好評のベッテンCD第2弾、5タイトル発売決定!
あの伝説のTBS「ザ・ベストテン」をCDにまとめたコンピ盤シリーズ。昨年4月、レコードメーカー5社(ソニーミュージック、ユニバーサルミュージック、ビクター、ポニーキャニオン、コロムビア)から発売され(こちらで紹介)、好評を博したのは記憶に新しいところ。
黒柳徹子さんと久米宏さんのタイトルコールや、歓声入りのテーマ曲も入っていて、木曜よる9時の生放送が目の前によみがえるようでした。スタッフのお一人だった山田修爾さんの著書や百恵ちゃんのザ・ベストテンDVD-BOXと併せ、番組の再評価はまたまた高まりましたよね。
と、あの頃毎週見ていた人にはたまらないザ・ベストテンのコンピですが、このたび第2弾として5タイトルが登場することになりました。
前回は開始時の1978年から絶頂期の85年まで、すなわち初代の男性司会者・久米さん在籍の年まででしたが、今回はその後。86年から番組終了の89年、黒柳さんはそのままに、コニタン、松下アナ、渡辺リーダーらの時代です。
今回も前回同様、2年ごとにまとめて2枚にコンパイル、もちろんランクインした楽曲が年間ランキングをベースにチョイスされています。
まず「 ザ・ベストテン 1986-87 」は、聖子の休業で人気をひとりじめした中森明菜の独壇場時代。レコ大に輝いた「DESIRE-情熱-」をはじめ、TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」、少年隊「仮面舞踏会」、渡辺美里「My Revolution」、斉藤由貴「悲しみよこんにちは」、石井明美「CHA-CHA-CHA」、 1986オメガトライブ「君は1000%」、荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」、南野陽子「楽園のDoor」、徳永英明「輝きながら…」といったナンバーがランクインしています。
続く「 ザ・ベストテン 1988-89 」は、88年年間1位の田原俊彦「抱きしめてTONIGHT」をはじめ、中山美穂「人魚姫」、工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」、南野陽子「吐息でネット」、浅香唯「C-Girl」、久保田利伸「You Were Mine」、光GENJI「パラダイス銀河」といったおなじみのヒットナンバーがずらり。プリプリの「Diamonds」、TMネットワークの「DUVE INTO YOUR BODY」、ZIGGYの「GLORIA」などバンドブームを映したヒット曲も入ってます。
と、今回は本編が2枚と少ないのですが、その分、お楽しみがいっぱい。
演歌・歌謡曲系のラインクイン曲を集めた続編「 ザ・ベストテン 歌謡曲編 2 」は、平尾昌晃と畑中葉子「カナダからの手紙 」、黒沢年男「時には娼婦のように」、小林幸子「とまり木」、中村晃子「恋の綱わたり」、松村和子「帰ってこいよ」、西田敏行「もしもピアノが弾けたなら」、堀江淳「メモリー・グラス」、瀬川瑛子「命くれない」などなど、ヤングの間でも人気を博したオトナの歌がいっぱい。とんねるずの「歌謡曲」は御愛嬌ということで。
あの時代が最後だったかもしれないけど、中高生たちがいろんな演歌や歌謡曲を抵抗なく口ずさんだり、煙たがられていた演歌歌手にも親しみを覚えるようになったりしたのも、ザ・ベストテンの大きな功績の一つですよね。
亡くなられた後にスポットライトで紹介され、番組終了直前にランキングにも入った美空ひばり「川の流れのように」は、お嬢の凄さがヤングにもしっかり伝わるきっかけになったように思います。
そして、個人的には前回もイチバンの楽しみだった「 ザ・ベストテン スポットライト編 2 」。そう、“今週のスポットライト”コーナーに出演したナンバーです。ランクインしなかった名曲、ランクインしたけど本編には収録できなかった楽曲で構成されていますが、今回は、さだまさし「天までとどけ」、加山雄三「光進丸」、小柳ルミ子「来夢来人」、杉田二郎「ANAK(息子)」、町田義人「戦士の休息」、菅原進「琥珀色の日々」、ピンク・レディー「OH!」、小泉今日子「私の16才」などが予定されています。
さらに今回は、もう1枚、スペシャルディスクと呼べるタイトルもありまして、それが「 ザ・ベストテン リクエスト編 」です。
ランクインしたけど出演しなかった楽曲ということですが、ハガキリクエストを何よりも重視し、視聴者のリクエストに応えられるようなんとかして出てもらうよう出演交渉を重ねていたザ・ベストテンならではの視点と言えそう。
EPO「う・ふ・ふ・ふ」、仲村トオル・一条寺美奈「IT'S ALL LIGHT」、内海和子「蒼いメモリーズ」、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、宮沢りえ「DREAM RUSH」、村下孝蔵「初恋」、藤井フミヤ「MOTHER'S TOUCH」らが入るようですが、番組のデータを見ながら聞けば、いろんなセットの数々や、黒柳さんとのトークもよみがえったりして、もっともっと楽しめそうです。
毎度言っていますが、またこういう番組ができて、みんなが同じように口ずさめるうたが生まれてほしいなあ。歌番組と言えば最近はナツメロ特集ばかりになってしまっていますが、今のヒットチャートにだって、いいうたや素敵なアーティストがいっぱい存在ありますから、そういうのがみんなで楽しめる大衆向けの上質な音楽番組が見たいなあ。
今回もただ懐かしがるのではなく、そんな願いをこめて、このコンピをば。前回と同じ締めになりますけど、「この歌はベストテンではあのセットだったよね」とか「あの歌手、ベストテンではこう言ってたよね」とかいう言葉だけで、何十年経とうがすぐあの頃に戻れたり、全く知らない人同士でも盛り上がっちゃうような、そんな番組がまた始まって、次の世代がまた新たなうたの楽しみ方やうたを通じたすばらしい思い出の共有ができますように。
そして特番でいいから、「ザ・ベストテン」がひと頃みたいにときどき復活しますように。何よりトットちゃんがお元気なうちに。
(2010.4.28)
*CD「ザ・ベストテン」の特設サイトもあわせてご覧ください。