昨年中止になったアナログ盤が3カ月連続で発売！

　昨年デビュー35周年というアニバーサリーイヤーを迎え、11月にはオリジナルアルバム「 明菜 」とカバーアルバム「 Cage 」というアルバム2作を同時発売し、ファンを驚かせた中森明菜さん。
 
　復刻ものとしては現在も所属するユニバーサルから、5月にMCAビクター時代を含むほとんどのアルバムが一挙UHQCD化（ こちらで紹介）。 古巣のワーナーからは8月にアナログ盤全18タイトルが発売されるとアナウンスされましたが、すぐに発売中止となり、いろんなウワサが囁かれたのは記憶に新しいところです。
 
　それから1年近くが経ち企画はポシャったものと思われていた矢先、デビュー36周年に入ったタイミングで、再度発売がアナウンスされました！
 
　何せ世は空前のアナログ盤ブーム。レコードを知らない世代からはスタイル自体がおしゃれとか、音がいいとか、ウケる理由はさまざまなようですが、中古のみならず、活躍中のさまざまなアーティストが新譜のアナログレコードをリリースし、古今東西の名盤旧譜のアナログ化も盛んになっておりますし、昨年のアナログレコードの国内生産数は106万枚となり、2001年以来16年ぶりの100万枚を回復。そして、ソニーミュージックでは約29年ぶりにアナログレコードの一貫生産をスタートということですからね
　復刻市場でもCDが不振の今、次なるメディアはアナログ盤とばかりにリリースが続いていますが、不安定な海外生産は発売延期や中止の大きな理由となっておりますから、個人的にも国内プレスには大賛成です。
 
　さて、明菜のアナログ盤は、企画自体は昨年予定されていたものと概ね同様の模様。すなわち82年のファーストアルバム「プロローグ<序章>」から、アナログLPで発売された89年までの全タイトルに、初アナログ化となる「BEST Ⅲ」を追加した全18タイトル。
　いずれもオリジナルに可能な限り忠実に復刻したLP仕様、高音質180ｇ重量盤でリリースされるというものです。
 
　プライスも同じですが、異なっているようなのが、まず初アナログ化となる「BEST Ⅲ」。昨年は1面3曲の2枚組で計12曲という仕様で予定されていましたが、今回は1枚ものでのリリースとなるようです。
 
　もう一つ異なるのが発売時期。昨年の予定では8月23日一挙リリースだったのが、今年は3期に分けての発売となります。
 
　まず第1弾として5月2日に「 プロローグ〈序幕〉 AKINA NAKAMORI FIRST <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 バリエーション〈変奏曲〉 AKINA NAKAMORI SECOND <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 ファンタジー〈幻想曲〉 AKINA NAKAMORI THIRD <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 NEW AKINA エトランゼ AKINA NAKAMORI 4TH ALBUM <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 BEST AKINA メモワール <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」の5タイトル。
 
　次に第2弾として6月6日に「 ANNIVERSARY FROM NEW YORK AND NASSAU AKINA NAKAMORI 6TH ALBUM <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 POSSIBILITY AKINA NAKAMORI 7TH ALBUM <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 D404ME<LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 BEST<LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」の5タイトル（「BITTER AND SWEET」は7.18に発売延期）。
 
　そして第３弾として7月4日に「 不思議 <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 CRIMSON <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 CROSS MY PALM <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 Stock <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 Femme Fatale <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 BEST II <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 CRUISE <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」「 BEST III <LP(180g重量盤)>【初回生産限定】 [Analog] 」の8タイトルと、3カ月連続のリリースとなっています。
 
　コアなファンには大人買いなど造作もないことでしょうが、一度に入手してもなかなか一気には聴けないでしょうし、庶民の家計を考えると分割してくれた方が何かとウレシイという人は多そう。
　２年前の歌姫レコーズのアナログ化の折りに限定販売された明菜特製アナログプレイヤーで聴くのが一番でしょうか。
 
　いずれにしても、明菜はレコード時代に全盛期を迎えたアルバムアーティストですから、一連の大ヒットアルバムをアナログ盤で聴くことに大きな意義がありそう。昨年の発売中止騒動があった分だけ、リアルタイムでLPを聴いていたファンにも、CD世代の後追いのファンにも、大喜びのビッグニュースではないかと思います。
 
　ディナーショーも精力的に開催しているようですが、相変わらずクローズドな雰囲気が漂う明菜。こういう大きな企画の際にはもっと前に出てきて、聖子のパブリシティーみたくとは言いませんが、薄いファンとも一緒に喜び合えたら…なんて思う36周年です。