初CD化多数！超マニアックな筒美作品集パート3！

　昨夏オーダーメイドファクトリーに登場して以来、コンスタントに商品化されている「筒美京平 アーカイブス」シリーズ。
 
　数多ある筒美作品の中でもレア音源だけに特化した企画で、かの「筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス」シリーズをはじめ「筒美京平作品集 GOLDEN HITSTORY」シリーズ（ こちらで紹介）など、過去にリリースされた筒美作品集に収録されなかったレア曲のみを、レコード会社の垣根を超えて集めるというコンセプト。収録曲は基本的に年代順となっていて、先生が作曲家デビューなさった1967年から丁寧にコレクションしていく内容です。
 
　という超マニアックな企画ゆえ、好事家たちに大好評を博したのはご存じの通り。
　第1弾の「筒美京平 アーカイブス1」（ こちらで紹介）、第2弾の「筒美京平 アーカイブス 2」（ こちらで紹介）と、半年に1枚のペースで順調に実現しておりますが、今回は前回から4カ月のインターバルで第3弾「 筒美京平　アーカイブス3 」が候補に挙がりました！
 
　Vo.1が67年から70年にかけての作品25曲、Vo.2は70年の作品を中心とした25曲でしたが、今回のVo.3は70年12月発売の川辺妙子「いつか男は去って行く／行きずりの女」から72年4月発売のピープル「恋人たち」まで、71年をメインにした全25曲。
　大ヒット曲の次作なのにヒットしなかった湯原昌幸「愛があれば」をはじめ、林ふみ子「不安でどうする」、五代ゆうこ「幕は切って落された」、三条アンナ「これが最後のまがりかど」といったシングルA面はもとより、牧みゆき「誘惑のブルース」、いとのりかずこ「ひと恋い」「夜明けはここに」、桜木健一「若者小唄」、平浩二「それでも愛する」などB面曲でも、初CD化曲がテンコ盛りです。
 
　なお、今回は実は半数近くがCD化済みのナンバーとなっており、ビッグネームではピーター「青春のさすらい／明日の為に微笑を」、伊東きよ子「まもなく朝／ひとりごと」、藤圭子のアルバム曲「四月の花まつり」「恋のドライブ」などは、「ゴールデン☆ベスト」や「名盤復刻」などのシリーズで。
　マイナーなアーティストでは中島まゆこ「夢でいいから／見知らぬ国へ」、津々井まり「愛すれど心さびしく／別れてあげる」が、「アイドル・ミラクルバイブル」や「やさぐれ歌謡」などでCD化されています。
 
　ドラマ主題歌では、富田智子「美人はいかが？」も「昭和キッズTVシングルス」シリーズでCD化されていましたし、新藤恵美「恋のゆくえ」（「美しきチャレンジャー」B面）は、筒美作品集BOX「THE HIT MAKER-筒美京平の世界」にも収録された後、「アクトレス・ミラクルバイブル」シリーズでもチョイスされております。
 
　とはいえ、いずれも超マニアックな音源ですし、データブックの名著「筒美京平の世界」や、データ完備の名ファンサイト「 筒美京平のページ＠たつぼーの演奏会」と首っ引きで音源収集している筒美フリーク以外、全部の音源を揃えている方はなかなかいらっしゃらないことでしょうから、今回も納得の選曲といえると思います。
 
　楽曲の傾向でいえば、なんたって71年は、新時代の歌謡曲という評価を得て日本レコード大賞を受賞した尾崎紀世彦「また逢う日まで」や、今日まで続くアイドルポップスの礎となった南沙織「17才」など、エポックメーキングな楽曲を発表し、より画期的で洋楽的なアプローチが目立ってきた時期。
　まだ筒美先生ご自身がアレンジする曲が大半ですが、このあたりから高田弘さんをはじめお気に入りのアレンジャーに委ね始めてくるので、サウンド的にも大注目です。
　作詞家にしても、まだ盟友・橋本淳さんとのコンビが目立っていますが、ヒットメーカーとして急成長したのを証明するように、なかにし礼さん、岩谷時子さん、山口洋子さん、　麻生たかし（たかたかし）さん、ちあき哲也さん、林春生さんと、ヒットコンビのバリエーションも広がりを魅せているのも見逃せません。
 
　ちなみに、71年に発売された筒美作品の新曲は144曲で、シングルのA面が68曲。翌年からはさらに増えていきますので、今後このシリーズは年代が進むのがスローペースになりそうな予感。
　CDリリースもいつまで続くか分かりませんし、個人的に切望している70年代後半（横本メイに期待！）や80年代にたどり着けるのか、いやはや不安になっておりますが、同じ思いの皆さん、この企画を行けるところまで続行していただくためにも、早めのご予約はもちろん、今後の収録曲について こちらにリクエストするなど、どうぞ積極的なアクションをお願いいたします！