幻のエレック“愛”、ちびっこ大喜利復刻!
かつてのフォーク少年なら、その名を聞いただけで狂喜乱舞する幻のレーベル「エレックレコード」。
今で言うインディーズの元祖として知られますが、倒産の後、数々の音源は闇に葬り去られている時期がありました。アーティストによっては楽曲が復刻されたり、フォーライフからエレック・イヤーズなる復刻シリーズが発売されたり、小出しに聞く機会はあったのですが、ここに来て、なんとエレックから過去に出た全アルバム復刻というプロジェクトがバップから立ち上がっています。
何でもこの年末から1年近くをかけて約70タイトルを紙ジャケ仕様で復刻するというものなんですけど、コンピ盤なども含めた「全アルバム」というこだわりに驚きです。
何分、倒産後の管理などができていなかったせいでマスターテープが現存していないのもあり、アナログ盤からデジタル化されるものも含まれるそうです。
まあ、一般には拓郎や泉谷、ケメや古井戸、海援隊などをイメージされるのでしょうけど、ワタシの場合はやっぱりずうとるび。
そう、「笑点」のちびっこ大喜利で誕生したあのグループです。
それぞれに楽器ができてビートルズみたいだから…ということから命名されたんですよね。ずうとるびはエレックでも確か「愛」レーベルだったんですけど(コレ、当時すごいヘンな感じだったけど4人には合ってた)、今回彼らの復刻第一弾に選ばれたのが「 ずうとるびファーストライブ(紙ジャケット仕様) 」です。
なんでライブなの?という向きもありますけど、エレックからはベストも出てなかったみたいだし、コミカルなパフォーマンスが人気を博した彼らだけに、魅力が最も伝わるというのがその理由でしょうか? と思いきや、第一弾の他のラインナップは「 よしだたくろう・オン・ステージ!!ともだち(紙ジャケット仕様) 」「 ケメオンステージ第1集(紙ジャケット仕様) 」「 古井戸ライブ(紙ジャケット仕様) 」など。そう、全部がライブ盤なのです。
で、コレは最盛期だった75年に行われたずうとるびサマー・コンサートの模様を収録したライブアルバムでして、山田クン、江藤クン、新井クン、今村クンという初期メンバーのソロもバッチシ収録。
演芸会のノリもふんだんにちりばめられております。
山田クンをはじめメンバーの自作曲で大半が占められていて、なぜか2大ヒットの「みかん色の恋」「恋があぶない」が入っておりません…。
ちなみにシングルヒットは同年の紅白出場曲「初恋の絵日記」と、「太陽の季節」のみが収録となっております。
エレック復刻で全アルバムが出るにしても、なんか不完全燃焼だと思うのは、やはりまずはシングルベストが聴きたいんですよね、ワタシ。
「ペチャパイブギ」とかね。あと「ふとしたはずみで」や「明日の花嫁さん」などの東芝時代も含み、77年に山田クンは脱退して池田クンに交代した後の「止めるなら今のうち」や「ウッカリBOY チャッカリGAL」なんかも…。
そんなことを思ってたら、来春4月あたりにはなんとBOXが出る模様。で、5、6月にオリジナルLPがゾクゾク復刻とか。
うーむ、06年はずうとるびの年になりそうですな、こりゃ。
(2005.11.20)