またまた追加！ゴローのアルバム一挙復刻！

　すっかりおなじみとなったタワレコ良盤発掘隊・Tower To The Peopleでのゴロー復刻（ こちらなどで紹介）ですが、前回のラインアップに入っていた筒美京平ロンドン録音アルバムの再復刻盤「 GORO! LOVE STREET IN LONDON 雨のガラス窓 +2＜タワーレコード限定＞」が9月28日に発売延期になったと思ったら、なんと次のラインアップ9タイトルと同時発売されるとのこと！
 
　さすがゴローファンといいますか、ファンの皆さんの熱心な予約＆購買がこうして実を結んだことに大感動をいたしております。
 
　で、今回新たに復刻される9タイトルは、72年から89年までのアルバムの中から「 GORO ON STAGE 野口五郎 “日本縦断コンサート”より＜タワーレコード限定＞」「 GORO ON STAGE II 野口五郎 故郷に帰る＜タワーレコード限定＞」「 GORO & HIROSHI 通りすぎたものたち＜タワーレコード限定＞ 」「 GORO IN SUNPLAZA 野口五郎 五大都市コンサート＜タワーレコード限定＞」「 '77全国六大都市コンサート GORO IN SUNPLAZA＜タワーレコード限定＞ 」「 '78野口五郎 五大都市コンサート summer fever concert＜タワーレコード限定＞」「 熱い夏を撃て! HOT SUMMER LIVE '79＜タワーレコード限定＞ 」「 A♭に愛をのせて GORO LIVE 1984 AT NAKANO SUNPLAZA HALL＜タワーレコード限定＞ 」「 ALL OF ME＜タワーレコード限定＞ 」というチョイス。
　前回に引き続きライブ盤が中心ですが、8タイトルが初CD化、しかもカセットテープのみでの発売だった3タイトルを含むという、またまたファン感涙の復刻となっております。
 
　古い順から簡単に紹介しておきますと、まずは72年の初ライブ盤「 GORO ON STAGE 野口五郎 “日本縦断コンサート”より＜タワーレコード限定＞」。72年の4月10日に東京・杉並公会堂で行われたコンサートの模様を収録したもので、わずか2カ月後に発売されたというスピードリリース盤です。
　前年、橋本淳＋筒美京平によるデビュー第2弾シングル「青いリンゴ」で演歌から路線変更を図って大成功。一躍男性アイドルのトップの座を射止めたゴローの初々しい魅力にあふれたライブですが、ただのライブ盤ではありません。
　橋本さんが構成を務め、ブレイクナンバー「青いリンゴ」をはじめとする「ゴロー・ヒットメドレー」や、発売されたばかりのニューシングル「悲しみの日曜日／愛のレッスン」、洋楽カバーに加え、なんと橋本淳＋筒美京平コンビの書き下ろし曲も収められているのです。一部、BOXでCD化されてはいましたが、さすが両先生の寵愛を受けたゴロー。アレンジはすべて高田弘さんですし、筒美コレクターにとっては大穴の必携盤といえるでしょう。
 
　続く「 GORO ON STAGE II 野口五郎 故郷に帰る＜タワーレコード限定＞」は、73年1月にゴローの故郷・岐阜で行われたコンサートから。
　前半のシビレル洋楽ナンバーはモチのロンですが、中盤の「五郎のふるさとメドレー」では万感の思いを込めて唱歌を歌うなど、故郷に錦を飾るゴローの熱唱をどうぞ。自慢のギブソンのギターを披露するゴローも聴きどころでしょう。
　昔は実況録音盤と言っていたものですが、演奏は小野満とスイング・ビーバーズ、ワンマンではなく司会（宮尾すすむ）がいるというのも当時の定石。いろんな意味でお楽しみ満載のライブ盤です。
 
　次は76年リリースの「 GORO & HIROSHI 通りすぎたものたち＜タワーレコード限定＞ 」。デビュー5周年記念盤にして、兄弟アルバム第１弾です。
　幼少時からデビュー後も、ゴローの音楽面をサポートしたのは他ならぬお兄さんの佐藤寛さんだったのは周知の事実ですけど、本格的にクローズアップされるようになったのは、やはりオリコンNo.1ヒットにして兄弟ソングの代表曲「私鉄沿線」から。あの曲のヒットを受けてその後のシングルも手がけ、こういうアルバムも出せるようになったのだと思います。兄弟のアレンジは筒美先生も行いましたが、ここでは馬飼野俊一先生です。
　なお、ボーナストラックとして佐藤寛作曲のシングル曲「私鉄沿線／帰郷」「美しい愛のかけら／ 旧い喫茶店」「女友達 ／一人の部屋」 「むさし野詩人／さよなら綴り」が収録されるとのことです。
 
　そしてここからは、カセットテープのみでリリースされたライブ盤3タイトル。
　ゴローのライブアルバムの場合、LP盤はダイジェスト、カセットはたっぷり収録というスタイルが主で、このシリーズでもカセットの方を復刻しているようですけど、この3枚はカセットのみなので、レア度がさらにアップしています。
　77年発売の「 GORO IN SUNPLAZA 野口五郎 五大都市コンサート＜タワーレコード限定＞」と78年発売の「 '77全国六大都市コンサート GORO IN SUNPLAZA＜タワーレコード限定＞ 」は大都市を巡ったコンサートツアーのうち東京・中野サンプラザホールの模様を収録したもの。本場のショウビズを思わせるクオリティで定評のあったゴローのライブは、東海林修先生の尽力の賜物ではなかったかと思いますが、その先生が指揮とピアノでステージにも立っています。
 
　クライマックスの定番「マイ・ウェイ」やミュージカル仕立てのコーナーはともかく、ビリー・ジョエルにビージーズ、アバと取り上げる洋楽の志向もナウさを増し、次第にソフィストケイトされていく中で行われた78年の「 '78野口五郎 五大都市コンサート summer fever concert＜タワーレコード限定＞」は、大阪厚生年金会館（現・オリックス劇場）が舞台。
　ゴローのライブは、名うてのスタジオミュージシャンが結集することでもおなじみですが、フュージョンが一大ブームとなったこの年は、まさに炸裂しているようです。
 
　そしてシングルでもフュージョンをメインに進んだ79年の「 熱い夏を撃て! HOT SUMMER LIVE '79＜タワーレコード限定＞ 」は、タイトル通りグルーブ感がウリ。LPでのリリースがありましたが、今回はボートラとしてカセット版のみに収録されていた音源が追加収録されています。
 
　以降のアルバムはCD化済みのものが多いため時代はぐんと下がり、次は84年の久々のライブ盤「 A♭に愛をのせて GORO LIVE 1984 AT NAKANO SUNPLAZA HALL＜タワーレコード限定＞ 」。会場は同じ中野サンプラザでも、そこにいるのは、若さをぶつけて熱唱、絶唱していた頃とは違ってぐっと落ち着いたアダルト・シンガーのゴローでしょうか。
 
　最後はオリジナル発売時にもCDが出ていた「 ALL OF ME＜タワーレコード限定＞ 」。全曲英語詞で歌われるジャズのスタンダードアルバムとなっていますが、驚くのは当時のゴローはまだ33才だったということ。
　あの時代の歌謡界がいかにレベルが高く、そこにいるためにいかなる才能が必要だったのかが思い知らされるといいますか、元々実力のあったゴローですけれど、寝る間もないトップアイドルを何年も続けても摩耗するどころか芳醇になっていく事実に、あらためて愕然とする次第です。
 
　ひと頃は新御三家の中でも最も復刻が進まなかったゴローですが、今や最も進んでいる状況に、往年のファンの皆さんは溜飲を下げる思いでしょう。82年頃までのアルバムは大方復刻されていますからね。
 
　でも、今回もまた筒美系アルバムで未CD化となっている72年のセブンティーン歌詞募集オリジナル・アルバム「青春の旅路 新しい汽車」がスルーされましたし、半分筒美アルバムの「過ぎ去れば夢は優しい」とともに、次回には何とか実現していただきたいものです。