女性ボーカルの名曲厳選! お得なロングセラー第2弾!
近年大きな盛り上がりを見せた70~90年代の名曲ブームですが、今やすっかり定着し、あの時代のスタンダードな名曲群は1つのジャンルとして認知された感があります。
毎月のようにゾクゾクと発売されてきたコンピ盤にしても、残っているのは王道モノのシリーズということでも分かりますよね。我々はつい一部の人しか喜ばないマニア向けのモノを珍重してしまいがちですけど、手堅い数字を上げられるのは広く一般に向けたモノがですから、それは当たり前のことなんですけれど。
2010年4月に発売され、現在もロングセラーを記録している「 歌姫~BEST女性ヴォーカリスト~ 」も、そんな1枚。
宣伝はおろか、選曲にしてもジャケットにしても、派手なアピールはまったくないのに静かに売れ続け、累計10万枚に届くのも夢じゃないんだとか。
2枚組で3千円というお買い得プライスも後押ししているんでしょうが、ツボを押さえた無駄のない選曲が選ばれている理由じゃないかと思っております。手前ミソではありますが…。
発売から3年が経ちましたけど、そんな背景もあり、来週には続編となる「 歌姫~SUPER BEST女性ヴォーカリスト~ 」がリリースされることになりました。
歌い継がれてきた女性ボーカルの名曲を厳選して収録という基本コンセプトは同じで、今回は71年の赤い鳥「翼をください」を最古に、最新は99年の松本英子「Squall」まで、2枚のディスクに37曲を収録。
続編というだけあってアーティストは踏襲されているもののダブりはなく、フォーク&ニューミュージック、実力派アイドルポップス、歌謡曲、ガーリーポップスやガールズロックなどなど、今もカラオケで歌われている定番曲がバランスよくチョイスされています。
いずれも、時代の流れに負けない名曲中の名曲という感じですが、シンガー・ソングライターの自作自演曲やユーミン、竹内まりや、桑田佳祐ら大御所からの提供曲やカバーが多い中にあって、やっぱり筒美作品の存在感が際立っているように思います。
今回、個人的にとってもウレシイのは南沙織「哀愁のページ」の収録ですけど、太田裕美「九月の雨」から大橋純子「たそがれマイ・ラブ」、岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」、中原理恵「東京ららばい」という77~78年の圧巻の流れはもちろん、NOKKO「人魚」といった90年代のおニューなナンバーまで、洗練されてて普遍的なことに今さらながら驚きます。
そのため、当時は新鮮で個性的だと思っていたニューミュージック勢の曲が野暮ったく平板に聴こえるほどですけど、そういう感覚は、筒美作品集ではなく、こういうコンピ盤でこそ如実に感じられるのかもしれませんね。
ちょっと話がそれてしまいましたが、ただフツーに懐かしがるだけじゃなく、マニアックな視点からも逆にいろんなことを発見できるような1枚もとい2枚組。中高年へのプレゼントや、クルマに常備しておくCDとしても重宝すると思いますので、よろしくどうぞ。
(2013.5.16)