ライブ復刻&レア音源! よしえの30周年記念企画第2弾!
聖子やヨシリンと同じくデビュー30周年だけど、ちょっと大物・よしえはまだ44歳。もちろん現役、たまにテレビで見かける姿は、歌声も衣装もヘアメイクも25年前ぐらいと驚くほど変わっていないみたいだし、あの頃と同じく昭和40年代の雰囲気を出せる希有な歌謡曲歌手として活躍を続けています。
5月にはカバーアルバムシリーズ「 アンコール 」の第2弾「 アンコール2 」もリリース。今度はなんと「時には娼婦のように」や「ブランデーグラス」、「みちのくひとり旅」とか「女ひとり」「大阪で生まれた女」「カサブランカ・グッバイ」など、男性演歌・歌謡曲の名曲に挑戦しているといいますから、ホント相変わらずの前向きさに拍手を送りたい気分です。
これで正当に評価されれば、言うことなしなのですけどね。アイドルマニアにも昭和歌謡フリークにも、なんだかいつもスルーされがちのようで残念に思っております。
さて、そんな芳恵ちゃん。30周年記念企画としては3月にシングル盤復刻BOX「 デビュー30周年シングル・コレクション(DVD付) 」(こちらで紹介)がリリースされましたが、満30周年に突入する6月には第2弾、4CD+1DVDあわせて5枚組のボックス「 デビュー30周年記念企画第2弾 「Live & Rarities CD+DVD BOX」 」が発売になるのだとか!
芳恵ちゃんの場合、25周年時にシングル音源とオリジナルアルバムの全復刻が終わっていますから、30周年の第1弾シングル復刻は音源的に珍しくなく、どちらかといえばコアなファン向けのコレクターグッズという印象が強い感じでした。
しかし、第2弾のタイトルはライブ&レアリティーズ。初CD化となるものも多く収録されるようですし、アイドルファンや一般の芳恵ファンにも待望のアイテムになるといったところでしょうか。
内容はといいますと、まずCDの方は、3枚のライブ盤完全復刻と1枚のスペシャル音源集とのこと。
ライブ音源については、25周年記念のBOXでは本人チョイスによって半分ほどがCD化されていたようですが、今回はレコードとして出ていたライブアルバム、すなわち大ブレイク直前、レディ直前、81年5月発売の「第一章・ふれあい/柏原よしえオン・ステージ」から始まって、翌82年5月に出た「よしえのLOVE LOVE CARNIVAL〜柏原よしえコンサート’82〜」、脂の乗った86年11月の「柏原芳恵リサイタル お・ん・な 飛翔」の3枚が完全復刻されるようです。
とてもミドルティーンとは思えなかった独特のネットリ視線ジャケットにドキッとする「第一章・ふれあい/柏原よしえオン・ステージ」は、真面目な初々しさで頑張ってます。まだ声が完成していないんですけど、そこがナマナマしくてカワユイんですね。
このライブ盤は、近田春夫に目をかけられ提供された「乙女心何色?」を新曲として歌っていた81年、有楽町・よみうりホールでのファーストコンサートを収録したもの。正統派アイドルのライブらしく、ちょっと古い洋楽カバーと、まだ少なかったオリジナル曲で構成されていますが、ファンにはおなじみの人気曲「スプリング ハズ カム」がオススメです。
ブレイクの予感を告げる青い声援も今聴くと微笑ましい感じ。感極まっているよしえちゃんとの感動を分かち合える、という感じ。
「毎日がバレンタイン」も好きでしたけど、やっぱり「第二章・くちづけ」。見るたびにメークが濃くなって、レース度が増す衣装も相まりどんどん色っぽくなっていくスピード感は忘れられません。コルゲントローチのCMではあの人差し指を使ったアクションがキュートでしたけど、トローチの真ん中の穴を前歯の内側に生えてしまった歯に引っかけながらなめていたよしえちゃんを思い出します。
お次の「よしえのLOVE LOVE CARNIVAL〜柏原よしえコンサート’82〜」。ファンタにビタミンCが入ったことをお知らせするみたいに元気ハツラツ、ちょっぴりセクシーなよしえちゃんが全開です。
リバイバルブームの追い風を受け「ハロー・グッバイ」でついにベストテン入りを果たし、ようやくトップアイドルの座を射止めた後。82年3月に中野サンプラザで開催されたコンサートのライブ盤です。ピンキーパンチもビックリの熱気ムンムン、前にも増して男子のかけ声や絶叫が飛び交う中、場数を踏んだ余裕とヒットで身につけた自信がみなぎっていますね。
確か高校2年に進級直前だったにもかかわらず、校則違反バリバリのカーリーヘア。当時「渚のシンデレラ」のイメチェンには心底オドロキましたけど、あの髪のボリュームは今見てもかなりなインパクトです。
そんなヘアスタイルやシックスティーズを意識した衣装同様に負けず劣らず、長尺のオールデイズメドレーはとにかく圧巻。やっぱりタダモノではない感じがヒシヒシと伝わってきますし、自信満々のヒットメドレーでは、とにかく上り調子の勢いを感じられますね。
そして芳恵に改名し、83年には中島みゆき提供作「春なのに」を大ヒットさせ、紅白にも初出場。倍速で大人びていったけれどもバランス的に最高だった絶頂期のライブ盤がないのはとても残念ではありますが、風格すら漂わせた「柏原芳恵リサイタル お・ん・な 飛翔」はタイトルのスゴさとともにKOされそう。
今では皇太子殿下におなりになった浩宮様からバラをプレゼントされたことでも知られる、新宿厚生年金会館のリサイタルの実況録音盤であります。浩宮様が大の芳恵ファンでいらっしゃることも大きな話題となりましたが、国民的アイドルをも凌駕する皇室御用達アイドルの称号は、後にも先にも芳恵ちゃんだけに授与された栄誉でございましょう。
そういえば、国民的番組だった紅白には煮え湯を飲まされた感のある芳恵ちゃんではありますが、まだまだ権威のあったレコード大賞では常連組でした。この年TBSドラマの主題歌になった筒美作品「女ともだち」で優秀歌唱賞を受賞するなど、オトナの実力派歌手として認められてきた頃ですから、とっても濃ゆい。メドレーの初期シングル曲も余裕の熱唱でありますが、熟しきった洋楽カバーも夜のムード漂う独壇場です。
なお、スペシャルCDの方は第1弾で「タイニー・メモリー」が好評を博したせいか、「最愛」や「花嫁の朝」のショート・バージョンを収録。ほかは「No.1」「第二章・くちづけ」「春なのに」のカラオケだけと、期待される未発表曲などは今のところ入らないみたい。このままではレアリティーズとは言えず、ちょっぴり残念ですよね。
一方、DVDの方はと言いますと、芳恵ちゃんの場合、商品化されていたビデオ3本、すなわち千葉県文化会館でのドリーム・コンサートを収録した83年の「SHOWER」(VHDが完全版)、みゆき作品で構成した85年のクリップ集「ロンリー・カナリア」、タイで全編ロケを敢行した86年の「しなやかな夜をはさんだビスケット」の3作は、3in1の「YOSHIE MEMORIAL」で04年にDVD化済み(満25周年の05年にも再発、しかし廃盤)とのこと。
となると、今回は残る未DVD化のライブ映像「デビュー7周年記念柏原芳恵リサイタル〜お・ん・な・飛翔」になるかと思いきや、予定では第1弾BOXと同じくTBSテレビ出演時のレア映像になるんですと! しかも今回は約45分もたっぷり収録。
うーん、個人的にはテレビでの歌唱映像をたっぷり見たいなと思いますが、ファンとしては栄光の「お・ん・な飛翔」のDVD化を望む人が多いかも。
ともあれ、芳恵ちゃんにとってはなんと合計4個目のCDボックス。さすがフィリップス・レコードの80年代を1人で支えただけのことはありますネ。きっと80年代アイドルならでは、聴いて、見て、じっくり堪能できる充実のボックスに仕上がることでしょう。
さあ果たして、あなたとよしえのラブ・コンサートになるか、はたまたキミとよしえのハッピー・カーニバルになるか、ぜひお楽しみに!
(2010.4.9)