コーラスファミリーのOMF企画が市販品で復活！

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　昨秋、村井邦彦さんの古希を記念して開かれた２日間だけのライブイベント「ALFA MUSIC LIVE」。記念のCD（ こちらで紹介）がリリースされるとともに、当日には荒井由実を筆頭に、村井さんが興したアルファのアーティストたちが一堂に会し、大きなニュースとなったのは記憶に新しいところです。
 
　そのアルファレコードが設立された時、第１号アーティストとして移籍してきたのが、リードボーカルの叶正子さんの姉弟と従姉による４人組コーラスグループ・サーカスだったといいます。
　幻の初代サーカスから男性陣が脱退し、兄弟が入ったのは移籍決定後だったそうですが、最初のシングル「Mr.サマータイム」は、鉄壁のピンク・レディーやジュリーら並み居る強敵をなぎ倒し、見事オリコン１位を獲得。その後も「愛で殺したい」「アムール」「アメリカン・フィーリング」「ビューティフル シーズン」などのヒット曲を放ち、80年まで在籍。アルファレコードの船出を順風満帆なものにしたのでした。
 
　これらアルファ時代の全音源は2005年に２枚組の「サーカス アルファミュージック編 1978~1980 」としてまとめられ、ロングセラーを続けておりますが、その続編のようなスタイルで今回リリースが決まったのが、87年から91年までの4年間在籍したファンハウス時代の「サーカス ファンハウス編 1987~1991 」！
 
　実はコレ、一昨年の初頭にオーダーメイドファクトリーで商品化候補に挙がった企画ですが、その際は残念ながら不成立。しかし２年の時を経て、このたび市販品として仕切り直し発売されることになった模様です。
 
　あおい輝彦のRCA時代のG☆B（こちらで紹介）と同じく、まさにOMFの敗者復活という感じですが、当時楽しみにしていたファンにとっては悲願。ホントにウレシイ発売ではないでしょうか。
　ブルスペ２ではなくなりましたけど、価格はぐっとお求めやすくなりましたからね。
 
　87年から91年まで在籍したファンハウス時代のサーカスは、84年のメンバーチェンジ後ですから、すなわち脱退した従姉の節子さんと弟の央介さんに代わりオーディションで選ばれた原順子さんと嶋田徹さんが入った編成でのスタート。
　途中で央介さんが復帰し、順子さんと結婚してまたファミリーグループになりますから、そういうメンバーの変遷も含めたコーラスワークも一興ではないでしょうか。
 
　収録されるのは、移籍第１弾アルバム「A LITTLE LIE」から、「WOMAN IN LOVE」「Winter Album」、そして日野皓正プロデュースによるNYレコーディング「FASCINATION」「たったひとつの言葉」という4枚のアルバムと、アルバム未収録のシングル曲。
　音楽性の方も幅が広がり、デビュー前の佐藤竹善さん（Sing Like Talking）らが参加。ドラマ主題歌としてロングヒットした「優しい嘘」をはじめ、ぐんとオシャレになった書き下ろしのシティポップスから、ビートルズの「Here There And Everywhere」にニール・セダカの「カレンダー・ガール」や松田聖子の「SWEET MEMORIES」など洋邦のスタンダードカバーまで多彩な展開となっています 。
 
　あの頃のヒットの登竜門だったカメリアダイヤモンドのCMソングとなった「WOMAN IN LOVE」や「FASCINATION」など、バブリーな雰囲気もバッチリです。ベストテンヒットにまでは至りませんでしたけど、タイアップもいっぱいありますので、この時代のサーカスが記憶にないという人でも、耳になじみのあるナンバーが多いのではないでしょうか。
 
　なお、移籍が多いイメージのあるサーカスですが、その系譜を通して聴くなら通販限定４枚組BOX「サーカス GIFT BOX 」がオススメ。2006年のリリースですが、全シングルＡ面を網羅し、オリジナルやカバー曲など、サーカスのコーラスの魅力を満喫できる内容となっています。
　入門編としては手軽な「GOLDEN☆BEST/サーカス 歌の贈り物 」がやっぱりイチバンでしょうか。
 
　むろん今も現役のサーカス。デビュー35周年の2013年にはまたメンバーチェンジを行い、ぐっと若返り。
　新メンバーには高さんの娘さんもいるので、まさに親子世代のサーカス（77年の初代から数えて５代目になるとか！）としてカバーアルバムを出したり、今年はボサノバアルバム「POP STEP BOSSA 」をリリースしたり、精力的に活動を続けていますので、旧譜と併せて新譜の方も楽しみたいですね。