80年代のヒット作2タイトルが廉価再発！

　吉田次郎さん、クリヤ・マコトさんと組んだ新ユニット、スリーサムのニューアルバム「 ホワットエヴァー! (SACD HYBRID) 」が本日発売、現役のボーカリストとして今なお活躍を続けるマリーン。
 
　長らく廃盤となっていた全盛ソニー時代の旧譜の方も再発の気運が高まっているようで、先週には82年のセカンドアルバム「サマー・ナイト」（ こちらで紹介）が「AOR CITY1000」シリーズの1枚として廉価再発。
 
　続編が待たれていましたが、今度は11月発売の「クロスオーヴァー＆フュージョン1000」シリーズに、「 マジック 」と「 ルッキング・フォー・ラヴ 」がラインアップされました！
 
　「クロスオーヴァー＆フュージョン1000」シリーズとは、2014年から大好評を博している「ジャズ・コレクション1000」シリーズのスピンオフ的な企画として、昨年スタートしたシリーズ。ソニーミュージックが所有する豊富なカタログから厳選された、税抜き1,000円ポッキリ企画ですが、洋楽に交じって国内制作ものもチョイスされており、今回めでたくマリーンの2タイトルがセレクトされたというワケなのです。
 
　まず83年9月リリース、言わずと知れた「 マジック 」はポップな前作「デジャ・ヴー」でブレイクしたマリーンの人気を決定づけた代表作。オリコン最高５位をマークした大ヒットアルバムです。
　タイトル曲「マジック」は、自ら出演した清酒白鹿のＣＭソングの第2弾にして、同じ伊藤八十八プロデューサーのもとジョイントも多かったザ・スクェアのカバーチューン。ポインター・シスターズ「アイム・ソー・エキサイテッド」をカップリングにシングルカットされ、マリーンの代表曲の一つになりました。
　さらにボズ・スキャッグス「ウィ・アー・オール・アローン」、ビージーズがバーブラ・ストライサンドに書いた「ウーマン・イン・ラヴ」といった名曲カバーも収録。まさにポップとフュージョンのロクスオーバーという感じの聴きやすいアルバムに仕上がっております。
 
　続く「 ルッキング・フォー・ラヴ 」は、84年5月リリースのロサンゼルス録音盤。
　ラリー・カールトン、マイケル・ランドウ、ネイザン・イーストら錚々たるバッキングのもと、本場のフュージョンサウンドにのせてマリーンのグルーブが炸裂。得意のダンスチューンはもちろん、レゲエっぽいナンバーから、しっとりとしたバラードまで、自由自在なボーカルを聴かせています。
　白鹿ＣＭソングに起用されシングルカットされた「テイク・マイ・タイム／ホワイ・イン・ザ・ワールド」のほか、後に流行の12インチシングルとしてロングバージョン化されシングルカットされる「クリーチャー・オブ・ザ・ナイト」など、さすがＣＢＳ・ソニー国内制作部門。和モノとは思えない、本場さながらのハイクオリティなアルバムとなっております。ちなみにオリコンでは最高18位まで上昇。
 
　いずれもオリジナル発売時にCD化（「マジック」は黎明期のためやや遅れてのリリース）された後、87年に再発、90年および91年にはCD選書化されておりましたが、かなり前に廃盤となり、現在では入手困難になっていましたから、探し回っていた人には朗報でしょう。 
　何せ新規ライナーノーツも入ったスペシャル・プライスというのがウレシイですよね。なお、2019年9月30日までの期間生産限定盤ですのでご注意ください。
 
　選書以降再発がないジャズアルバム2作や、ブレイクを果たした「デジャ・ヴー」、ジャズフェスの歌姫として弾けまくっていた頃の「 Be・Pop」など、まだまだ名作ぞろいですので、この廉価復刻がいろんなシリーズをまたがって続いていくことを願っています。
 
　また、映像作品も結構出ていたマリーンですが、DVD化はされておらずLDやビデオソフトを見続けるしかない状況ですので、そのへんも廉価復刻されるといいなと思っています。