デビュー45＆新生10周年のオールタイムベスト！

　アルファレコード第1号アーティストとして「Mr・サマータイム」で公式にデビューしてから45 周年を迎えたサーカス。
 
　初期はリードボーカルの叶正子さんの姉弟と従姉によるファミリーグループでしたが、何度かのメンバーチェンジを経て、2013年には弟の叶高さんとその娘さんの叶ありささんに、オーディションで選ばれた吉村勇一さんを加えた4人組に。
　それからはや10周年ということで、現在はデビュー45 周年と新生サーカス 10 周年を記念したライブ「TOKIT∞TO -時と音-」を展開中ですが、このたび同名のオールタイム・ベスト「 CIRCUS BEST TOKIT∞TO 時と音」のリリースも決定しました！（ Amazonではメガジャケ付き）
 
　プレデビューといいますか、幻の初代サーカスの徳間音工はともかく、アルファ、ワーナー・パイオニア、バップ、日本コロムビア、ファンハウス、マーキュリー、ソニーミュージック、オーマガトキ、自主レーベルまで、移籍を繰り返してきたサーカスですが、今回収録予定の35曲を見ますと、全レーベルくまなくまんべんなくというオールタイム・ベストではない模様。
　半数を占めるのが、「Mr.サマータイム／デイ・ドリーミング」をはじめ「愛で殺したい／恋はマジック」「アムール／愛はイエスタデイ」「アメリカン・フィーリング／ホームタウン急行(エクスプレス)」「二人の旅立ち」「ビューティフル シーズン」「去りゆく夏／ワンダフル・ミュージック」という在籍時の全シングル曲に、アルバムからのナンバーもセレクトされたアルファ時代。それも当然といえば当然で、「Mr.サマータイム」は当時鉄壁のピンク・レディーやジュリー、百恵ちゃんら並み居る強敵をなぎ倒し見事オリコン１位を獲得したメガヒットですし、アルファ時代には紅白歌合戦にも2度出場を果たしているんですからね。近年はシティポップとして再評価されていることも大きいでしょう。
 
　その他ワーナー時代の「白のエチュード」「時よゆるやかに」、最初のメンバーチェンジを経験したバップ時代の「風のメルヘン」「テンダネスを抱きしめて」、再度チェンジとなったファンハウス時代の「WOMAN IN LOVE」「Time Goes By」「Déjà vu（デジャ ヴュ）」と、主要な時代の代表曲が盛り込まれているほか、自主レーベルで現メンバーになってからの「はじまりのコラソン」「桜色のみち」「NEVER FORGET」「メトロの階段」「あの風を今でも」などもしっかり入っていて、バラエティーに富んだ内容。
 
　さらに、歴代メンバー7名で歌った「Mr.サマータイム 2018」や、森山良子さんからの提供作で名曲と誉れ高い「家族写真」の2018年バージョンなど、サーカスの45年の魅力がざっくり凝縮された構成となっているようです。
 
　自選集だとどうしても似た選曲になるのはしょうがないことで、今回も40周年記念時のベスト＆新作アルバムをセットにした「 POP STEP 40 Histoire et Futur」と似通っていますが、目玉は45周年記念の新曲「The One」の収録。ファンなら絶対に押さえておくべきでしょう。
 
　という今回のオールタイム・ベスト。最新ベストとして記念ライブの物販で重宝しそうですが、深掘りしたい場合は、2000年代前半までのキャリアを網羅し、プレデビュー曲「月夜の晩から」から2006年の「しなやかに歌って」まで、全レーベルのシングルＡ面を完全収録した、通販限定４枚組BOX「 サーカス GIFT BOX」（解説を担当させていただいております）をどうぞ。
 
　なお、レーベル別の全音源をまとめたコンプリートを求めるのであれば、アルファ時代は「 サーカス　アルファミュージック編　１９７８～１９８０」、ファンハウス時代は「 サーカス ファンハウス編 1987～1991」（ こちらで紹介、解説とスペシャルインタビューを担当させていただいております）へとお進みください。
 
　ちなみに、今月リリースのコンピ盤「 京都のうた～フォーク&ポップス～」（太田裕美さんの「ひぐらし」を収録いただけなかったのは残念！）には、正子さんの歌うポプコンナンバーの新録カバー「京都にさよなら」が収録されていますので、サーカスファンの方は要チェックですぞ！