初CD化の最新曲「鬼平」主題歌を含む2枚組ベスト！

　2011年、ピンク・マルティーニ（最近またピンク・マティーニ表記に戻った模様）とコラボし世界的ヒットとなった大ヒットアルバム「1969」（こちらで紹介）をきっかけに、最前線に返り咲いた由紀さおりさん。
 
　歌謡曲歌手としてデビューした東芝音工の時代から所属していたEMIがユニバーサルに吸収合併される出来事もありましたが、アルバムはカバー、シングルはオリジナルと、コンスタントに新作を発表し続けておりますし、旧譜の方も紙ジャケ復刻シリーズ（こちらとこちらで紹介）や、タワレコ限定シリーズ（こちらで紹介）で多くのタイトルが復刻。ベスト盤を含め、途切れることのないリリースが続いております。
 
　ひと頃、似たような全曲集しか出せなかった頃を思えば、やはり売れてなんぼという当たり前の理をあらためて実感する次第ですが、このたび初CD化曲を含む２枚組ベスト盤「由紀さおり プレミアム ベスト」の発売が決定しました！
 
　1969年から2010年までを収録したDisc1には、言わずと知れたオリコンNo.1のデビュー曲「夜明けのスキャット」をはじめ、２作目のオリコン１位となった大ヒット「手紙」、香港で英語版を出したアグネス・チャンから渡辺真知子、明菜やハラ坊、岩崎ヨシリンまで多くのアーティストがカバーしたメロウな渋谷毅メロディー「生きがい」、レコード大賞最優秀歌唱賞受賞曲「恋文」、久しぶりのヒットとなった名曲「挽歌」など、おなじみの大ヒットがずらり。
 
　フォークも数多く歌いこなしてきた由紀さんですから、吉田拓郎との出会い「ルーム・ライト（室内灯）」、伊勢正三との「つかの間の雨」や、佐々木好との「ストレート」、谷村新司との「あさきゆめみし」といったフォーク勢の素敵な作品も魅力ですし、紅白の豪華な衣装とパフォーマンスが語りぐさとなった「トーキョー・バビロン」や、阿久悠＋井上大輔コンビの名作「スイートワルツの流れる川に」 （今回はニュー・ヴォーカルバージョンを収録）など、由紀さんしか醸せない絶妙なナンバーも必聴です。
 
　一方、Disc2は2010年以降に発表された作品が中心だそうで、世界的ヒットアルバム「1969」から「ブルー・ライト・ヨコハマ」「マシュ・ケ・ナダ」などを、カバーアルバム「VOICE」シリーズから「 恋のバカンス」「街の灯り」「どうぞこのまま」「ラストダンスは私に」「知りたくないの」「夜霧よ今夜も有難う」を収録。
 
　さらに、霧島酒蔵のCMソング「愛だとか」、101歳まで生きた詩人・柴田トヨさんの半生を描いた映画「くじけないで」の主題歌「わたしのうた」、映画「ローカル路線 バス乗り継ぎの旅【台湾編】」の主題歌にしてCDとしては最新シングルとなる北山修＋杉真理コンビの「人生という旅」（由紀さんらしい名曲！）など、近年のクオリティの高いシングル曲も網羅されています。
　そして、初CD化ナンバーとして、これまで配信でしか聴けなかったテレビ東京系アニメ「鬼平」主題歌の最新曲「そして・・生きなさい」も入るとのことで、この１曲のために買ってしまうファンも多そうですよね。
 
　ともあれ、プロシンガー・由紀さおりの半世紀近くの歴史をしっかりまとめた、まさにプレミアムなベスト。ビギナーの方もコアなファンも両方満足できる、プライス的にもナイスな内容だと思いますので、チェックをお忘れなく！