お宝満載の紙ジャケBOX、アンコールプレスふたたび!
これをお読みの皆さんは、かなりの方が既にお持ちかもしれませんね。
2008年、太田裕美さんのデビュー35周年記念企画として、ソニーのオーダーメイドファクトリーのオリジナル商品として発売された紙ジャケCD25枚組の「 太田 裕美 オール・ソングス・コレクション 」。
07年12月に候補に挙がって以来、静かな反響を巻き起こし、すんなりとまではいかなかったけど無事08年4月に発売。CD25枚組というボリュームや、お得だけどまとまってしまうとかなりな金額になってしまうがゆえ、見送ってしまった人も多かったようでした。
しかし、その完成度や充実度がクチコミで広がったのか、それとも企画を全くご存じない方がたくさんいらしたのか、アンコールプレスの要望がたくさん寄せられたと言います。それに応えてその年の10月にはアンコールプレスの予約受付を開始、翌09年1月には無事再プレスにこぎ着け、一件落着したのでありました。
しかし、それでも知らなかったという人や、CD選書も入手困難盤が増えたのでやっぱり欲しくなっちゃったという人はけっこういらしたようなんですね。事実、こちらの元にも「入手したいのですがどうしたらいいですか」とか「在庫の残りとかがもしあるのなら譲ってください」という嘆願メールも頂戴したほどです。
しかしこちらではお力になれず、その節は大変申し訳ありませんでしたが、なんとこのたび2度目のアンコールプレスの受付が開始されたのです! つい最近も「オークションで高騰しています!」というお叱りのようなメールをいただいたところだったので、ちょっとホッとしています。
希少性が下がるとおっしゃる方もおいでのようすけど、太田さんの名曲たちを1人でも多くの方に聴いてほしいと思っているファンとしては、アンコールプレスはとっても喜ばしいことですし、欲しかったけどまだ手に入れてないという人がいらっしゃるかもしれませんので、ここであらためて紹介させていただきましょう。と言いつつ、過去の文のコピペ&一部訂正ですみませんが…。
20世紀の全オリジナル・アルバムを紙ジャケ復刻したと言えるこの25枚組BOXは、最新アルバム「始まりは“まごころ”だった。」や童謡アルバム「どんじゃらほい」を除く、太田裕美さんの全楽曲(オリジナルアルバムおよびシングル)を網羅。
構成はといいますと、まず75年のファースト「まごころ」から結婚休業前の84年に出した「TAMATEBAKO」までの18枚に、85年に発売された最初で最後のライブ(当時はそういう触れ込みだったけど、後に自主制作でライブCDが出てます)「HIROMIC WORLD」、そして完全復活した98年からの傑作ミニアルバム三部作を加えた全アルバム22枚。ミニアルバム3枚にはボーナストラックとして全シングルA面のオリジナル・カラオケも入っております。
これにアルバム未収録のシングル曲40曲を集めたソングス・コレクションI&Ⅱ(発売以来よく「恋愛遊戯」の件でご質問いただくことがありますが、皆さんと同様の疑問は以前から承知しておりまして、これは検討の末メーカーに残るレーベルコピーの表記のまま“シングル・バージョン”となったものです)、さらには超貴重なCMソングをはじめ初商品化&初CD化音源多数、マニアな皆さんのリクエストにもしっかり応えた24曲のソングス・コレクションⅢという圧倒的なボリュームとなっています。
しかもブックレットには、全シングル・ジャケット完全掲載、セカンド「短編集」の松本隆さんの手書き歌詞原稿、懐かしのコンサート資料、ご本人所有のアルバムからはがして拝借したというライブ・メモリー・フォトグラフ、そしてお手伝いさせていただきましたアルバム解説にディスコグラフィーに主要参加曲&提供曲リストという盛りだくさんの内容となっております。
確固としたコンセプトのもと作り続けたアルバムはいずれも名盤ぞろいですし、LPの売れ行きが群を抜き、アルバム・アーティストと評された太田さんのこのボックスこそ、数あるアルバムボックスの中でも自信を持ってオススメしたい内容です。
選書盤をそろえている皆さんも、24bitデジタルリマスタリングのいい音で聴け、オリジナルの紙質までもを徹底再現したジャケット&歌詞カードをとことん楽しめるこのボックス。また違う価値があると思いますので、ぜひ家宝として手に入れたいものですよね。
デビュー時から「シングルとアルバムは別物」という考えのもと、数々の優れたコンセプト・アルバムを残してきた太田さん。
それはご本人の資質や松本隆+筒美京平をはじめとする優れた作家陣の力もありましょうが、やはりCBS・ソニーの白川隆三さん、渡辺音楽出版の原正志さんという素晴らしいディレクターコンビが築き上げた功績によるものでしょう。
これを受け継いで、NY帰国後の新境地を開拓した夫君も、筒美先生ラブコールによる復活の際に手を挙げたというキューン・ソニーの加納糾さん(いずれも当時)も、コレには入っていませんが最新作を担当しこのBOXのプロデューサーでもある吉田格さんも、歴代ご担当の皆さんは、ホントに後世にまで残る名盤を作り続けてくださいました。
シングルでは歌謡曲っぽいものも多かったし、アイドル的要素も高かった太田さんですが、アルバムのベクトルは初期のフォーク・ニューミュージック系から、テクノやニューウェーブの味付けを施したジャパニーズポップス、世紀末の良質音楽回帰まで、とにかく多彩。ホント、ウワバミのように何でも飲み込んで、しっかり消化して、あざやかに昇華する才能は、当時も今も唯一無比の存在ではないかと思います。このへん、ご本人のケロケロなキャラのせいで、あまりクローズアップされない部分ではあるのですが。
いずれにしても、これからも天賦の声質と併せて、行けるとこまで突き進んでいただきたいですよね。長年ファンであるワタシですが、NY時代以降のご本人の作家としての才能にも驚愕しています。
という太田裕美史上最大であり最高といえるBOX、今年のボーナスはもう使い道が決まっちゃってるかもしれませんが、アンコールプレスのチャンスはそうあるものではないと思いますので、この機会をお見逃しなく。まだ躊躇されるようでしたら、当時に作りました特設ページもあわせてご覧いただき、内容を吟味の上、ぜひご検討くださいますようお願いします。
また、このBOXの続編である最新オリジナルアルバム「 始まりは“まごころ”だった。 」を併せてそろえると、オリアルコンプリートとなりますので、こちらもぜひ。ホント聴けば聴くほど味が出る名盤ですので。それと最新シングル「 初恋 」(こちらでも紹介)もひとつよしなに。
それと、なんだか付け足しみたいになって申し訳ないんですが、オーダーメイドファクトリーではスペシャル企画商品として、大江千里クンのBOOK+DVDという夢のオリジナル復刻パッケージ「 SENRI OE FANTASTIC MEMORIAL on PATI PATI & BEE 」も候補に挙っています。
これは千里クンが常連だった雑誌「PATi-PATi」に掲載された大江千里記事&写真からのベストコレクション(300ページを予定)と、EPICが全国各地で展開したビデコン「BEE」での大江千里特集・SENRI OE VIDEO MINTのベストテイク映像を収録したDVD(60分を予定)をワンパッケージにしたスペシャルプロダクツになるとのこと。
先日帰国され、とてもお元気そうだったという千里クンもきっと喜んでいることでしょうから、千里ファンの皆さん、どうぞよろしくお願いします。
(2010.7.9)