ナツメロ喫茶店

 ビバ!旧譜の新譜。紙ジャケからBOXまで、ナツメロ復刻盤&再発盤、コンピ盤などのレビューコーナーです。

#835
中森明菜 アルバム23タイトル UHQCD化
ZERO album~歌姫2(UPCH-7264)・Resonancia(UPCH-7265)・Akina Nakamori~歌姫ダブル・ディケイド(UPCH-7266)・UNBALANCE+BALANCE+6(UPCH-7267)・歌姫<スペシャル・エディション>(UPCH-7268~9)・la alteracion+4(UPCH-7270)・SHAKER+3(UPCH-7271)・I hope so~バラード・アルバム~(UPCH-7272)・歌姫3~終幕~(UPCH-7273)・BEST FINGER-25th anniversary selection-(UPCH-7274)・DESTINATION(UPCH-7275)・歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~(UPCH-7276)・バラード・ベスト~25th Anniversary Selection~(UPCH-7277)・艶歌-Enka-(UPCH-7278)・歌姫伝説 ~90's BEST~(UPCH-7279)・フォーク・ソング~歌姫抒情歌(UPCH-7280)・ムード歌謡~歌姫昭和名曲集(UPCH-7281)・フォーク・ソング2~歌姫哀翔歌(UPCH-7282)・DIVA(UPCH-7283)・オールタイム・ベスト-歌姫(カヴァー)-(UPCH-7284~5)※1・歌姫4 -My Eggs Benedict-(UPCH-7286)・FIXER(UPCH-7287)・Vampire(UPCH-7288)※2
*2017.5.3発売、各¥3,240+税(※1は¥3,611+税、※2は¥2,593+税)、UHQCD

35周年で23タイトルが一挙UHQCD化!

 ちょっとエッチな美新人娘(ミルキーっこ)!の中森明菜さんも、今年でデビュー35周年。
 
 もちろん花の82年組ではありますが、別格の存在ですから、他のアイドルと同列のアニバーサリーイヤーという感じがしないのですが、そこは現在所属するユニバーサルミュージック。ユニバーサルで再発されたMCAビクター時代を含むほとんどのアルバムが、一挙UHQCD化されることになりました!
 
 1993年のMCAビクター移籍第1弾「UNBALANCE+BALANCE」から、2016年に完全生産限定クリスマス盤として出たアナログ盤「Vampire」までの23タイトル、既にUHQCD化済みの「Belie」を除くアルバムがオリジナル、カバー、ベストの枠を超えてとそろい踏み。
 
 ちなみにMCAビクター時代の「UNBALANCE+BALANCE」「歌姫」「la alteracion」「SHAKER」は、オリジナル盤ではなくボートラ入りでユニバーサルから再発された2002年盤のUHQCD化となっています。
 
 羅列しますと「ZERO album~歌姫2」「Resonancia」「Akina Nakamori~歌姫 ダブル・ディケイド」「UNBALANCE+BALANCE+6」「歌姫(スペシャルエディション)」「la alteracion+4」「SHAKER+3」「I hope so~バラード・アルバム~」「歌姫3~終幕~」「BEST FINGER-25th anniversary selection」「DESTINATION」「歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~」「バラード・ベスト~25th Anniversary Selection~」「艶歌-Enka-」「歌姫伝説 ~90’s BEST~」「フォーク・ソング~歌姫抒情歌」「ムード歌謡~歌姫昭和名曲集」「フォーク・ソング2~歌姫哀翔歌」「DIVA」「オールタイム・ベスト-歌姫(カヴァー)-」「歌姫4 -My Eggs Benedict-」「FIXER」「Vampire」の23タイトル。
 ワーナー時代のオリジナルヒットが入ったオールタイム・ベストが抜けているのはしょうがないことでしょうが、ここ25年ほどの明菜がUHQCDのハイクオリティな音質で聴けるようになるとのことです。
 
 ワーナー時代に放った往年のヒット曲も新録音されていますが、ここでオススメしたいのはやっぱり累計100万枚以上のセールスを記録したという「歌姫」シリーズ。
 もはや明菜のアルバムに欠かせない1ジャンルとなり、手を変え品を変え今に至るまでずっと続いておりますが、ここでは本来の歌姫シリーズ、すなわち最初の3部作をピックアップしたいと思います。
 
 今回は、一部に新たなアレンジが加えられインストディスクとの2枚になった2002年の完全盤が「歌姫(スペシャルエディション)」としてUHQCD化されますが、このシリーズ第1弾が初めてリリースされたのは94年3月。
 今でこそカバーが定着し当たり前のことというか、セルフカバーも含めオリジナルの新曲を出すよりも手堅いコンテンツとなりましたが、当時はオリジナル至上時代で「THE夜もヒッパレ」なんかもやってない頃です。
 
 演歌歌手ならいざ知らず、第一線で活躍する若いポップスシンガーが、洋楽でもない、ナツメロになった昔の歌謡曲なんかを歌うなど、カールスモーキー石井なんかのノリ以外では考えられなかったように思います。既にイロイロあった明菜だって、シングル、アルバムともにオリコンのトップ10から落ちたことなどありませんでしたからね。
 それが、明菜自身の「好きな歌だけ歌っていたい…」というメッセージとともに登場したのですから、明菜ならさもありなんと思いつつも、大きな驚きを感じたのは確かです。
 
 高樹澪のリメイクヒットで知られる石川セリの「ダンスはうまく踊れない」や、ユーミンの「魔法の鏡」、山口百恵の「愛染橋」、岩崎宏美の「思秋期」といった同じ「スター誕生!」出身の尊敬する先輩たちのナンバーはさておき、園まりの「逢いたくて逢いたくて」、中尾ミエの「片想い」、奥村チヨの「終着駅」、由紀さおりの「生きがい」…当時明菜のファン世代で好事家以外は知る人は少なかったであろう名曲のチョイスだけでも、明菜の審美眼を感じたものです。
 
 しかし、それにも増してこのアルバムが素晴らしかったのは、千住明さんによるクラシカルなアレンジだったことではないでしょうか。
 コムロサウンドが席巻していた中、フルオーケストラにのせた明菜節の素晴らしかったこと。川原伸司プロデューサーの手腕が大きかったのでしょうが、まさに孤高の歌姫であることを実感させるアルバムでありました。
 
 という感じだったものの、第1弾はまったくの企画ものだったカバーアルバム。それがシリーズ化するきっかけとなったのがレコード会社の移籍でした。
 
 90年代末はトラブルメーカー的な話題が先行した明菜が、デビュー20周年の2002年、キティMME(現ユニバーサルミュージック)へと移籍。復帰第1弾のアルバムとして歌姫シリーズ第2弾を発表。それが「ZERO album~歌姫2」でした。
 
 尼さんジャケットのサプライズもさることながら、週刊誌ではずっと不仲が伝えられていた松田聖子「瑠璃色の地球」を選曲するなど、大きな話題を呼んだのです。
 久保田早紀の「異邦人」、高橋真梨子の「桃色吐息」、テレサ・テンの「別れの予感」といった誰もが知るヒット曲や、山口百恵の「秋桜」と伊藤咲子の「乙女のワルツ」というスタ誕の先輩のナンバーに加え、庄野真代の「アデュー」、水原弘のオリジナルをちあきなおみがカバーした「黄昏のビギン」といったシブイ作品もチョイス。
 
 結果、オリコン10位と久々のトップ10入りを果たし、明菜復活を印象づけたアルバムとなりました。
 
 この成功を受け、翌2003年には男性アーティストの作品となる「歌姫3~終幕~」をリリース。これにて千住さんアレンジでのシリーズは完結となったワケですが、2007年には山口百恵の「いい日 旅立ち」など新録曲を収録した総集編ベスト「歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~」が発売。こちらもトップ10入りを果たし、明菜=歌姫カバーのイメージはさらに定着。後の切り口を変えた歌姫へと続いているのご存じの通りです。
 
 昨年末のディナーショー成功でようやくファンを安心させた明菜ですが、最近はTVのオファーをすべて断っているというニュースが流れたり、やっぱり心配は尽きません。それでも5月からは海外で新曲制作に入るというウレシイ情報もありますし、このUHQCDで35周年を祝いながら、現役の歌姫としての新作にも期待しようと思います。
 
 
 なお、タイミングがいいことにユニバーサルでは邦楽洋楽のベストセラーDVD122タイトルを3ヶ月限定の廉価版(税抜¥1,980から)で出荷する“進化版”DVDキャンペーン2017を展開中。その中には「 PARCO THEATER LIVE 歌姫 [DVD] 」をはじめ「 中森明菜 live’97 felicidad [DVD] 」「 Apasionado [DVD] 」「 AKINA NAKAMORI LIVE TOUR 2006 The Last Destination [DVD] 」「 CLIP 2002-2007 & MORE [DVD] 」「 Akina Nakamori Special Live 2009 Empress at Yokohama [DVD] 」という明菜の6タイトルがラインアップされていますので、コレクションするいい機会となっておりますぞ。
 
   

(2017.3.24)
 
 

 
 
2017.8.23発売…ワーナーの中森明菜デビュー35周年記念企画として、アナログ盤復刻が決定。
 1989年までにLPで発売されたアルバム17タイトル「プロローグ<序幕> AKINA NAKAMORI FIRST [Analog]」「バリエーション<変奏曲> AKINA NAKAMORI SECOND [Analog]」「ファンタジー<幻想曲> AKINA NAKAMORI THIRD [Analog]」「NEW AKINA エトランゼ AKINA NAKAMORI 4TH ALBUM [Analog]」「BEST AKINA メモワール [Analog]」「ANNIVERSARY FROM NEW YORK AND NASSAU AKINA NAKAMORI 6TH ALBUM [Analog]」「POSSIBILITY AKINA NAKAMORI 7TH ALBUM [Analog]」「BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM [Analog]」「D404ME [Analog]」「BEST [Analog]」「不思議 [Analog]」「CRIMSON [Analog]」「CROSS MY PALM [Analog]」「Stock [Analog]」「Femme Fatale [Analog]」「BEST II [Analog]」「CRUISE [Analog]」に、初アナログ化となる「BEST III [Analog]」を加えた全18タイトルがアナログレコード180グラム重量盤として復刻されます。(2017.6.6)
 
発売中止となりましたのでご注意ください。

 

#850〜
 
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