サザン名義を含む、ハラ坊のボーカルベスト!
ただいまバンド活動休止中、サザンオールスターズの紅一点といえば、もちろんハラ坊こと原由子さん。
ワタシの場合、デビュー当時「明星」で見たご実家の天ぷら屋さんの写真や、ナビスコのチップスターのCMの笑顔とかがめちゃくちゃ印象的ですぐに思い浮かぶほどですが、歌の方でも♪男は立てよ行けよ女の元へ〜(「思い過ごしも恋のうち」作詞作曲・桑田佳祐)とか、♪たまにゃMaking Love〜(「C調言葉に御用心」同)とか、♪横浜じゃトラディショナルな彼のが〜(「シャ・ラ・ラ」同)とか、独特のノンビブラートもずっと耳に残っています。サザンの名曲をさらに輝かせるコーラスは、ホント素晴らしいものがありますよね。
淡々としてるのに、決して無機質じゃなく、あくまでサラリとしてるのにココロに届く、みたいな。
80年、Five Rock Showと銘打ったサザンの5ヶ月連続シングルリリース(実際は制作が遅れ連続にはならなかった…)の1つ「恋するマンスリーデイ」では、桑田さんによるハラ坊アンネの日記もありましたけど、このシングル曲が入ったアルバム「タイニィ・バブルス」で、ハラ坊が初めてリードボーカルをとったんですよね。
それがあの「私はピアノ」。このアルバムのミュージックカセットを中学の入学祝いにもらったワタシは、ビリー・ジョエルの発音や、♪そんなこと知るかいな〜というフレーズにやっぱり、なんとなく変なユウコさん!という感じがしたものです。夏に高田みづえがカバーして、さらにビックリしましたけどね。
81年にはこれまた衝撃的な「I Love Youはひとりごと」でソロデビュー。ハラ坊のボーカルやソングライティングの才能が大きく花開きました。地元の黎紅堂ではアルバム「はらゆうこが語るひととき」が大人気で借りられなかったこととか、いろんなコトが思い出されますけど、あれから30年。
サザンはもとよりソロでの大活躍は今さら言うまでもありませんが、このたび究極のベストアルバム「 ハラッド(初回限定盤) 」(通常盤「 ハラッド(通常盤) 」もアリ)のリリースが発表されました!
何でもシングル15枚、アルバム5枚という実績を誇るソロはもちろん、バンドやコラボなどで歌った作品を含む、ハラ坊がボーカルをとったすべての楽曲の中から約30曲を厳選したという“ハラボーカルベスト”。サザンの名ベストをパロった(といっても同じ方が書いたそうです)も面白くて期待が高まる感じです。
収録予定曲としては、最新シングル「夢をアリガトウ」をはじめ、資生堂CMソングとして大ヒットした「恋は、ご多忙申し上げます」やカゴメCMソング「ハートせつなく」、幾度となくCMソングに起用され続け紅白初出場曲にもなった「花咲く旅路」といったソロヒットはもとより、前述の「私はピアノ」や長山洋子がカバーした「シャボン」に加え「鎌倉物語」といったサザンでのボーカル曲もきっちり網羅。
さらに、昭和歌謡の名カバー集「東京タムレ」に収録されていた桑田さんとのデュエット「いつでも夢を」、香取慎吾とのコラボナンバーの桑田さんバージョン「みんないい子(わるい子ヴァージョン)」も押さえている上、桑田さん作詞作曲による新曲「京都物語」も入るそうです。
なお初回生産限定には、特典が付くみたいですのでお早めに。
個人的なマイベストでいえば、ソロではハラ坊らしいほのぼのとした胸キュン映画主題歌「あじさいのうた」、サザンでは園まりの「逢いたくて逢いたくて」みたいな「流れる雲を追いかけて」、カバーでは由紀さおりの「生きがい」。提供曲では伊藤つかさに書いた「夢見るSeason」と斉藤由貴の「少女時代」が双璧でしょうか。
ソングライターとしてだけでなく、ボーカリストとしても、控えめという奥ゆかしいというか、一歩も二歩も下がる謙虚なお人柄がにじみ出てて、実にミリョク的なハラ坊の音楽。
実はCDを借りパクされたりして、久しくじっくり聴いてないんですけど、これを機にあらためて堪能させていただこうと思っています。
(2010.4.26)