画期的復刻企画、やったね!キャニオン!
ここ数年のBOXや復刻もので、とても良心的で丹念な仕事をしていると評判のポニーキャニオン。
キャニオンレコード、テープはポニー、なんていうのも覚えている人、少ないんだろうな…。
そんなことはさておき、当時はB級アイドルしか出ない弱小企業も、フジ-サンケイグループの台頭に伴って大きな会社になりました。
そのおかげで今日この恩恵があるんですけど、ワタシ的には、80年代まで好きなアーティストっていなかったのですね、キャニオンには。
しかし、今回のLP廉価復刻コンプリートBOXという企画は素晴らしい。ソニーとかも見習ってほしいです。
で、まずは木之内みどりの「 74-76 ぼくらのベスト 木之内みどり アナログ・アルバム完全復刻 package1 」と「 77-78 ぼくらのベスト 木之内みどりアナログ・アルバム完全復刻 package 2 」。大人びた淋しさが子供的には魅力的ではなかったけれど、その分今聴くととても新鮮。
LPの完成度も高くて、丁寧な音楽作りをしていたという印象です。高田みづえに持って行かれちゃった「硝子坂」や、後期の「横浜いれぶん」などは画期的。
おそらく抱えるアーティストの少なかったキャニオンだからできたリリース数、時間をかけた制作と言えそうです。
イヤイヤなのか、前向きでないのか、もともとそういう性格なのか、よく分かりませんが、もう少し時代が後だったら確実にもっと支持された人だという気がします。
お次は奈々ちゃんの「 75-76 ぼくらのベスト 岡田奈々 アナログ・アルバム完全復刻 package1 」と「 77-80 ぼくらのベスト 岡田奈々アナログ・アルバム完全復刻 package 2 」。
ワタシ、グリコのCMで初めて彼女を見た時、こんな美少女がいるのかと驚きました。ホントお人形さんでした。
ただ声質が今ひとつ、声量もイマイチで、歌の世界では弾け切れなかったんですね。
松本隆のロリータ青春ものは、いい線行ってると思うのだけど…。LPを聴くと、やはり「青春の坂道」などシングルを超える名曲が出て来ない…と思うのは気のせい?
当時のヒット曲と比べると、やはりB級の匂いがたちこめているんですよね。
ワタシ、実は本文でおクラ入りにしてる項があるんですけど、それは奈々ちゃんなんです。77年夏のあの事件をワタシなりに解釈して綴っているんですが、かなり過激な、憶測に基づく内容なので自粛した次第です。
でも、これらの一連のLP、それも後期のものを聴いてたら、ますます自分の考えに自信を持ってしまった…。
奈々ちゃんをあの事件に巻き込ませてしまったもの。なんかそういうことが随所に示唆されてたり、その後の奈々ちゃんを予見してるかのような雰囲気が漂ってたり、事件後の明らかな変化みたいなのが取れたり…。
ワタシがアイドルに興味をそそられる最大の理由は、素顔を隠している少女に大なり小なり何か出来事が起こった時、その少女はどうするのか、そして彼女が表現するものはどう変わるのか、そんな人間的変化が如実に見られるからなんですけど、奈々ちゃんの場合は一見すぐ立ち直ったようで、その出来事の傷というか、心の振幅が大き過ぎたように思います。
なんかケムに巻くようで申し訳ないのですが、この件については、いつかもう一度言及してみたいと思ってます。そのへんを考えながら聴いてみてください、このボックスを。
(2004.8.13)