2タイトルが紙ジャケSHM-CD化！

　昨年11月には7年ぶりとなるピアノ弾き語りアルバム「Soft Landing」（初回限定盤「 Soft Landing (初回限定盤) 」、通常盤「 Soft Landing (通常盤) 」）をリリースして、恒例のさとがえるツアーも弾き語りで開催。
 
　年明けには、あの人気アニメ「おそ松さん」の新エンディングテーマにして高橋幸宏プロデュースの「 大人÷6×子供×6 」に、大貫妙子さんらとともにThe おそ松さんズ with 松野家6兄弟の一員として参加するなど、相変わらず攻めている感がある矢野顕子さん。
  
　旧譜の紙ジャケSHM-CD復刻シリーズ（ こちらなどで紹介）も、昨年、3枚目のLP「いろはにこんぺいとう」（ こちらで紹介）でフォノグラム（フィリップスレコード）時代へと突入しましたが、今度はセカンドにして初のライブアルバム「 長月 神無月 」と、4枚目の「 ト・キ・メ・キ 」がオリジナル紙ジャケット仕様のSHM-CDとして復刻されることになりました！
 
　一昨年末のNHK-BSプレミアム「名盤ドキュメント」でデビューアルバム「JAPANESE GIRL」は取り上げられて以来、またまた再評価が高まっているアッコちゃんの初期ですが、今回復刻となるライブ「 長月 神無月 」は、タイトル通り76年の9月と10月に行われた「JAPANESE GIRL」のコンサートの模様を収めた実況録音盤。
 
　ファーストコンサートがライブアルバムになるという企画もアッコちゃんならではという気がしますが、Ａ面がピアノ弾き語り、B面が和楽器を含むバンドスタイルという構成。
　特筆すべきは、今日まで続けられているピアノ弾き語りによるアッコちゃんスタイルの完成度でしょう。それも「あんたがたどこさ」「あわて床屋」「いもむしごろごろ」「待ちぼうけ」「アメフリ」「金太郎」「あの町この町」といった童謡を独自の解釈によるジャジーな即興演奏で披露するさまは、現在と比べると荒削りな分だけ圧巻の一言です。
 
　「相合傘」「絹街道」といった細野晴臣作品など、変化することのない志向と嗜好によるアッコちゃんワールドも堪能できますが、目玉は国歌「君が代」。当時、思想的背景を勘ぐられ、それが面倒になって以来まったく演っていないそうですから貴重な演奏です。
 
　一方、78年リリースの「 ト・キ・メ・キ 」は、初のセルフプロデュースで、NYレコーディングによるアルバム。佐藤さとるさんの「誰も知らない小さな国」シリーズの挿絵で知られる村上勉さんのジャケットが素敵ですが、シンセサイザー・プログラマーとして松武秀樹、ユートピアのロジャー・パウエルが参加するなど、YMOワールドツアー前夜のアッコちゃんが堪能できます。
　なお、このアルバムのコンサートが後にライブ盤として発表される「東京は夜の7時」です。
 
　という2枚。このシリーズのフォノグラム（フィリップスレコード）時代としては、まだ「JAPANESE GIRL」「東京は夜の7時」が残っていますので次はこの2作でしょうね。