'77リサイタルDVD付き、40周年昭和の名曲カバー集!
小柳ルミ子、南沙織、天地真理がデビューした1971年。その後の歌謡界にとってエポックメーキングといわれるこの年は、男性陣もすごいアイドルスターが登場しました。
それが新御三家の先陣を切って、15歳でデビューしたゴロー。七三の演歌調デビュー曲「博多みれん」を経て、筒美先生のエバーグリーンポップス「青いリンゴ」でティーンのアイドルに。翌年デビューの西城秀樹、郷ひろみたちの人気を牽引し、72年末あたりからは女子たちを熱狂させる新御三家として不動の地位を築いていったのは今さら言うまでもないでしょう。
移り変わりが激しかった女性アイドルとは違い、新御三家の全盛期はたのきんトリオに交代する80年代頭まで続きましたし、歌やお芝居だけでなく、ゴローがメインレギュラーで他の2人も支えた「カックラキン大放送!」や、「ヤンヤン歌うスタジオ」などで見せたコミカルな一面も大きな魅力でした。
というように新御三家は三者三様、それぞれの個性が傑出していましたが、みんな確かな実力を持ったホンモノのスターですから、今日まで根強い人気を誇っていられるのだと思います。
中でもゴローは卓越した歌唱力と音楽センスが魅力ですが、ヒデキやひろみと比べると最近は歌の方の活動があまり目立っておらず、残念な思いをしているファンも多かった様子。黄色い声援を送っていてもゴローファンはホントに真面目で大人しい女の子が多かったように思いますし、ホント熱心なファンばかりだった印象がありますのでね。
しかし、デビュー40周年目のアニバーサリー・イヤーに突入した今年、なんとエイベックスへと移籍し、新作をリリースすることになりました。
それが、ゴローがデビューした71年から昭和の終わった88年まで、歌謡曲の黄金時代にして音楽賞華やかなりし頃の昭和を彩った名曲のカバー集「 GORO Prize Years,Prize Songs ~五郎と生きた昭和の歌たち~(仮) 」。
猫も杓子もカバーアルバム…という声がまた聞こえてきそうですが、新曲を集めたものよりも手堅いヒットを記録するのですから当然といえば当然。しかも、あの上手いゴローが歌うのですから、これは楽しみです。
取り上げられているのは、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」、欧陽菲菲「雨の御堂筋」、森進一「襟裳岬」、布施明「積木の部屋」などの名曲が並んでいますが、注目は自身のNo.1ヒット「甘い生活」「私鉄沿線」のセルフカバーと、「若き獅子たち」「あなたがいたから僕がいた」。そう、ヒデキとひろみのカバーで、新御三家がそろうという仕掛けがあるのです。
これがヒットしたのは、新御三家の人気のバランスが最もとれていた昭和51年。レコード大賞のステージに3人がそろった年です。前年の部門賞の時、ひろみが選考から漏れた時、小川哲哉にイジワルな質問をされたコトまでもを思い出してしまいますが、今回のカバー集では、なんだか往年の新御三家がそろったステージで、持ち歌交換をした時のような感動がよみがえりそうですね。
しかし、このアルバムの魅力はそれだけではありません!どちらかというと、このサイト的にはそれ以外の部分、そう、DVD付きの初回限定盤が魅力的なんです。実は、このコーナーで紹介させていただいたのも、こDVDが付いているからだったりして。
その内容は77年4年に行われた「’77日生劇場特別リサイタル」の抜粋映像。東海林修先生の尽力のもと、当時20歳ゴローが日生劇場でのリサイタル最年少記録を樹立したあのコンサートが、ダイジェストとはいえよみがえるのです。
貴重な70年代のリハーサルやオフショットなども収録されているといいますから、ゴローファンはもちろん、70年代の歌謡曲やアイドルファンも感激の内容になることでしょう。
さらにスリーブ仕様で秘蔵写真満載の32Pブックレットも付くということなので、やはり初回限定盤を手に入れたいところです。
個人的にはゴローのCDを買うのは、名曲「グッド・ラック」をケミストリーに歌わせたいと言っていた松尾潔プロデューサーによる筒美先生のコンビ復活作「Sweet Rain」以来ですから、ホント楽しみです。
ゴローの場合、アルバム復刻もQ盤ブーム時に止まってますし、シングルA面B面コレクションやBOXも含めいずれも入手困難になっているなど、新御三家の中では寂しい状態が続いています。40周年を機に再評価と復刻が進み、新しいBOXも出てほしいな、なんて思っています。
(2010.6.7)