5社共同、時代を超えた日めくりカレンダー的コンピ！

　１日１曲、1年365曲（うるう年もあるので正確には＋1曲）。まさに音楽の日めくりカレンダーとでもいうような、これまでになかった切り口のコンピ盤が登場します！
　それがレコード会社５社によって今週スタートする共同企画、その名も「大人のJ-POPカレンダー ～365 Radio Songs～」シリーズです。
 
　拓郎やハマショーらとの密な交流でも知られる音楽評論家・田家秀樹さんが、各月別にテーマを設けて選曲なさったということですが、そもそもはTOKYO FMでオンエアされた田家さんの番組「JAPANESE POPS REFRAIN1945-2015」が発端で、そこで展開した「戦後70年の700曲」をきっかけに生まれた企画なのだそうです。
 
　ソニーミュージック・ダイレクト、ユニバーサルミュージック、ビクターエンタテインメント、日本コロムビア、ポニーキャニオンの５社から、1年をかけ４回に分けて全12作品（いずれも２枚組）がリリースされ、累計365＋1曲が収録となるそうですが、第１回発売となるのは３タイトル。
 
　まずは新年をテーマに“新年ハジマリの歌＆受験生応援ソング”31曲で構成した１月編「 大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~1月新年 」、告白をテーマに“スノウソング＆告白バレンタインソング”29曲でまとめた２月編「 大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songss~ 2月告白 」、そして卒業がテーマの“出会いと初恋＆卒業ソング”31曲という３月編「 大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs 3月 ~出会いと初恋~ 」。
 
　それぞれのテーマにふさわしいナンバーが、各社の音源からチョイスされておりますが、驚かされるのはその選曲。
　田家さんですし、J-POPというタイトルからしてもポップス、ロック、フォーク＆ニューミュージックで構成されているのかと思いきや、演歌・歌謡曲も含め邦楽ひとまとめといいますか、流行歌全般から選ばれているのです。
　もっとも演歌・歌謡曲系は誰もが知る名曲で、ロック、ポップス系は通好みといいますか、名曲ではあるもののヒット曲とは言いがたいものも多いのですけれど、時代もジャンルも縦横無尽な構成は有線ですらなかなか聴けないものであり、世代を超えて楽しめ、後世にまで残したいコンピ盤という気がします。
　ご多分に漏れず、アーティスト本人や周辺スタッフから許諾が出なかったナンバーも結構あるそうですが、趣旨をご賢察いただけなかったのは残念な限りですよね。
 
　なお、その後の予定としては、四季の移ろいのごとく3カ月ごとに続編がリリースされるとのこと。
　次回、第2回は3月8日発売で、桜ソングと春の歌＆花の歌の４月編「 大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~4月桜 」（ソニー）、母の歌＆東京ソングの５月編「 大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~5月 」（ビクター）、ウエディングソング＆雨の歌の6月編（ユニバーサル）「 大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs(6月編) 」というラインアップ。
 
　以降も、夏休みサマーソング＆海の歌の7月編「 大人のJ-POPカレンダー~365 Radio Songs~7月サマーソング 」（ソニー）、平和の歌＆旅の歌の8月編「 大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs 8月~平和の歌/旅の歌~ 」（コロムビア）、秋の歌＆友情ソングの9月編「 大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs(9月編:友情) 」（ユニバーサル）、失恋ソング＆空と星の歌の10月編「 大人のJ-POPカレンダー ~365 Radio Songs~10月 」（ポニーキャニオン）、親から子へ、子から親へ～家族の歌＆ワークソングの11月編「 大人のJ-POP カレンダー 365 Radio Songs 11月 」（ビクター）、クリスマスソング＆故郷の歌の12月編「 大人のJ-POPカレンダー 365 Radio Songs(12月編) 」（ユニバーサル）と続いていくそうです。
 
　はっぴいえんどからユーミン、森山親子まで、J-POPの数々の名盤を手がけてきた矢吹申彦さんによるジャケットも素敵だし、このスケールなのに、BOXや一括発売ではなく、シーズンごとに頒布会的に続いていくのも暦的でグッド。
　パッケージだからこそできる企画だと思いますが、名曲の良さを伝えるという観点だけじゃなく、パッケージの良さを次の世代へと伝えていく意味も込めて、子どもたちへのプレゼントにもオススメのシリーズではないかと思います。