シンシア、真理ちゃんと並ぶソニーの3人娘、OMF復刻!
1972年7月、「はだしの女の子」でレコードデビューを飾った奈良富士子。
今となっては女優としてのイメージしかないという人も多いでしょうし、ワタシも後に「ウルトラマンレオ」に杉田かおると姉妹で出ていた姿とか、80年代にはとんねるずの時代劇コントでタカさんに“お奈良じゃないのよ!”とイジられていたことの方が強烈なのですが、当時は南沙織、天地真理と並ぶソニーの3人娘として強力に売り出され、期待の大型新人だったんですよね。
今も昔もルックス抜群の彼女は小さい時から子役として活躍していたそうで、歌手デビューの前にはドラマ「美人はいかが?」に主演。これは「サインはV」や「美しきチャレンジャー」などの枠でしたし、原作は週マ連載漫画ということで、小中高生ともにかなり人気がありましたよね。
記憶をたどってみても、仲良しの子が貸本屋で借りたコミックスを一緒に読んだ覚えがありますし、レコード屋さんに彼女の等身大の立て看板が飾られていたこともハッキリ覚えています。
ドラマの方は、かなり前にケーブルテレビの再放送を見た時、当時感じたよりもドタコメ度がスゴかったですね。
“I LOVE YOU”なんていう横文字のフレーズを入れた歌詩(有馬三恵子先生による)が斬新だったデビュー曲こそソニーらしいヤングポップスでしたが、「あに いもうと」や「男ともだち」とターゲットをシフト。
ハッキリ言って…という感じの歌唱力でしたし、残念ながらさほどヒットせず。レコード会社のプッシュも翌年には水沢アキに変わってしまいました。
ソニーではオムニバスのアーリーシリーズの中で「はだしの女の子」「あに いもうと」の2曲がCD化されたものの、他はもう無理だろうと思っていましたら…ここに来てオーダーメイドファクトリーの復刻候補にエントリーされました。
それも72年11月にリリースされた唯一のアルバム「女の子」に、ボーナストラックを追加した全楽曲集「 女の子 +8 ~オール・ソングス・コレクション 」です!
アルバムの方は「はだしの女の子/ひろし君の世界」と「あに いもうと/ちょっぴり恋の味」という2枚のシングルをはじめ、全曲がオリジナルという力の入れよう。当時は常識だったナレーションも楽しめます。
作家陣は有馬三恵子+中村泰士コンビの他、次のシングルを手がける石坂まさを+鈴木邦彦、ビリー・バンバンの菅原進という面々も。有馬先生の世界はやはりシンシアへの提供作に通じる匂いがするものの、全体的にポップスというより歌謡曲タッチ。ちょっとつたないい歌と相まって、いま聴くとかなり古めかしく聞こえると思いますが、逆にソレがたまらないという人も多そうです。
ボーナストラックとしては、この後73年に出た「男ともだち/虹の朝」や、スタンダードなインドネシア民謡の梶光夫版リメイクだという「可愛いあの娘/まぼろしの舟」に加え、一時改名して水島彩子となっていた79年発表のドラマ主題歌「愛の残照/静かなる日々の中で」というシングルを追加。
さらに、アルバム収録済みのシングル曲も純粋なシングルエディットでプラスするという、こだわりのオールソングス・コレクションとなっています。
オーダーメイドファクトリーでは、80年代に比べどうしても動きが鈍くなってしまう70年代作品ですが、おそらく二度とないチャンスでしょうから、ぜひリクエストをお願いしますね!
(2009.5.14)