50周年記念で、OMFのBOXがセットで市販！

　北海道出身の山木康世さんと細坪基佳さんによるフォークデュオ、ふきのとうがデビューしたのは1974年9月。すなわち来年で50周年というアニーバーサリーイヤーを迎えるということで、関連の復刻企画がスタートしております。
 
　まず50年目突入の第1弾として10月に山木さんのソロ2作「 野良犬HOBOの唄」「 泳いで行くにはあまりにも水の流れが速すぎる」が、11月には細坪さんのソロ2作「 木精」「 洋橙とガラス玉」が、それぞれ再発となりますが、12月にはオリアルBOX「 ふきのとうプレミアム -オリジナル・アルバム・コレクション-＜完全生産限定盤＞」がリリースされることになりました！
 
　といっても、これはオーダーメイドファクトリーで企画され、現在でも入手可能な紙ジャケBOX「ふきのとうオリジナル・アルバム・コレクション 1974～1979」（ 通常盤 、書籍付きの特別盤は こちらで紹介）と「ふきのとう オリジナル・アルバム・コレクション 1981～1991」（ こちらで紹介）を１つのCDｰBOXとしてまとめたもの。
　それぞれ2017年と2020年のリリースでしたから、音盤としては同じBlu-spec CD2ですし、マスターも同一ではないかと思われますが、仕様以外では、市販品として流通することになったのが大きく異なる点でしょう。
 
　ふきのとうといえば、デビューシングル「白い冬」が、オリコン14位まで上昇するヒットを記録。繊細で詩情あふれるな歌の世界と、丁寧で静かな情熱を秘めたハーモニーを武器に、N.S.Pと並ぶ抒情派フォークの代表格として、コンサート活動を中心に根強い人気を誇ったデュオ。
　92年に解散した後は、それぞれソロで活躍。同時代のフォークグループが続々復活し、再結成を遂げる中にあっても、一切その話が聞こえてこないことでも知られています。
 
　お二人ともソロでは、ふきのとうのレパートリーもちゃんと演っているそうですし、細坪さんはNSPの中村＆平賀さんとスリー・ハンサムズを結成したりしていますので、当時を封印したというワケではないのでしょうが、再結成しないという点もファンの変わらぬ熱情をかきたてている要素のような気がします。
 
　正直、全国津々浦々まで知れた爆発的なヒット曲や、世代を超えて歌い継がれる曲が皆無に等しいにもかかわらず、CD時代になってもロングセラーを続けてきたことを思えば、希有な存在といえますね。
 
　BOXには、ソニーミュージックに残したオリジナルアルバム全14タイトル、「ふきのとう」「ふたり乗りの電車」「風待茶房」「水車」「風来坊」「思い出通り雨」「人生・春・横断」「D.S.ダルセーニョ」「Sketch」「011」「北極星」「星空のページェント」「金色の森・銀色の風」「Heartstrings」を収録。
　サウンドは時代に合わせてある程度変遷を遂げていきますが、一貫して貫かれているのは、繊細で詩情あふれるな歌の世界と、丁寧で静かな情熱を秘めたハーモニー。その軌跡を存分に味わえるBOX。OMFで未入手だった方はこの機会にどうぞ。
 
　話は変わりますが、ふきのとうと同じ74年デビューで、CBS・ソニーのレーベルメイトといえば太田裕美さん。彼女も11月1日には50年目のアニバーサリーイヤーに突入するということで、さまざまな企画が用意されている模様です。
　50周年記念曲としては、7月に筒美京平先生の遺作に松本隆さんが詞を付け、船山基紀さんがアレンジした新曲「星屑ぴあの」がレコーディング済み。9月の京都ライブで初披露され、リリースが待たれていておりますが、近々、全レパートリーを対象にリクエストを大募集するとのこと。その結果を反映させたライブなども予定されているそうですので、楽しみに待ちたいと思っております。