42周年記念、30周年ベストが豪華版で登場！

　昨年のクリスマスイブに 公式YouTubeチャンネルを開設し、「北ウイング-CLASSIC-」（林哲司デビュー50周年記念トリビュートアルバム「 50th Anniversary Special A Tribute of Hayashi Tetsuji - Saudade -」に収録）のレコーディング映像を公開するなど、一歩ずつ復活への歩みを進めている中森明菜さん。
 
　40周年を迎えた一昨年に始まったワーナー時代の復刻企画「中森明菜デビュー40周年記念 ワーナーイヤーズ・全アルバム復刻シリーズ」も、足かけ3年の 第9弾でようやく完結したと思ったら…なんとデビュー42周年記念企画の登場です！
　それも、2012年に30周年を記念して編まれた2枚組ベストアルバム「ベスト・コレクション～ラブ・ソングス＆ポップ・ソングス～」（ こちらで紹介）をラッカーマスターサウンドでリリースするというもので、CDのみの「 ベスト・コレクション ～ラブ・ソングス＆ポップ・ソングス～ +1＜完全生産限定盤＞」と、これに初アナログ化となる4枚組LPを加えた「 ベスト・コレクション ～ラブ・ソングス＆ポップ・ソングス～COMPLETE BOX ［2CD+4LP］＜完全生産限定盤＞」の2形態！
 
　このベストは、デビュー以来、明菜が展開してきた「静」 と 「動」というコントラストをクローズアップ。Disc1は静のラブ・ソングス、Disc2 は動の「ポップ・ソングス」で構成されておりますが、ワーナー時代のシングルA面を網羅しつつB面曲やアルバム曲も含め時系列で並べているので、とても聴きやすく、しかも明菜の魅力を理解しやすい構成になっているのが特徴。
 
　明菜の場合、静かなバラードでは声にならない声というか、歌っていない部分の歌までもが聴こえてくるように思っていますので、このベストの選曲と構成ではそのあたりまでもが実感できること請け合い。
　また、静と動を対比させることで、明菜の歌の最大の魅力にして最大の武器となったリズム感といいますか、ビートと一体化して日本語の歌を歌えるという才能を実感できるのもポイントです。
 
　そして何より特筆すべきは、オリジナルのマルチテープからすべての音素材を見直してブラッシュアップさせ、新たにミックス、再構築を施したリメイク盤という点。
　12年前当時も、オリジナルとは聞こえ方が違うと話題を呼んだものでしたが、今回はボーナストラックとして「赤い鳥逃げた（2024 mix）」を収録。全35曲で12インチもカバーする完全版となりました。
 
　なお、CDのデラックス・エディションは三方背BOX仕様で、封入特典として全シングル31枚のデザイン違いを含むジャケット(CDサイズ) 付き。
　明菜に限らず、ビッグネームの周年商法に賛否はつきものですが、新作がなかなか見込めないアーティストのコアファンにとっては、リイシューであっても新譜のリリースが切れ目なく永遠に続くことが何よりウレシイもの。そういう観点からは、この上なくコアなファン向けといえるこの企画。ユニバーサルのヴァイナルもあり、フトコロ事情には個人差はあるでしょうが、即買いする明菜ファンはかなり多そうですね。