CD4枚に70曲超！「夢で逢えたら」づくし！

　早いもので大瀧詠一御大がお亡くなりになって今日でちょうど4年。名曲の数々はより輝きを増しているような気がしますが、恒例の3.21企画は、御大のナンバーの中で最も歌い継がれている「夢で逢えたら」。そう、御大が得意としたウォール・オブ・サウンドの名曲の筆頭に挙げられるナンバーです。
  
　3.21のリリースアイテムとしては、シリア・ポール（LP2枚＋EP2枚＋CD4枚という全8枚組の完全生産限定盤「 夢で逢えたらVOX 」と通常盤CD2枚組「 夢で逢えたら 」）と、作品集第3弾としてのコンピ盤「 EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」(1976~2018) 」ということは早くから発表されていましたが、このたびコンピ盤の収録曲の大半となる60曲が判明。
　CD4枚が「夢で逢えたら」づくしとなり、レコード会社の枠を超え古今東西の音源の完全収録を試みるという触れ込み通りの内容となるようです。
 
　そもそもは「髪に栄養」でおなじみの花王トリートメント・ドレッサーのCMソング用として、当時のCMキャラクターだったアン・ルイスさんのために書かれたという「夢で逢えたら」。
　アンの歌としては当時は日の目を見ることはなく、最初にレコード化したアーティストは吉田美奈子さんでした。76年のアルバム「FLAPPER」が初出で、コーラスには山下達郎さんや大貫妙子さんらが参加したことでも知られ、それぞれのファンを中心に広がっていったようです。
 
　78年にシングルカットされた後は、女性アイドルたちがこぞってステージで取り上げたり、さまざまなアーティストがレコーディングしたり、御大がロンバケでブレイクを果たしてからは一層カバーされ続け、名曲として認知されていきました。
　近年の名曲カバーブームでも定番曲の１つといえる人気ぶりですが、ヒットという面では、96年のラッツ＆スター版。オリコン最高８位と、初のトップ10入りを記録しています。
 
　注目したいのは、本家でありアンサーソングも提供されたアン・ルイスさんの英語版をはじめ、早くからレコーディングしていたサーカスや岩崎宏美さん、シングル発売したElle（大橋恵里子）さん、北原佐和子さん、森丘祥子さん、ライブ盤で取り上げた多岐川裕美さん、石川ひとみさんら多数ありますが、やっぱり桜田淳子さんでしょう。
　彼女が1980年に出したライブ盤「私小説」は傑作中の傑作。2008年のライブ盤BOX（ こちらで紹介）でCD化されていますが、今や入手困難なので、「夢で逢えたら」1曲だけですけれど大いなる価値があるんじゃないかと思います。
 
　リストを見る限り、ライブビデオなどの映像ソフトで商品化済みの音源や、音楽ソフトでも薬師丸ひろ子さんのライブバージョンが抜けているような気がしますが、オルゴールサウンドのような音源まで含むというとにかくマニアックな企画なので、発売までには補完されていくことでしょう。
 
　対象は既に音源としてリリースされたものが対象のようですけど、近年は、御大にゆかりのある太田裕美さんと、庄野真代さん、渡辺真知子さんがジョイントした青春POPSコンサートでも歌われていますので、この際、そのライブ音源も録音して収録いただけないでしょうかね。
 
　なお、大瀧詠一作品集としては、91年のVol.1（増補改訂版「 大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)- 」は こちらで紹介）、95年のVol.2「 大瀧詠一 SONGBOOK2 」に次ぐものとなっています。