祝50周年！新G☆Bは百恵イン・ディスコ！

　今年は1973年デビューの昭和48年組が満50周年を迎えるアニバーサリーイヤー。
 
　とはいえ、もう３分の２が過ぎたところでもキャンディーズの新CD-BOX「The Platinum Collection～50th Anniversary～」（ こちらで紹介）ぐらいしかないようで、半ばあきらめムードでおりましたが、やっぱりやってくれました！ さすがCBS・ソニー国内制作におけるベスト盤の女王・山口百恵さん、新たな切り口のGOLDEN☆BEST新作「 GOLDEN☆BEST MOMOE DISCO&SOUL」の登場です！（ Amazonではメガジャケ付き！）
 
　百恵ちゃんの場合、G☆Bシリーズだけをとっても、LPベスト盤の焼き直しとなった「 GOLDEN☆BEST/PLAYBACK MOMOE part2」から、懐刻盤のシングルA面集「GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション 」（ こちらで紹介）とそのオリカラ盤「GOLDEN☆BEST orikara 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション」（ こちらで紹介）、アルバム選集の「GOLDEN☆BEST 山口百恵 アルバム・セレクション」（ こちらで紹介）に、四季うたベスト「GOLDEN☆BEST 山口百恵 日本の四季を歌う」（ こちらで紹介）と、仕様違い含め6種がリリース。
 
　まさに名実ともに真のベスト盤の女王といえますが、今回お目見えの「GOLDEN☆BEST MOMOE DISCO＆SOUL」は文字通り、ディスコ&ソウルサウンドに特化したベストアルバム。
 
　選曲対象となったのは、ディスコ&ソウルサウンド全盛期の76年から、引退した80年にかけてのレパートリー。萩田光雄さん、船山基紀さんというディスコものもお得意の2大アレンジャーを中心としたディスコティークなサウンドメイクのナンバー全19曲が、かのT-Grooveによってチョイスされております。
　アルバムで言えば、アイドルからアーティストへとシフトした「横須賀ストーリー」から、引退直前にアグレッシブとなった「メビウス・ゲーム」まで。世に出たという意味では、2003年のBOX「MOMOE PREMIUM」で日の目を見た「東京の空の下あなたは」が最新曲となりますが、これは77年の「GOLDEN FLIGHT」に収録予定だったNSPの天野滋作品です。
 
　個人的には、以前にも百恵・イン・ディスコアルバムとしてオススメしてきたアルバム「パールカラーにゆれて」収録の「嘆きのサブウェイ」がイチオシ。
　当時のアイドルポップスといいますか、日本の歌謡シーンでいうと、筒美京平先生が岩崎宏美で展開していたソウル＆ディスコサウンドのイメージ。ただし、若さで力一杯押しまくっていたヒロリンと比べてしまうと、百恵ちゃんはリズムに乗れず、ステップの足を重く引きずっている印象です。でも、そこがまた得も言われない感じで、クセになる魅力があるんですよね。
 
　いずれにしてもシングル曲は「赤い衝撃」のみにつき、薄いファン向けではなく、コアなファンに新しい楽しみ方を提案するアイテムとしてとらえるのが正解といえるかもしれませんが、ディスコ&ソウルだったなんて意識してなかったナンバーもあったり、半世紀経っても新鮮な驚きをもたらすという意味では、これこそが奥深い百恵伝説の醍醐味。令和という時代の解釈で、あの一筋縄ではいかない神話を改めてひもといてみるという新たな楽しみもあるのではないかと思っています。