ディスコ&セクシー! カバー含む浅野ゆう子の筒美作品集!
ヘアバンドがよく似合うショートヘアと、スポーティーなミニスカートからすらりと伸びた長い足。13歳とは思えないプロポーションが印象的だった女の子。
14歳なのに七曲署でお茶くみさせられてた勤労少女だったのに、麻丘めぐみや百恵ちゃんっぽい青い性典の詞を歌うようになった後、ディスコ通いで人気の的に。
しかし、気がついたらウッフン度がめちゃくちゃ高いホステスさんみたいになっていて、スカートのスリットはどこまでも上がるわ、ハイレグのカットはどんどん鋭角になるわ、オジさんたちからチヤホヤされたけど、バブルとともにOLが味方に付いて、ラルフローレンが似合うハイセンスなお姉さんにヘンシン。
トレンディードラマにはなくてはならない存在となり、今では大女優の1人になっちゃった…。
浅野ゆう子さんのパブリックイメージの変遷を記すとしたら、こんな感じでしょうか。いやはや激動という感じがします。もうアイドル歌手だった頃のことを知らない人が圧倒的ですが、1974年に「とびだせ!初恋」でデビュー、第2弾の「恋はダン・ダン」でレコード大賞新人賞を受賞したこともある、歌手としても立派な経歴の持ち主。
さすがは日音、南沙織に続けとばかりに起用した有馬三恵子先生の詩のいくつかはシンシアっぽい感じもして、なかなかの秀作ぞろいだったりします。
知名度や人気のワリには今一つレコードが売れませんでしたが、76年のディスコブームには、“バス・ストップ”ダンスをモチーフにした名曲「セクシー・バス・ストップ」を発表。
ビクターが洋楽として売り出したDr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレスによる和製ディスコナンバーのカバーにして競作だったことや、髪をモンチッチみたいにバッサリ切り、長い足を生かしたホットパンツにノッポとおチビのダンサーを従えたビジュアル作戦も功を奏してか、オリコン12位をマークする大ヒットに。ついにブレイクを果たしたのですね。
その「セクシー・バス・ストップ」を作曲し、シンガー・浅野ゆう子の才能も花開かせたのは、ある時はDr. ドラゴン、またある時はジャック・ダイヤモンド。しかしてその実体は、もちろん筒美京平先生であります。
このヒットを受けて筒美作品もけっこう歌ってる浅野さんですが、かつてはビクター系だったRCA〜BMGも今ではソニーの傘下レーベル。
ということで、このたび競作や筒美先生主導のリメイクを含むオリジナル15曲と、純然たる筒美カバーソング9曲の合計24曲を網羅した筒美作品集が、オーダーメイドファクトリーのスペシャル企画商品として復刻候補に挙がりました!
それがG☆B・筒美京平を歌うシリーズの「 GOLDEN☆BEST limited 浅野ゆう子 筒美京平を歌う 」!
先の中原理恵ちゃん(こちらで紹介)の勢いが凄かったせいでしょうが、ホント全国1千万(?)の筒美フリークにとってはまたまたウレシイ復刻になりそうです。
まず、オリジナルの方は「セクシー・バス・ストップ」を皮切りに、これまた競作となった「ハッスル・ジェット」や、「ムーンライト・タクシー/リンゴの心」までのディスコヒット三部作、その流れをくむ「オー!ミステリー/スーパー・ウーマン」や、セクシーなイメチェンを図った「ぽつりぽつり/サンセット・シーサイド」まで、5作連続で提供したシングル作品がずらり。間をおいて完全にお色気路線となった79年の「ストップ・ザ・カンバセーション」ももちろん入っておりますぞ。
シングル以外では、CD化済みのアルバム筒美系ディスコアルバム「YUKO IN DISCO」に入っていたいしだあゆみのディスコリメイク「ブルーライト・ヨコハマ」、カバーを含み全曲筒美作品で構成した77年の「ぽつりぽつり」収録の「朝日の前に」「哀しみ峠」「空中ブランコ」「ブルースター」、そして80年の「ストップ・ザ・カンバセーション」収録の「ブルー&グレイ」まで、しっかり収録されてます。
なお、筒美フリークの皆さんにとっては「スーパー・ウーマン」は双子のキューピット(なんだかレオハウスの中国人双子って彼女たちに似てない?)が、「朝日の前に」は真木理恵がカバーしていることでもおなじみでしょうし、そういう部分でのコレクター熱も高まるんじゃないでしょうか。
そしてカバーソングの方は、まずCD化済みの74年のファースト「とびだせ初恋」から、麻丘めぐみの「白い部屋」、浅田美代子の「しあわせの一番星」、水沢アキの「熱い出来事」、南沙織の「バラのかげり」。
次に77年のアルバム「ぽつりぽつり」に入ってたいしだあゆみの「貴方ならどうする」「夢でいいから」、伊東ゆかりの「誰も知らない」、水沢アキの「貴方の事でいっぱい」。“あなた”の表記がオリジナルと違うのもゆう子さんっぽいですが…。
そして80年の「ストップ・ザ・カンバセーション」から南沙織の「しなやかなケ・ダ・モ・ノ」という9曲になっておりす。
どうです、かなりソソられませんか?シンシアファンにとっては、あの「しなやかなケ・ダ・モ・ノ」のカバーが初CD化になるのが大きなニュースでしょうか。
今回はもちろん筒美作品集なのでアレですが、これを機にゆう子さんの再評価が高まって、新たな商品が候補にあがって他のカバー曲が聴ける日が来るのを切望!
だってビクター系だったRCAならでは、「グランド・デラックス」ならぬ「ゴールデン・ヒット・デラックス」の74年版では、なんと百恵ちゃんの「ちっぽけな感傷」や淳子の「花占い」という明星募集歌セットや、アグネスの名作「美しい朝がきます」なんかをカバーしているんですよ。
また、前述のアルバム「ストップ・ザ・カンバセーション」ではもう1曲、シンシアの尾崎亜美作品「もどかしい夢」もカバー。ね、聴きたいですよね。
どうかサクサクっと成功して、またまた次へとつながりますように!皆さん、今回もぜひご協力ください!
(2010.5.26)