林哲司関連でシティポップの名盤が再CD化！

　世界を席巻した日本のシティポップブームで、中心的存在といえば林哲司さん。
2021年にポニーキャニオン、ソニー、バップの3社から作品集「melody collection」３タイトル（ こちらで紹介）が出ていますが、今年はデビュー50周年とあって、より活発に。
　手始めにアニバーサリー本「 Hayashi Tetsuji Saudade 50years with melody 」が発刊され、ソニー発の5枚組CD-BOX「Hayashi Tetsuji Song File」（ こちらで紹介）がリリース。
　各社からの関連企画も枚挙に暇はなく、BOXと同時発売で、コロムビアからはポップス＆歌謡曲とアニメ＆特撮主題歌を2枚に収めた「 林哲司 コロムビア・イヤーズ 」が、ビクターからは自身の和製ディスコユニット、イースタン・ギャングと、シューディー（Shoody)への提供曲を集めた「 ディスコティーク:ルーツ・オブ・林哲司」がラインアップされました。
 
　記念のライブやイベントも目白押しで、来たる11月5日には総決算といいますか、ゆかりのアーティストが一堂に会する「～林哲司 作曲活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト～ ザ・シティ・ポップ・クロニクル 林哲司の世界 in コンサート」を東京・国際フォーラムで開催。
　さらに、中森明菜さんも新録参加したというトリビュートアルバム「50th Anniversary Special A Tribute of Hayashi Tetsuji - Saudade -」（初回盤「 50th Anniversary Special A Tribute of Hayashi Tetsuji - Saudade - ［CD+DVD］＜初回盤＞」／通常盤「 50th Anniversary Special A Tribute of Hayashi Tetsuji - Saudade -＜通常盤＞」）もリリースされるなど、まさに“林哲司祭り”の様相を呈しています。
 
　この流れに乗るように、ビクターからも新企画が登場。
　ご本人監修のコンピレーション「 ビクター・トレジャー・アーカイヴス～林哲司ビクター・イヤーズ」と、ビクター「マスターピース・コレクション」林哲司名作選として、林哲司「 SUMMER WINE＜生産限定盤＞」、伊東ゆかり「 ミスティー・アワー +1＜生産限定盤＞」、松崎しげる「 私の歌・俺たちの朝＜生産限定盤＞」という 3タイトルの UHQCD（Amazonではメガジャケ付き）が同時発売されることになりました！
 
　今回ピックアップしたい「 ミスティー・アワー +1＜生産限定盤＞」（ Amazonではメガジャケ付き）は、伊東ゆかりさんがビクター・インビテーション時代の82年に発表したアルバム。林さんプロデュースで、竹内まりや、 EPO、かまやつひろしら錚々たるシンガー・ソングライターも楽曲を提供し、和製 AOR、シティポップの名盤と称えられてきた1枚です。
　個人的には、大学生のアイドルとして人気を博したコロムビア後期の流れをくむニューミュージックテイストが発展したイメージで、シティポップというよりも、もっと滋味深いアダルトポップスではないかと思っております。 TBSの「サウンド・イン ”S”」の司会などで見せたゆかりさんの洗練された魅力が全開で、まさにオトナのための上質でお洒落な世界となっております。
　ちなみに林さんは、少年時代から大のゆかりファンだったそうでプロデュースを担当することが決まった際には大喜びしたそうです。
 
　CDとしては、2018年には、金澤寿和さん監修の「 Light Mellow」シリーズの1枚としてヴィヴィド・サウンドから紙ジャケ仕様でリリース（ こちらで紹介）されていますが、今回はビクター純正盤。 UHQCDの上、アルバム未収録の林作品シングル「強がり」（主演ドラマ「もういちど春」主題歌）をボートラ収録しているのに、お買い得なプライスとなっています。
　紙ジャケは入手困難でプレミア価格がついていたようなので、未入手だった方はこの機会にどうぞ。
　これを機に、いまだCD化が叶っていないインビテーション時代のアルバム「 yukari あなたの隣りに」「あなたしか見えない」「素描 (Sketch)」「愛する嘘を知ってますか。女に関する 10章」も復刻されないものでしょうか。
 
　ちなみに、林さんのコンサートにも出演するゆかりさんですが、ご自身も歌手生活70周年、レコードデビュー65周年を記念した「伊東ゆかり KOKIKOKIコンサート～歌い始めて70周年～」を11月15日に渋谷のさくらホールで開催。
　昨年出た初のオールタイムBOX「POPS QUEEN～オールタイム・シングル・コレクション～」（ こちらで紹介、ヒストリー＆解説を担当させていただいております）も好評のようですし、現役のシンガーとしてますますのご活躍をお祈りしています！