玉石混淆、魔のB級オンパレード!
以前から誤解している方も多いようなので最初にお断りしておきますが、ワタシはアイドルに詳しいわけではありません。
もちろん好きなアイドルはたっくさんいますが、全般に何でも好き、というワケではないし、どちらかと言えばメジャー好きなんです。
であるからして、B級と称される売れなかった人たちのことは、一部を除いて全く知らない人ばかりなのですね。
そんなワケでこの「 80’sメモリアル・アイドル ファースト・キッス 」を紹介するのも気が引けてしまうのですが、一部の人にとっては、やったね!と大喜びするらしい奇跡の初CD曲も含まれるそうで、取り上げることにいたしました。
これは、80年代にポリドール、日本フォノグラム、キティレコード、トーラスから出た女性アイドルのデビュー曲を集めたコンピ盤。
デビュー曲はたいていの場合、お金をかけるため人々の印象に残りやすいのが定石のためか、デビュー曲コンピはビクターの「デビュー! 」やポニキャンの「アイドル・デビュー伝説」、コロムビアの「デビューコレクション アイドル編」など同様の企画がありましたが、こちらはなんと3枚組。55曲ほど収録の予定となっております。
アイドルと言えば、時代を映す鏡。楽曲にもその時々の流行が取り入れられていて、80年代というディケードの移り変わりが堪能できるものになっております。
ラインナップは、落ち目になったPLの跡目を継がせようとT&Cが社運を懸けて送り出した鹿取洋子からスタート。曲はもちろん「ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ」ですが、名曲ですよねえ 。
あとは百恵ちゃんの影武者だったことで注目を集めた佐藤恵利。サンデーズのためレッツヤンでもかなり歌った「ラブ・スケッチ」です。
また、花の82年組の一人として月刊明星のグラビアも飾った松居直美は、武田鉄矢作詞の演歌「電話のむこうに故郷が 」。なんだか茨城っ子のホッペを思い出します。
ほかにも、タイトルだけ聞くと太田裕美のカバーかと思っていまいますが、同名異曲の南マリア「湘南アフタヌーン」、 ヨーダ細野さんが宇宙から連れ帰ったジェダイ(?)・スターボーは、今もテクノ歌謡として人気の「ハートブレイク太陽族」 を、80年代、アイドルはコケまくったナベプロが超プッシュしたけどやはりコケたキミーこと水野きみこの「私のモナミ」、ライオンの超大型タイアップもむなしく、すぐリタイアした江戸真樹「I Love あのコ・夏のMaki」、ヘンテ子だったけど、銀色夏生がハマってた松永夏代子の「メランコリーの軌跡」など、続く続く…。
正直に申し上げて、えーちょっと…というのも多いですが、石毛礼子の「旅の手帖 」など、地味ですが何気に名曲な感じの小品もちょこちょこと入っております。
中でもイチ押しは森田まゆみの「予感」。ルックス的にはどうよ!という感じでしたが、もぎたてレモンのように、甘酸っぱいさわやかさ全開の名曲です。
あと女優陣も多くて、ぷっつん・石原真理子の「ポプリの小瓶」、ションベンライダー&オーロラ・河合美智子の「わたし・多感な頃」、ニャンニャン・高部知子の「雨の街」なども入ってます。
まあ、こうして見ると、少女隊、堀江しのぶ、女子プロレスのキューティー鈴木、島崎和歌子らメジャーどころでも、大ヒットという感じのものは皆無ですな。
初CD化がどのくらいあるのかは存じませんですが、とにかくアイドルポップスを食い尽くしたいって方にオススメします。
(2006.1.18)
*発売日が2006.3.29に変更になりました。また収録曲に変更が生じ、麗灑 (りさ)の「ROCK’N ROLL恋占い」は入っていません。本文も修正しました。ご注意ください。(2006.2.17追記)