入手困難だった廃盤タイトルを一挙配信！

　昨年デビュー55周年記念を迎え、その軌跡をたどる初のオールタイムCD-BOX「MY STORY」（ こちらで紹介）をリリース。日本を代表するボーカリストとして、ますます意欲的な活動を続けている森山良子さん。
　昨夏には約6年ぶりとなる新曲「 人生はカクテルレシピ」をデジタルシングルとして発売。最近は、七回忌を迎えたムッシュかまやつのカバーもレコーディングしたそうですが、ここに来て長らく廃盤で入手困難だったソニーミュージック時代の未配信アルバムやシングルの音源が、ついに配信解禁となりました！
 
　ちなみに、良子さんのソニーミュージック時代は、社名がCBS・ソニーだった1979年から、ソニー・ミュージックエンタテインメントに変更になって以降の94年までの約16年間。専用の「PEOPLE」レーベルを立ち上げ、シンガー・ソングライターとしての一面をクローズアップさせた活動が中心となっています。
 
　アルバムは「幸せのすきま」から「手の中に…」まで16作を発表していますが、今回対象になったのは未配信だった後期の8タイトル。
　アダルトポップスに一新した86年の「 AT MY TIME」、出演ドラマの主題歌「DANCE－男たちによろしく－」をフィーチャーした「 TINT BLUE」、エスニックサウンドに挑戦した「 カルヴァドスの風」、中尾ミエとの舞台公演を記念したミニアルバム「ミエと良子のショー泥棒」、アコースティックなセルフプロデュース作「 Dear Hearts」、石川鷹彦の編曲でジョーン・バエズの時代を振り返った「 "We Shall Overcome"を歌った日」、日本のトップアレンジャー・萩田光雄がサウンドプロデュースしたデビュー25周年記念アルバム「 なくしたものをあつめて」、そして倉田信雄をアレンジャーに迎えた「 今、思い出してみて」。
 
　シングルとしては「幸せのすきま」から「たとえ毎日が」まで18枚をリリースしてきましたが、今回はアルバム未収録のもの。東京とニューヨークの姉妹都市20周年を記念した80年のコンパクト盤「 TONY」と、84年のシックな自作品「 わかれ」、杉真理提供のイメチェン作「 夏の恋人」、91年に発表したディズニーの名作「リトル・マーメイド」のテーマ「 パート・オブ・ユア・ワールド」 の計4タイトルがチョイスされています。
 
　そして、蔵出し＆新編集の企画アルバムが2タイトル。まずは映像ソフトとしてリリースされていたものの音源だけでのリリースは初となる25周年記念コンサートのライブ「 森山良子 25th. Anniversary Concert Live」、そして20周年記念盤「RECOLLECTIONS」と、25周年突入の「My Memories」から、フィリップス時代の代表曲のセルフカバーを全て収録した「 リコレクションズ」となっています。
 
　今回の配信は、BOXが好評だった流れでファンの要望に応える形で実現したそうですが、いずれも長いこと廃盤になっていた貴重音源。ボーカリストとして脂が乗り切っていた時期の作品にもかかわらず、再発や復刻されなかったタイトルばかりですから、コアなファンにとっては悲願だったことでしょう。
 
　最後になりましたが、CD-BOX「MY STORY」では4万字超えのライナー（解説、森山良子ヒストリー、参加ユニット、コラム）を担当させていただきました。購入されたファンの方々はもとより、ご本人をはじめとする関係者の皆さまから過分なお言葉を頂戴いたしましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。僭越ではありますが、いろんな意味で集大成といえるパッケージに仕上がっていると思いますので、もし未入手の良子ファンの方がいらっしゃいましたら、ぜひお手に取っていただければ幸いです。