25周年再発第2弾は全アルバムSHM-CD&紙ジャケ!
昨年暮れに出た25周年記念シングルコンプBOX「 SUPER GROOVER The BOX - The Perfect Singles <25th Anniversary Special> 」(こちらでも紹介)が好評を博したオギノメちゃん。アニーバーサリーリイシュー第2弾として、オリジナルアルバムの復刻も決定しました。
84年のファースト「ティーンズ・ロマンス」から97年の「Chains」までの全18タイトルに最新デジタルリマスタリングを施し、高音質のSHM-CD&紙ジャケット仕様で復刻ということですが、ビクターらしく、3月から5月まで6タイトルずつ3ヶ月3期にわたって単品発売。好きなアルバムだけ買いたい人にとっては待望のリリースではないでしょうか。
さらに、BOXとしてのコレクション性を高めたい人にうってつけ、第1期6タイトルに特典のスペシャルCDと特製収納BOXを加えた「 オリジナル・アルバム・コレクション The BOX 25th Anniversary Special 」も同時発売されるとのこと。
ちなみにスペシャルCDは、懐かしいビクターのOff Vocal Specialシリーズを思い出す2枚組「YOKO OGINOME Early Singles <Off Vocal Special>」。こちらには「未来航海 -Sailing-」から「ユア・マイ・ライフ」まで、アナログで出た19枚のシングルAB面38曲のオリジナルカラオケを収録。歌詞カードとして、シングルジャケットのCDサイズ縮小版が封入されるとのことです。
そして収納BOXは、2期、3期を含め今回復刻になる全作とスペシャルCDがすべて入るというおなじみの仕様となっています。
うーむ、やはり第1期はBOXをチョイスして、2期からは単品をそろえていくというのが理想的でしょうか。もちろん生産限定盤なので、単品も早めに入手した方がよさそうですけどね。
なお、オギノメちゃんの場合、ちょうどLPからCDへの移行期と重なりますが、CDのみでリリースされた作品も統一性を重んじた紙ジャケ仕様になる模様。アルバム未収録の音源は各作品にボーナストラックとして収録されるほか、本人&スタッフへのインタビューもアルバム編としていつものリレー形式で収められるようです。
正直なオギノメちゃんらしいエピソードはシングルBOXでもとっても読み応えがありましたが、今回にも期待ですね。
というアルバム復刻。3月24日発売の第1期では初CD化となるミニアルバム「 ハートビート・エクスプレス ~早春物語メモリアル・アルバム~[+α](仮) 」がラインアップに入っていたりしますが、オススメしたいのは、やっぱり86年12月発売の「 ノン・ストッパー[+α](仮) 」。
87年に日本で最も売れたアルバムなので、同世代ならほとんどの人が愛聴していたと思いますが、ほんとセールスに恥じない名盤ですよね。カバーもオリジナルも名曲ぞろいですし、飛ぶ鳥を落とす勢いもしっかり感じられますので、オギノメちゃん未体験の方は、ぜひこのアルバムでKOされてから他のアルバムに入ってみてはいかがでしょうか。
オギノメちゃんをいま聴く時、他のユーロビートに比べ、照れくさくも恥ずかしくもなく聴けてしまうのですが、それはやはりオギノメちゃんの生真面目な人柄というか、ひたむきでまっすぐな性格というか、彼女のコアにある人間の品格というものがきっちりと出ているからではないかと思っています。
だから、イケイケの詞を歌ったって、ノリノリでステップをキメたって、ボディコンを着て真っ赤なルージュを塗ったって、バブルの泡に溶けてしまうことはないんですよね。
そういう意味では、4月21日発売・第2期の「 246コネクション[+α](仮) 」がベスト。筒美先生渾身の出来映えというか、80年代の筒美ベストアルバムではないかと思うほど、名曲が詰まっているのですが、それに負けていないのが売野さんがオギノメちゃんを通して描いた青春観。
売野さんの詞の中にいるのは、トンガってツッパってみせても、ナンパなチャラさをのぞかせても、実はみんなナイーブで傷つきやすい少年少女。それはオギノメちゃんがふと見せる淋しそうな横顔と重なっていました。
例えるなら80年代チックな理由なき反抗というか、87年のジミーというような…あの頃のアイドルで、オギノメちゃんだけが持っていた青い少年性が結実した傑作ではないかと思っています。
オギノメちゃんは実体験がないことでストレスを抱えていたようですが、資質は経験などあっさり凌駕してしまうのだということをこの作品が証明しているんじゃないでしょうか。
5月19日発売の3期も含め、もっと豪華な話題作や、オギノメちゃんの歌唱力にビックリするアルバムもあるのですが、個人的にはやっぱり「ノン・ストッパー」「246コネクション」。何はなくともこの2タイトルだけは必携!ということだけが言いたかったりして…。
(2010.1.25)