25周年記念第3弾は、超豪華なアルバムBOX!
松本典子と網浜直子をはじめ、国生さゆり、工藤静香らを輩出した第3回ミス・セブンティーンコンテストで最優秀歌唱賞を受賞。1985年5月にデビューしてから、今年でちょうど25周年。
1月には記念企画第1弾として初のコンプリートシングルA面コレクション「 Song is Beautiful 」(こちらで紹介)をリリース。先日は第2弾として、なんとNYの大江千里クン書き下ろしの「春の日 夏の陽 日曜日」が話題の両A面シングル「 ニューワールド~新しい世界へと~/春の日 夏の陽 日曜日 」ををリリースしたみさっちゃん。
そして8月には、記念企画第3弾となる超豪華な紙ジャケBlu-spec CDアルバムBOX「 Misato Watanabe 25th Anniversary Album Box〜Wonderful Moments 25th 」の発売が決まりました。
85年のデビューアルバム「eyes」から2007年の「ココロ銀河」までのオリジナルアルバム17タイトル18枚に、廃盤になっている西武球場ライブ盤「Live Love Life」、さらには特典として初商品化のライブバージョンを含みこれまで発表されてきた「My Revoluion」のフルサイズ音源を全部集めたCDシングル、そして商品化されていない貴重映像が満載のDVDをプラスした全21枚組。
もちろんリマスタリングのBlu-spec CD、CDのみリリースのものも全部が紙ジャケ仕様になる上、歌詞ブックや、軌跡がわかるフォトブック付きの超豪華版になるそうです。
コレクターズアイテムらしくシリアルナンバー入りで、プライスは、“サンキュー25周年”の語呂合わせで39,250円也。このボリュームでこの価格は、なんともお買い得ではないでしょうか。
思えば85年初夏、EPIC・ソニーのアーティスト応援プロジェクト「Bee」で知ったみさっちゃん。1コ年下のワタシですが、受験を控えつつ、まさに18才のライブに突入しようとしていた時、次々に送り出されるナンバーに共感を得ないはずはありませんでした。
自らの胸に吹き荒れる疾風怒濤の青春をみさっちゃんのボーカルに重ね合わせ、同じような歩みでティーンエイジウォークをしていた気分でしたから、やっぱりファーストの「eyes」は別格です。
「GROWIN' UP」「死んでるみたいに生きたくない」というシングル曲や「悲しいボーイフレンド」「きみに会えて」「Bye Bye Yesterday」などなど、それこそLPがすり切れるほど聴き、CDに買い換えてからもいったい何度リピートしたことでしょう。
小室さんを筆頭にしたTMネットワークをはじめ、ずっと兄貴分の千里クン、みさっちゃんの疾走感をサポートした岡村ちゃんエトセトラ、小坂洋二プロデューサーのもと、EPICの若き才能が結集し、類い希なボーカリスト・みさっちゃんを完全バックアップ。あの時代を生きてきてホントとウソのシーソーゲームを経験してきた人なら、きっと大きな影響を受けたであろうエバーグリーンな名盤だと思いますね。
前にも書いたことがありますが、みさっちゃんの声のもとに集まった驚くほど良質な楽曲たちは、青春が数々の悩みと引き換えにくれた奇跡の贈り物だったのではないかと信じています。
と、「eyes」への思い入れが激しすぎるせいか、受験中の高校生からお気楽な大学生へとまったく変わってしまった心境で聴いたからか、ブレイクナンバー「My Revolution」を含む86年のセカンド「Lovin' you」は、ファーストを超えられない感じがしたのは事実です。なんとなく2枚組ということもあって少し間延びした印象がありましたしね。
でも、ヒットでつけた自信がみなぎっていて、ボーカルの勢いが違います。先行の「みつめていたい(Restin' in Your Room)」や、タイトル曲などが大好きでしたし、ナマでみさっちゃんを初めて見たこのツアーはホントに盛り上がりましたねえ。
ここからオリコン1位が当たり前、なんていうみさっちゃんの時代がスタートします。
次は87年、みさっちゃんが全曲を作詞した「BREATH」ですが、これはドングリ目を見開いたジャケットにビックリした印象の方が強かったりして。サウンドにも変化が見られて、実はなんとなく好みではありませんでした。
しかし戦後最大のポップアルバムという触れ込みだった88年の「ribbon」で、一気にアガりました。シングルでは一番好きな「BELIEVE」が初めて入りましたし、「センチメンタル カンガルー」「恋したっていいじゃない」とポップ色全開。「悲しいね」や「10 years」という涙モンの名曲もしっかり入っていて、とてもバランスがとれた名盤ではないかと思っています。
そして89年の「Flower bed」では、何といっても千里クンとのコラボ「すき」。シングルカットもされましたけど、このアルバムのラストで聴けば感動倍増。コレは今聴いても涙ぐんじゃうほど胸キュンナンバーですね。
90年の「tokyo」も粒よりの名作。「Power -明日の子供-」「サマータイム ブルース」「恋するパンクス」といろんなタイプの強力なナンバーが勢ぞろいしていますが、マイベストはポップでキュートな「Boys kiss Girls」と岡村ちゃんのファンキーな「虹をみたかい」。
91年の「Lucky」も手元にありますが、コレは明治生命の保険に入っていた関係で保険のオバちゃんから貰ったもの。そういえばコンサートチケットも貰って出かけましたけど、初期の曲をほとんどやらなかったので、なんだかみさっちゃん熱が失せてしまったのです。
ちゃんと聴いたオリジナルアルバムはここまで、その後はベスト盤やうたの木シリーズぐらいしか買わなくなったりして、シングル曲は知っていてもその後のことは…という状況なので、あれこれ言うことはできないのでした。
でも、そういう人は多かったみたい。セルフカバーアルバムを出したせいでブランクが空いたせいかもしれないけど、93年の「BIG WAVE」がラストのオリコンNo.1となり、正直アーティストパワーはピークを過ぎてしまったのですから。
ということで、今回のBOXは、これ以降のアルバム、すなわち「Baby Faith」から「Spirits」「ハダカノココロ」「Love Go Go!!」「ソレイユ」「ORANGE」「Blue Butterfly」「Sing and Roses〜歌とバラの日々〜」「ココロ銀河」までを聴く絶好のチャンスととらえています。
ずーっとみさっちゃんを応援している熱烈な皆さんは躊躇なく入手されることと思いますが、そういう人だけでなく、ワタシのようにいつしか離れてしまったかつてのファンの皆さんも、これを機に25周年の軌跡を振り返り、失われた日々を取り戻そうではありませんか。ちょっと値段は張りますけれど。
ソニー・ウォークマンのCMの名コピー「10代で口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ。」ではありませんが、きっとアラフォー前後の人々にとって、みさっちゃんの歌はそういう存在なのだから…。
(2010.5.27)