40周年ラストは「Rain」収録の名盤が3形態で！

　今やジャズピアニストとして NYを拠点に活躍している大江千里さん。ポップスのシンガー･ソングライターとしてデビューしたのが 1983年 5月で、40周年のアニバーサリーイヤーもこの5月でフィナーレを迎えます。
 
　アニバーサリー・プロジェクトとしては、一昨年の 40年目突入以来、さまざまな企画が繰り広げられてきたのはご存じの通り。
　第 1弾は、ジャズの最新アルバム「 Letter to N.Y.」のアナログ盤「 Letter to N.Y.＜アナログ盤＞」リリースと、ポップス時代の名曲「 Rain」のアナログシングル化「 Rain＜完全生産限定盤/クリア・ブルー・ヴァイナル＞」。第2弾はポップス時代のシングルA面コレクション「Senri Oe Singles」（ こちらで紹介）。第3＆4弾はセルフカバー楽曲をのリクエスト募集＆その結果を受けて制作されたジャズリメイクの新作「 Class of '88 」（アナログ盤は「 Class of '88＜アナログ盤＞」）。第5弾はジャズ転向以降の 初期アルバム4作の廉価復刻…というように、ポップスとジャズのジャンルや年代を交錯させながら続いてまいりましたが、第6弾はいよいよラスト！
 
　なんと、ポップス時代の88年に発表された名盤「 1234」のリイシュー企画として、オリカラ CDやライブのブルーレイなどをセットした豪華盤「 1 2 3 4 ～Special Limited Edition～ ［2Blu-spec CD2+Blu-ray Disc+ブックレット］＜完全生産限定盤＞ 」と、CDアルバムのみの通常盤「 1 2 3 4＜通常盤＞」、アナログLP復刻盤「 1 2 3 4＜完全生産限定盤/クリア(透明)盤＞」がリリースされるというのです！
 
　最新アルバム「 Class of '88」のモチーフが 88年ということで「1234」に白羽の矢が立ったということですが、88年はマルチアーティスト・大江千里とっていろんな意味でターニングポイントとなった年。千里さん自身も「『1234』は私小説的でありながら、それがポップとして成立した記念碑的な作品」と述懐なさっていますが、シンガー･ソングライター、大江千里のキャリアにとって、初期の集大成ともいうべき重要な位置づけのアルバムなんですよね。
　実際、千里さんはこの後、初のベストアルバムで総括を行い、作風を含めて次元上昇。時代のアイコンの役割さえ果たすようになるワケですから。あと、千里さんのオリジナルアルバムとしては最後のアナログ盤となったことも言及しておくべきでしょう。
 
　当時の軌跡はさておいても、近年は驚くほど再評価されている「Rain」の収録アルバムとして、若い世代からも支持を集めるこのアルバム。サブスク時代となり、いつでも気軽に聴ける状態となりましたが、実はCDパッケージとしては91年の廉価再発盤さえ廃盤となっており、長らく入手困難な状況にあったのも事実です。
　復刻自体は2008年、ソニーミュージックのオーダーメイドファクトリーで商品化された紙ジャケ CD-BOX「 Senri Premium ～ My GLORY DAYS 1983-1988」（ こちらで紹介）で実現していましたが、アレは通販限定のボックスにつき、市販品の単品を入手するには中古に手を出すしかなかったのですね。
　しかも13年には「 WAKU WAKU」から「 OLYMPIC」までの 6作が「日本の名盤復刻」シリーズで復刻（ こちらなどで紹介）されたのに、さほど売れなかったこともあってか、千里さんのアナログ時代のアルバムでは「1234」だけ復刻されず、継子状態だったのです。
　というワケで、今回のパッケージ化では、 CD通常盤の単品も同時発売されますので、千里さんが 80年代にアナログ盤として発表したオリアル全 7枚が市販品でそろうことになります。
 
　なお、完全生産限定の豪華盤「 1 2 3 4 ～Special Limited Edition～ ［2Blu-spec CD2+Blu-ray Disc+ブックレット］＜完全生産限定盤＞ 」は、最新リマスター CD（通常盤「 1 2 3 4＜通常盤＞」と共通）と、初商品化となるアルバム全曲のカラオケCDに、ツアー「 1234 SPECIAL」にボーナス映像を加えた BDをセット。さらに、アルバムプロモーション用のパンフレット「 MONOLOGUE SENRI OE」を復刻するとともに、大川直人さん撮影の写真や千里さんのセルフライナーノーツなどを掲載した豪華ブックレットが付属。「Senri Oe Singles」の豪華盤と同じBOX仕様になるとのことです。
　また、同じく完全生産限定のアナログ盤「」は、当時の LP用マスターテープからミキサーズラボの北村勝敏さんが最新カッティング。豪華な A式特殊加工ジャケットに、クリア（透明）盤というスペシャル感満載の仕様。
　今回はリアルタイムを知らない若いリスナーからの注目を浴びそうですが、往年のファンにとってはオリジナルや再発盤（CDのみ）を持っていても欲しくなる、買い替え、買い増し必須のコレクターズアイテムといえるでしょう。
 
　ショップ別の先着予約特典も用意されていて、お膝元の Sony Music Shop ではオリジナルアクリルキーホルダー（CDのみ）やポストカード（アナログのみ）、 楽天ブックス ではオリジナル缶バッジ（CDのみ）、 Amazonではメガジャケ、 セブンネットショッピングではトート型エコバッグ（CD完全生産限定盤）やオリジナルアクリルコースター（CD通常盤）、 タワーレコードなどではオリジナルポストカード（CD／アナログ共通）。吟味の上、お早めにご予約を。
 
　最後に、毎度同じ個人的な思い出話で恐縮ですが、思えば千里さんの存在を知り大井に興味を持ったのは、デビュー時の月刊「明星」の記事で「好きな歌手・南沙織」と書いてあったのがきっかけ。
　早速レンタルレコードでLPを借り、ルックスはもとより、あの声にも曲にも、そして歌詞にもビックリしたことでしたが、 84年11月に学園祭ライブを体験してからは千里ポップスの虜となり、新譜を買うのはもちろん、 EPIC・ BEEの会員となってビデコンに通い詰めたり、コンサートにも参加し続けたものでした。
 
　今日まで、勝手にシンシアファン同士という絆を感じていたのは確かで、雑誌の特集に中学生の千里少年が買ったという LP「南沙織ギフト・パック」の写真が出ていたことに喜んだり、月刊カドカワの表紙撮り（篠山紀信さん撮影）でシンシアにお茶を入れてもらったというエピソードに驚いたり。
　そして、ついには「 Cynthia Premium」のライナーが「 Senri Premium」シリーズのライナーへとつながっていったワケですから、巡り巡って不思議なご縁をいただいたことに感謝しております。
　また、千里キッズの皆さんには「 Senri Premium」を担当させていただいた2008年以降、何かにつけ温かいメッセージをいただき、この場を借りてあらためて感謝申し上げます！ どうもありがとうございました！