100曲でたどる、ナベプロ50年の歩み!
最近はお笑い中心のイメージですが、昭和にはナベプロ帝国、王国とまで呼ばれ、戦後ニッポンを代表する芸能プロであった渡辺プロダクション。
昨年創立50周年を迎え「抱えきれない夢~Pocketful of Dreams」を合い言葉に、今年にかけて盛大な記念イベントやパーティーが開かれております。
パーティーでユーミンが自ら書き、故人メンバーを含むクレージー・キャッツのメンバーと共演した記念曲「 Still Crazy For You (初回限定盤)(DVD付) 」を披露したことは記憶に新しいところ。
ユーミンとナベプロの関係を意外に思う人もいらしたようですが、売れちゃって人間不信に陥ったユーミンが渡辺美佐さんに救われた(とまではいかないか…)のはワリに有名なお話です。
渡辺晋さん物語の記念ドラマも制作されるなど、その盛り上がりは止まることを知りませんが、この「 ベスト歌謡曲100~ザ・ヒットパレード 」はテレビ時代の歌謡王国を築き上げてきたナベプロの50年をCD4枚全100曲にまとめたベスト。
ザーッと挙げてみても、クレージー・キャッツ の「ホンダラ行進曲」や植木等 「スーダラ節」から、ザ・ピーナッツ「恋のバカンス」、ハイハイ三人娘またの名をスパーク三人娘のミエ・まり・ゆかりのソロ、梓兄貴の「二人でお酒を」、加山雄三「君といつまでも」、奥村チヨ「恋の奴隷」、ザ・タイガース「花の首飾り」、ブルーコメッツ の「ブルー・シャトウ」、ドリフの「ズンドコ節」、布施明「霧の摩周湖」、辺見マリ「経験」 、槇みちる「若いってすばらしい」 、森進一「港町ブルース」、トワ・エ・モワ「或る日突然」、 小柳ルミ子「わたしの城下町」、 真理ちゃんの「ひとりじゃないの」、フィーフィーの「雨の御堂筋」、アグネスの「ひなげしの花」、テレサ・テン「空港」、キャンディーズ「年下の男の子」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、沢田研二「勝手にしやがれ」、石川ひとみ 「くるみ割り人形」などなど。ナベプロ本体から系列まで、渡辺音楽出版音源のオンパレード。
代表曲ばかりのチョイスでレアな感じはいたしませんが、往年の大スター、名歌手がずらりと並んでおります。
レコードジャケットに印刷されてたあのマークを思い出す人も多いのでは。このラインアップを見るだけでも、どれほど偉大なスターを育て上げてきたかが一目で分かるでしょう。
目新しさはないけど、敬意を表して紹介させていただききました。
やはり黄金期は60年代の和製ポップスから70年代前半までですね。ウチ的な所属タレント(この呼び方がナベプロっぽい)というと、やっぱジュリーから、ルミ子、真理ちゃん、アン・ルイス、アグネス、キャンディーズ、太田裕美、石川ひとみ、河合その子、ゆうゆあたりでしょうかね。
マイナー系では、三木聖子、五十嵐夕紀、沢田富美子、和泉友子、水野きみこ、後でメジャーになったけど松本明子とか。山下久美子、吉川晃司あたりもナベプロでした。どこまで収録されるかまだ分かりませんが…。
一般的なワタシぐらいの世代ですと、ナベプロ隆盛の名残時代でして、まことしやかに伝えられたあの日テレ確執スタ誕誕生秘話をギリギリ知ってる、という感じかなあ。特に80年代のアイドル勢ってほとんど完敗って感じでしたし。
ワタシ個人としては「なぜ、あの番組にはこの人が出ないの?」とか。売れてないのになぜ「かくし芸」でメインとれるの?とかね、そういう幼き疑問の根源というか…、ちょっとマズいので自粛させていただきますけど、オトナの社会の縮図を初めて見せられたように思います。
最近だって、発売予定のDVDが中止になったり、別の会社から出ることになったり…。
それはともかくワタシのナベプロといえば、やっぱりアグネス、太田裕美ですね。
特に太田さんはFCにも入ってましたしね。ナベプロ友の会発行の情報誌「ヤング」を熟読していたことも懐かしく思い出されます。
テレビ史に残る人気番組も手がけることも多く、古くは「ザ・ヒットパレード」「シャボン玉ホリデー」から、「新春スターかくし芸大会」「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」「クイズドレミファドン!」「みごろ!たべごろ!わらいごろ!」など多数です。
ワーナー・パイオニアを立ち上げたのも、撤退してSMSレコードを興し、ゴソッと移籍させたのもナベプロですし、やはり話は尽きないなぁ。
このCDを聴いたら、もっといろんなことを思い出してしまいそう…。
なお、コレはクラシック編が大ヒットした東芝のベスト100シリーズの一環で、邦楽初の商品とのこと。
この50周年、いろんな切り口で後が続くことを願ってますが、7月には50周年記念MIX CDのリリースも予定されています。
さらに、ファミマとのコラボ企画で、ナベプロ音源の青春の名曲12曲をあらかじめ入れたデジタルオーディオプレーヤー「Pocketful Memory Player」も発売に。
ワタシはあくまでもパッケージ保守派ですが、お買い得の7,980円ですし、MP3プレーヤー入門機として、お父さん方にオススメしたいアイテムとなっています。
(2006.4.30)