両A面や配信曲も含む、初のシングルA面コンプ！

　今年は花の82年組の35周年。ちょうど35年前の今日、1982年3月21日デビュー組によって3.21戦争が繰り広げられたことを思い出しますと、何やら歳月の重みを感じたりしてしまいますよね。
 
　梨園の妻に子だくさん母さん、NY在住のアーティストと、皆さんそれぞれに大活躍し、話題を振りまいておりますが、その中で最も大成した人といえば、やっぱりキョンキョンこと小泉今日子さん。
 
　事務所とレコード会社が同じだった石野真子の正統な後継者として、親衛隊も譲り受けてのデビュー。1年目こそ聖子ちゃんカットのブリッ子路線でしたが、枠にはまらない過激なスタイルで自我を解放させた後は、80年代カルチャーの中心へと躍り出るなど、アイドルという範疇を超えて革新ながらも、コンサバなラインも保守するなど、絶妙のバランス感覚で確固とした地位を築いたのでありました。
 
　何をやらせてもサマになって実績を残したせいか、歌手活動だけがクローズアップされることは少なく、実績に比べCDのリイシューもさほど活発ではないのですが、周年だけはしっかりリリースしてくれているビクターのキョンキョン陣営。
 
　であるからして、こたびの35周年も、ちゃんと3枚組記念ベスト（初回盤は「 コイズミクロニクル~コンプリートシングルベスト 1982-2017~ (初回限定盤プレミアムBOX) 」、通常盤は「 コイズミクロニクル~コンプリートシングルベスト 1982-2017~ (通常盤) 」）が編まれることになりました！
  
　しかも今回は、記念すべきデビュー曲にしてビクターの先輩歌手・森まどかの「ねえ・ねえ・ねえ」を改題カバーした「私の16才」から、2014年のフジテレビ系ドラマ「続・最後から二番目の恋」劇中歌として中井貴一とデュエットした「T字路」までの50曲を網羅するという、キョンキョン史上初のコンプリート・シングルベスト。
　果たして「Fade Out」のアナログシングルのショートバージョンが初収録なるか、ということはさておき、これはファンならずともみんなが切望していた構成ですよね。
 
　もちろんコンプリートと銘打った通り、両Ａ面曲や12インチシングルはもちろんのこと、別名義、配信限定も含んでいますから、20周年時に出たシングルＡ面＋αの「KYON3 ～KOIZUMI THE GREAT 51」、25周年時のリクエストベスト「K25 ～KYOKO KOIZUMI ALL TIME BEST～」（ こちらで紹介、オリアル紙ジャケは こちらと こちらで紹介）、30周年時の豪華著名人チョイスによるCDブック「Kyon30～なんてったって30年!～」（ こちらで紹介）と、これまでのアニバーサリーベストを持っている人でも必携の内容となっています。
 
　ちなみに両Ａ面曲は、映画「ドラえもん のび太の魔界大冒険」主題歌「風のマジカル」、学研の「BOMB!」に対抗して集英社が出した雑誌「DUNK」のイメージソング「DUNK（男区）」、バルセロナオリンピックを応援したキリンラガービールのCMソング「1992年、夏」の3曲で、12インチは「ヤマトナデシコ七変化（Long Version）」「ハートブレイカー」「水のルージュ（Dancing Mix）」という3曲（「夏のタイムマシーン」も12インチではありますが）。
 
　別名義はドラマの役名で出した2曲。あんみつ姫名義の「クライマックス御一緒に」はフジテレビ月曜ドラマランド「あんみつ姫」の主題歌。天野春子名義の「潮騒のメモリー」は、NHK朝ドラ「あまちゃん」の重要な劇中歌で薬師丸ひろ子演じる鈴鹿ひろ美の影武者として歌った設定でした。
 
　そして配信限定曲の中で今回収録されるのは、テレビ朝日系アニメ「あたしンち」テーマ「あたしンちの唄」、TOKYO No.1 SOUL SETのカバー「Innocent Love」、映画「ホノカアボーイ」主題歌「虹が消えるまで」、ピーチ・ジョンCMソング「100%」の4曲となっています。
 
　というようにCDの内容だけで大満足という人が多いでしょうが、そこはキョンキョンブランド。CDはオリジナルマスターから新たにマスタリングを施した完全リマスタリング、高音質のSHM-CD仕様。
 
　しかも初回限定盤のプレミアムBOX「 コイズミクロニクル~コンプリートシングルベスト 1982-2017~ (初回限定盤プレミアムBOX) 」には、250ページにもわたる書籍「コイズミシングル～小泉今日子と50のシングル物語」と、約150ページのビジュアルブック「コイズミ図録」の2冊が付属されるとか。
 
　前者は制作に携わったクリエイターやスタッフの貴重証言が満載のシングル盤メイキングブックで、石野真子からスライドするようにデビュー初期を担当した高橋隆や筒美京平作品「まっ赤な女の子」からの田村充義、福田正夫、衛藤祐一郎、菊池毅、木谷徹らビクターのプロデューサー陣に、高田英男、川崎洋、小鐡徹らエンジニア各氏、緑一二三（たきのえいじ）、篠原ひとし（仁志）、橋本淳、馬飼野康二、森雪之丞、康珍化、船山基紀、秋元康、井上鑑、近田春夫、小林武史、大友良英といった作家陣まで、とにかく読み応えがあること必至。
 
　後者は、シングルのジャケ写はもちろん、仕様や特典などのアートワークを、アナログ盤やCDなどパッケージの種別を超えてまとめたものになるようで、まさにコレクター必携の豪華図録といえそう。
 
　さらに、初回限定盤には「私の16才」のジャケ写をポラロイド風味でデザインしたサイン入りレトロマグネットが封入されるとのことで、これはやっぱり初回盤を入手すべきでしょうね。
　個人的にはB面曲も好きなので、28年も待ち続けている「CDファイルVOL.5」やそれ以降を切望しておりますが…。
 
　ビクターでは 特設サイトを開設。今回のベストの詳細はもとより、ディスコグラフィーも確認できるほか、「ぼくとわたしとキョンキョンと。」と題したファンの思い出エピソードも受付していますので、ぜひチェックを。
 
　なお、このタイミングで和田誠さんが監督した88年の主演映画「快盗ルビイ」のBlu-ray「 「快盗ルビイ」 HDニューマスター版 [Blu-ray] 」と DVD「 「快盗ルビイ」 HDニューマスター版 [DVD] 」も同時発売されるそうです。