40周年記念、オールタイムベストのポップス編！

　ぼくの青春（とき）をとめる、少女がいた。——そんなキャッチフレーズで1984年にデビューし、今年で40周年を迎える長山洋子さん。
　デビュー10年目の1993年に演歌歌手に転身していますので、アイドルで10年、演歌で30年、合計40年というキャリアをお持ちですが、今回40周年を記念したオールタイムベストがリリースされることになりました！
　それも、アイドル時代の「 『長山洋子40周年』 ポップスベスト 」、演歌時代の「 『長山洋子40周年』 演歌ベスト」、２つをセットにした「 『長山洋子40周年』 ポップス&演歌ベスト」の3タイプと、ファン層に配慮したスタイルでの発売となっております。
 
　アイドル時代をまとめたCDとしては、2009年の25周年時に出たBOX「25th ANNIVERSARY アイドル・コンプリートBOX～LEGEND of VENUS～」（ こちらで紹介）以来15年ぶり。前回はDVDを含む11枚組ということでアイドル時代の全音源（アイドル歌手としての新曲リリースは90年が最後だったので、アイドル時代の音源は7年分となります）が完全収録されましたが、今回はCD2枚とDVD1枚のセット。よってベスト選曲となっております（DVDはリストには「ヴィーナス」のMVしか載っていませんが、それだけってことでしょうか？）。
 
　CDの収録内容は、デビュー曲「春は SA-RA SA-RA」からラストシングル「If We Hold On Together」まで、シングルとアルバムのからのセレクション30曲。といっても、シングルは両A面曲「星に願いを」をはじめ、「密やかにときめいて…」「瞬間はファンタジー」「素顔のままで」という初期のA面曲や、遠藤京子作の人気曲「悲しき恋人たち」が欠落している上、アルバム曲は洋楽カバーアルバム「ヴィーナス」「トーキョー・メニュー」の２枚がメイン。
　確かに歌手・長山洋子が成功をつかんだのは、同じビクターに所属しデビュー同期の荻野目ちゃん同様、ユーロビートの波に乗った洋楽カバーですので、そこに重きを置くのは当然かなと思いますし、もしかしたら本人選曲なのかもしれませんが、長山ちゃんはベストすらめったにない機会ですので、異を唱えるアイドルフリークは多そうです。
 
　ただ、長山ちゃんの場合、ビクターの名シングル集・CD FILEシリーズは、近年までかなり長く流通していた記憶がありますので、シングルコンプリートを求める方は既にお持ちでしょうし、本来であれば「ゴールデン☆ベスト」とかの定番ラインアップに加わることを期待したいですね。
 
　個人的には長山ちゃんのユーロビートが大好きでアルバム「トーキョー・メニュー」はへヴィロテしたものですし、マイベストはメロウな「心象風景（ココロノスケッチ）」だったりしますが、ビクター少年民謡会出身であのクールで安定したボーカルには、黛ジュンのリメイク「雲にのりたい」や、事務所の先輩である高田みづえの「夢の色」（原題は柏原芳恵もカバーした「乳白色のプリズム」）や石野真子の拓郎作品「ぽろぽろと」などがハマっていると感じてきましたので、今後はコテコテの演歌ばかりじゃなく、歌謡曲系のアルバムも出してほしいなと思っています。