持っておきたいビクター時代シングルAB面コレクション!
かつてはシングルA面でさえ全部入ったCDが出ていなくて、その人気や実績からいっても復刻市場では長年冷遇されてきた感のあったMAKOちゃん。
しかし2008年の30周年時にBOXと紙ジャケ復刻が実現し、ファンの長年の溜飲を下げたのは記憶に新しいところであります。100万ドルの微笑もさほど変わることなく、みんなの応援を活力に歌手としての活動にも力が入っている様子で何よりですね。
ひと通り復刻が終わってしまいましたので、別に…とお思いの人も多いでしょうけど、やっぱりMAKOちゃんクラスともなるとシングルコンプリート盤ぐらいが常に生きててほしいもの。近年はビクターさんだってすごいラインアップを出してくれてることですしね。
などと思っていましたら、78年3月のデビューシングル「狼なんか怖くない」から87年の「空にカンバス」まで、BOXを除くと初のシングルAB面ほぼコンプリート(むろんビクター時代のみ、今回「マコ・パック<メドレー>」は除外)となる2枚組「
ゴールデン☆ベスト デラックス 石野真子
」の発売が決まったようです。
ビクターからは昨夏、怒濤のG☆Bが出ていましたが、直近に復刻されたMAKOちゃんはラインアップから外れていましたので、今回満を持してのリリースということになりますね。
不況続きでBOXやオリアルに手は出なかった、そうはいっても1枚もののベストなんかじゃ全然満足できない、そんなファンの方なら飛びついてしまうんじゃないでしょうか。
ワタシも、阿久悠+吉田拓郎コンビによる鳴り物入りデビューシングル「狼なんか怖くない/ひとり娘」や第2弾「わたしの首領/いたずら」なんかを聴いてると、あの昭和53年の空気がよみがってきます。事務所の先輩・郷ひろみが出てたドラマ「ムー一族」では、ひろみの部屋にMAKOちゃんのポスターが貼られていましたっけ。
渡辺真知子さんとともにあの年の新人賞を総ナメにした「失恋記念日/決定的瞬間」も、阿久さんの言葉選びにドッキリしたことでした。そういえばちょうどこのあたり、MAKOちゃんが剣道着を着た映画も公開すぐに見に行きましたねえ。タイトルも何にも覚えてないんですけど、応援していたことだけは確かでした。
そして2年目の79年は筒美先生を初起用、ディスコタッチの「日曜日はストレンジャー/悲しきエンゼルス」も、カントリーっぽさもプラスされた「プリティー・プリティー/ハイスクール・クィーン」もいずれも名曲でした。
日本テレビ音楽祭金の鳩賞受賞曲「ワンダー・ブギ/空とぶお譲さん」は、お遊戯とか、当時はちょっと子どもっぽ過ぎると感じましたが、今聴くとMAKOちゃんにしか出せない色だったように思えて、なんだかハツラツとした明るさの中にいとおしいような郷愁も募ってきたりします。続く紅白初出場曲の「ジュリーがライバル/白いオルゴール」は、個人的に全然惹かれなかったのですが、最初は絶対阿久さんの企画だと思ってましたね。
人気は抜群なのに時代のあおりをうけてなかなか大ヒットに恵まれなかったMAKOちゃんですが、80年には「春ラ!ラ!ラ!/恋のジョギング」で初のザ・ベストテン入り。確かこの頃にご実家が全燃するというアクシデントに見舞われたんじゃなかったでしたっけ。きっと大変なショックだったでしょうに、あの時MAKOちゃんが見せた健気な笑顔にはとっても感動したものです。
歌の方ではトランプ手品を見せた「ハートで勝負/お嫁にもらって下さいませんか」がピークという感じでしたが、百恵ちゃんの引退が決まり、明星の人気投票ではNo.1を受け継ぎ自動的に日本テレビ音楽祭トップアイドル賞に輝くなど、人気絶頂期へと向かったMAKOちゃん。司会業など幅広いマルチタレントのようなイメージになっていきました。
それに連れて歌手としてはあんまり目立たなくなってしまうんですが、MAKOちゃんの歌はココから。オトナっぽくイメチェンを図った「めまい/VIVA!サンシャイン!」でかの有馬三恵子先生を起用し、エッ!と思ったのですが、その方向性はもっとしぼられていきます。そう「彼が初恋/私のしあわせ」。有馬+筒美コンビによる南沙織のアルバム曲をカバーしたのです。
この路線は、両A面だったけどノーランズのリメイクをプッシュしてた「フォギー・レイン/恋のハッピー・デート」をはさみ、81年、違和感はあったものの超名曲の「思いっきりサンバ/雨の日のジュテーム」で結実。テレビではあんまり歌われませんでしたが、収録アルバム「TWENTY・MAKO6」は筒美京平先生渾身、石野真子版ヤングのテーマと言うべき最高傑作ですので、ぜひ紙ジャケ復刻盤でお聞きください。
結局この年には「二人歩記」のあの方との結婚が決定的となり、事実引退するんですけど、間際の怒濤のリリースは凄かった。4月には有馬先生がA面も作詩した「彩りの季節/初夏が一番!」、6月に「恋のサマー・ダンス/恋はおしゃれに」、7月にラストシングル「バーニング・ラブ/ボン・ボン・ブーケ」、12月に引退記念の「私のしあわせパート2/GOOD-BYEは出発」…。
また、82年には引退1周年記念シングルとして未発表曲「明日になれば」(今回は片面の「マコ・パック<メドレー>」は未収録)が出るなど、MAKOちゃんが引退してから誰のファンにもなれない方は、スライドしていった小泉今日子親衛隊の中にもいたそうです…。でも、この「明日になれば」はMAKOちゃんらしい、おっとりした前向きさがあってとっても好きです。
今回はビクター時代コンプリートですんで、復帰後の「めぐり逢い/ミモザの季」「ガラスの観覧車/海色のパセティック」「空にカンバス/雨垂れはイヤリング」も収録。さらにはボーナストラックとして、2008年12月に出た東京タワー開業50周年公式応援ソング「東京タワー」もプラスされるそうです。
というMAKOちゃんのコンプリート・シングルコレクション。こういう定番タイトルこそ最初に出るべきだと思いますし、既に他のベストを持っている人は、コアなファン以外手を出せない状況かもしれませんが、アイドルファンを自認する人なら1枚もののベストなんかは放してでも絶対持っておきたいタイトルだと思いますので、ぜひこの機会に。
個人的には、B面曲でありますが、阿久さん&筒美先生の名曲「ハイスクール・クィーン」と、シングル候補だったというイルカの「ボンボン・ブーケ」がオススメ。どちらも春のほんわかした風のような、優しいMAKOちゃんの魅力が詰まった名曲です。
なお、今回「
ゴールデン☆ベスト 安達祐実
」「
ゴールデン☆ベスト 雛形あきこ
」も同時発売。このタイミングで昨夏出たG☆Bシリーズの人気タイトルも再プレスされるようですよ。
(2010.7.8)