義なる者にも、不義なる者にも、やののあい。
アッコちゃんも今年でソロデビュー30周年。ホントにおめでとうございます。
春先には陽水やキヨシロー、小田さん、マッキー、くるりの岸田君ら豪華ゲストとのセルフカバーによる初心者向け(?)CD「 はじめてのやのあきこ 」をリリースし評判を呼びましたよね。
で、今回ソニーから発売される「 いままでのやのあきこ (DVD付) 」のタイトルを聞いたとき、何ィ~、エピック時代は「そのときのやのあきこ」なのに?!とちょっと不信感が首をもたげましたが、ご安心ください。
徳間、ミディ、ソニー、ヤマハと、それぞれの時代の代表曲をチョイスしたベストCD2枚と、ライブや貴重なビデオクリップのDVD1枚をコンパイルした正真正銘の記念盤になるようです。
ワタシが初めてアッコちゃんを見たのは、小3の春休み。アグネス・チャンのコンサートでした。
公録とかで生演奏にはけっこう触れてたワタシですが、たいていの伴奏は中年のオジさんたちなのに、アグネスの場合は違ってた。近所のお兄さん風の人たちに混じって、ちょっとコワそうなお姉さんもいたから。
そのお姉さんがアッコちゃんだったワケですけど、その時はさほど意識してなかったのですね。シンシアもカバーした「或る日」の元歌を歌ってた人というくらいは教えられていましたが、キャラメル・ママやティンパンのお話を理解するのはもうちょっと先になります。
で、ガゼン気にするようになったのは76年のアグネスのアルバム「Mei Mei いつでも夢を」に入ってた「Jip-JipのU.F.O.」の早口言葉あたりから。でも、ファンになるなんて思ってもみませんでした。
だって、ソロデビューしたそのお姉さんは、いろんな意味でとってもコワかったから。声もしゃべり方も、実は歌さえも…。
そういうこともあって縁のない人だったのですが、やっぱYMOでドキンと来て、ほんわか路線のスタートとなった80年の超名盤「 ごはんができたよ 」ですっかりトリコになってしまうのです。
また会おねツアーや出前コンサートに出かけたり、ビックリハウサーでもあった中高生の時分はもう熱狂的なファンでした。
引退騒動みたくなったNY移住の時のグラノーラツアーには何はさておき駆けつけたのですが、これまで観たさまざまなジャンルのコンサートの中でベストのパフォーマンスだったと今も心に残っています。
その時のツアーパンフ「UNQUESTIONABILY」は、花ヘンアッコこと高橋章子さんの編集でしたが、アッコちゃんの御言葉の数々に救われてきたワタシにとってバイブルのよーなブックに仕上がっていて、生きる指針をいただいたよーな気もします。
ペーター佐藤のイラストや、ナンシー関の消しゴム版画なども素敵なのですよ。確かビデオも撮っていたはずなので、ホントはその映像をイチバン見たいのですが…。
と、またまた紹介にはならなかったけど、まだアッコちゃんをちゃんと聴いたことのない人に特にオススメしたい、お買い得なセットです。
ぜひぜひ、あの観音様とマリア様をミックスしたような慈悲深い“やののあい”に包まれてくださいませ。
(2006.6.30)