1年ぶりのSACDハイブリッド第2弾！

　これまでに岩崎宏美さん（ こちらなどで紹介）や河合奈保子さん（ こちらなどで紹介）などのアルバムがリリースされてきたタワーレコードとステレオサウンドとのコラボによるSACDハイブリッド盤復刻。
　昨夏にはミポリンこと中山美穂さんの3タイトルが同時発売（ こちらで紹介）されましたが、1年のインターバルを経て第2弾4タイトル「 ONE AND ONLY (+8)＜タワーレコード限定/生産限定盤＞」「 Mind Game (+4)＜タワーレコード限定/生産限定盤＞」「 Hide'n' Seek (+6)＜タワーレコード限定/生産限定盤＞」「 angel hearts (+5)＜タワーレコード限定/生産限定盤＞ 」のリリースが決定したそうです。
 
　ミポリンの場合、オリジナルアルバムは2015年に一挙25作が廉価復刻（ こちらで紹介）されていますので、SACDハイブリッド盤はあくまで嗜好品という感じがいたしますが、今回の4タイトルはボートラも充実していますし、ミポリンがサウンド的にも大きく変遷を遂げていった時期であり、時代的にもデジタルサウンドが飛躍的に発展した時期と重なりますので、SACDで聴くにはうってつけではないでしょうか。
 
　SACD化にあたっては、オリジナル・マスターテープから最新リマスタリングの上、最新鋭のマスタリング・プロセスを経て、録音当時のサウンドをよりリアルに再現。CD層でも、既存のCDを圧倒する高音質を実現するそうですからSACDプレーヤーをお持ちでない方にもオススメだそうです。
　通常プラケース仕様ですが生産限定盤、シリーズ独自の解説もあるのでコレクター以外の方にもオススメします。
 
　ちなみに今回発売となる4タイトルでは、「Mind Game」以降の3作は「人魚姫 mermaid」からミポリンのパートナーとなったCINDYとのタッグが極まり、ファンキーなR&Bといいますかダンスミュージックの要素が強くなりますので、ここではそれ以前、ミポリンがアイドルポップスの頂点を極めた5thアルバム「 ONE AND ONLY (+8)＜タワーレコード限定/生産限定盤＞」をプッシュしておきましょう。
 
　デビュー3年目の87年7月、松本隆＋筒美京平コンビのユーロビート三部作が終了したタイミングで出た、LA録音盤。しかもミポリンのアルバムとしては初めてシングル曲を含まず、全曲書き下ろしとなった意欲作です。
 
　　前作「EXOTIQUE」（ こちらで紹介）が全曲松本隆＋筒美京平＋船山基紀のテッパントリオで固めたコンセプチュアルなトータルアルバムだったのに対し、本作の作家陣は、当時の最新シングル「50/50」（ボートラ収録）を提供した小室哲哉を筆頭に、ブレイク直前の久保田利伸、EPO、佐藤健、中崎英也、HALNEN（野田晴稔）田口俊、芹沢類ら、若手を中心にバラエティー豊かなヒットメーカーがずらり。
　実はさまざまな候補曲から選び抜く手法が取られたそうで、ミポリン自身も選曲に参加したほか、北山瑞穂というペンネームで作詞にも挑戦し、レコーディングにも時間を取るなど、着実に歩みを進めた印象です。
 
　アレンジは鷺巣詩郎、清水信之の両氏がメインとなり、お得意のエレクトリックなポップサウンドでコーディネート。歌唱の方もトップアイドルとしての貫禄は十分。17才とは思えないほど、自信がみなぎる脂の乗った歌声を聴かせています。
　
　なお、ボートラとしては、前述の「50/50／斜めな愛を許して」のほか、大当たりした主演ドラマ「ママはアイドル」の主題歌にして松本＋筒美＋船山が有終の美を飾った「派手!!!／ジェラシー」というシングル2枚とそのオリジナル・カラオケを収録。4タイトル中最もお得な1枚となっています。
 
　毎度申し上げておりますが、ミポリンの軌跡を追うならオールタイム・シングルベスト「All Time Best」（ こちらで紹介）や「パーフェクト・ベスト」シリーズ（ ２の解説を担当させていただいております）がお手軽には違いありませんが、シングル復刻BOX「 30th Anniversary パーフェクト・シングルズ・ボックス ［40CD+DVD］＜完全限定盤＞」（ こちらで紹介、ブックレットの導入の一文を担当させていただいております）もまだ入手可能ですので、ぜひこの機会に併せてどうぞ。