した「風立ちぬ」から休業前の「The 9th Wave」までは、特に秀逸ですので、最初はそのあたりから入るのがいいかもしれません。
今年のニューシングル「 LuLu!! 」や、ニューアルバム「 A Girl in the Wonder Land 」(さすがユニバーサル、3種も出るんですと!)にはセルフ作品に混じってCharaや久保田利伸の提供曲も入っているそうですが、今ではあまり見られなくなった多才なアーティストの個性的なナンバーを歌いこなす姿を再認識できると思いますのでね。
とはいいつつ、今回の名盤復刻を思うにつけ、個人的には07年に企画されたものの諸般の事情から発売中止となってしまった紙ジャケのプレミアム・ボックスへの欲求がふたたび頭をもたげて参りました。幻のシャンパンゴールドBOX、そろそろリリースしていただけないでしょうか。
(2013.5.28)
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のみの先着購入特典として、告知ポスタープレゼントがあります。特典がなくなり次第終了だそうですので、お早めに!