35年ぶりのLPは、新編「NAOKO vs. MIYUKI」！

　今週19日、4年ぶりとなる待望のコンサート「歌会VOL.1」の初日を東京国際フォーラムで迎える中島みゆきサン。これに合わせ、初期のシングルコレクションのリマスター＆HQCD盤「Singles」（ こちらで紹介）ほか、CD＆アナログ盤計3タイトルが発売されましたが、3月には名実ともにみゆき作品の第一人者である研ナオコさんの2枚組アナログ盤も出ますので、この機会にご紹介させていただきましょう。
　その名もズバリ、「 中島みゆき作品BESTアナログ 」！（ Amazonではメガジャケ付き）
 
　他のアーティストへの提供シングルが5つの年代にわたってオリコン1位を獲得するなど、今や作家としても大御所になったみゆきサンにとって、いっとう最初に提供し、いっとう最初にオリコン1位を獲得できたのがナオコさん。
　ナオコさんにとっても、そのオリコン1位の最大ヒット「あばよ」をはじめ、紅白初出場曲となった「LA-LA-LA」、代表作の大名曲「かもめはかもめ」、アルフィーのバッキングでも有名な「窓ガラス」など、歌手としての評価を決定づけたのはみゆき作品であり、お互いに相性抜群、切っても切れない関係ではないかと思います。
 
　ちなみに、ナオコさんがみゆきサンから提供を受けたのは76年から79年までの3年間で、作詞作曲では最多の16曲（「かってにしやがれ」を含む）。そのほかにも「NAOKO VS MIYUKI（研ナオコ、中島みゆきを唄う）」「Again」といった作品集などでのカバーを含めると、現在までに合計37曲のみゆき作品がレコーディングされております。
　新曲の提供は受けていなくても、ナオコさんはずっとみゆき作品を大切に歌い続けており、それは昨年10月の記念コンサートにおいて、アンコールを含め全17曲中8曲をみゆき作品が占めていたことからも分かるでしょう。
 
　ナオコさんのみゆき作品集としては、2014年に当時までの全楽曲（全音源ではありません）を網羅した究極の3枚組CD「中島みゆき作品コンプリート」（ こちらで紹介）が発売されておりますが、今回のLPはタイトルからも分かるように、そのCDのベスト選曲版といえるもので、アナログ2枚に全24曲を厳選。
　僭越ながら選曲構成などを担当させていただいておりますが、ナオコさんがオファーするきっかけとなったみゆきサン75年のデビュー曲「アザミ嬢のララバイ」のカバーから、82年にリメイクしてシングル化した「ふられた気分」までポニーキャニオン音源23曲に、ボーナストラックとして先のコンサートでもアンコールで歌われた「糸」（2015年発表）をプラス。
　原則楽曲の発表順で、アナログ盤ならでは各面ごとの構成も意識しながら、“作家・中島みゆき VS 歌手・研ナオコ”というタッグによるソングヒストリーが辿れるものにしたつもりですが、いかがでしょうか。
　いずれにしても、ナオコさんのボーカルはもちろん当時の豊かなバッキングなど、アナログ盤だからこそ再現できるあたたかな音質が楽しめること請け合いです。
 
　また、LPならではのサイズ感は圧巻で、ジャケットや3つ折りカラーブックレットも大きな魅力。ジャケットやライナーはもとよりピクチャーレーベルまで、みゆきサンのカメラマンでもあるTAMJIN（田村仁）さん撮影の見目麗しい写真が満載。所有欲をそそる豪華な2枚組パッケージとなっております。
 
　ちなみに、ナオコさんのアナログ盤リリースは89年2月のLP「Bitter」以来となりますから、実に35年ぶり。「糸」は初アナログ化となりますので、ナオコファンはもちろんのこと、みゆきファンの皆さんも、ぜひお手に取っていただければ幸いです。
 
　なお、ナオコさんといえば、昨年古希を迎え、8月のベストアルバム「オールタイム・ベスト」（ こちらで紹介、ブックレットで解説を担当させていただいております）を皮切りに、10月と11月には未CD化だったオリジナルアルバム 6タイトルのCD復刻と配信＆3タイトルの追加配信（ こちらと こちらで紹介、 特設サイトで解説を担当させていただいております）と、怒濤の復刻が進み、ポニキャン時代の音源は一通りデジタル化が終わっております。
　みゆき作品以外も名曲名唱ぞろいですので、オリアルの方も聴いていただきたいですし、個人的には子供の時から大好きだった東宝レコード時代の楽曲（「シングルA面コンプリート」は こちらで紹介、三浦祐太朗クンの百恵ちゃんみたく、ひとみちゃんに歌い継いでもらいたい…）もオススメしますが、ナオコさんは現役バリバリ。齢を重ねた今の声はゾクッとするほど味わい深いので、旧譜だけでなく近年の作品（何度も申しておりますが「 弥生」「 ホームレス」は必聴の絶唱です！）もぜひどうぞ！