四半世紀も続く名シリーズ、リニューアル!
あれは82、3年あたりのことでしょうか。
81年から歌謡界で巻き起こったリバイバルの嵐を受け、廃盤レコードがもてはやされたのは。
タモリの番組で取り上げられたり、各レコード会社がこぞってドーナツ盤の復刻シングルやオムニバスLPをリリースしたり、えとせとらなどの中古レコ屋さんが脚光を浴びたり。
それはまさしく廃盤ブームと呼べるものでした。
その当時の再発モノは60年代も多かったし、ワタシはCBS・ソニーのメモリアル・ヒットバンクシリーズのシンシア編しか買わなかったのですが、世間で最もクローズアップされたのが、コロムビアのオムニバス・恋すれど廃盤シリーズだったように思います。
ドーナツ盤のシングルジャケットがオマケに付いていたり、ツボを押さえた内容だったように記憶してますが、いかんせんワタシの贔屓は70年代前半のコロムビアには皆無だったもので、スルーしてしまってたのですが。
で、時代は流れ、CDになってもこのシリーズ、根強い人気でした。
単品シリーズや2枚組、BOXなど、内容はほとんど変わらず脈々と発売され続けて、今でも入手可能なものはあるはずなんですけど、ここに来て、シングル盤のジャケ写復刻付きで人気のシリーズ「ドーナツ盤メモリー」の続編としてリニューアル新登場と相なりました。
今回は「 恋すれど廃盤 Vol.1 ナイス・ガイ 」「 恋すれど廃盤 Vol.2 オー・モーレツ 」「 恋すれど廃盤 Vol.3 筒美京平コレクション 」「 恋すれど廃盤 Vol.4 リズム歌謡 」「 恋すれど廃盤 Vol.5 エンカだよ 」の5作がリリースとなっております。
中でも注目はやっぱり「 恋すれど廃盤 Vol.3 筒美京平コレクション 」でしょう。
これまでのリイシューなどで音源は持っていても、やはり先生のコレクションとあらば!ぜひ手に入れたい一枚です。
そして今回の目玉はピーカーブーの「イエロー・サブマリンの刺繍/なぐさめ」。作詞は松本隆さんですが「なぐさめ」は太田裕美の「揺れる愛情」(「木綿のハンカチーフ」B面)の改詩改題の異名同曲なのです。101つながりという感じもありますが、初CD化ですので太田さんのファンもどうぞ!
やはりコロムビアというと、歌謡曲の殿堂。ミコにちあきにあゆみちゃんなどなど…昭和40年代前半、ヤングポップスのCBS・ソニーが創立するまで、歌謡界のメインレコード会社でしたから、今日ブームを迎えているといういわゆる昭和歌謡の宝庫であることに疑う余地はないでしょう。
もちろん時代性もありますが、こういうのってレコード会社の色、みたいなのが如実です。特にこの時代のコロムビアの濃さと言いましょうか、サイケなレタリングのジャケも含め、強烈な個性のアーティストばかりですね。
それも、本物と呼べる面々ばかりが繰り広げる、夜の匂いのするオトナの世界。
知っている曲ばかりだとしても、そのへんのムードを味わってみるのも一興です。
(2006.12.26)