甦る4ch方式、初ベストがハイブリッド復刻!
手を変え品を変え、さまざまな形で商品化されてきた百恵ちゃん。
引退から25周年、既発売の音源の中で唯一(おそらく)CD化されてなかったモノが、ついに日の目を見ることになりました!
それが完全生産限定盤、ハイブリッドディスクの「 山口百恵ヒット全曲集-1974年版-4.1ch 」。
しかも2004年のLP復刻と同じく、W紙ジャケで8cmシングルCD(「青い果実/おかしな恋人」のカラオケ)付きとなっています。しかし、オリジナルは見開きじゃないんだけど…。
4.1chとなっておりますけど、お若い方はご存じないでしょうかね、4chレコード。ワタシも詳しくはないのでアレですが、簡単に説明しますと、70年代半ば、スピーカー4つ(ウーファーをプラスして4.1ch)を備えたシステムが流行したのですね。メーカーによって呼び名は違い、ソニーはSQ方式4chステレオ・クウォドラフォニックシステム。ハードを普及させるべくソフトも各種発売されていたのです。
そんな中、74年の年末商戦に向けソニーが11月に出したヒット全曲集シリーズは、SQ仕様が目玉。リミックスされてたり、一部の曲ではボーカルが新録音されたり、従来のベストものとは一線を画した構成になっているんです。
しかも、オリジナルの仕様では、歌手自らが企画しセルフタイマーで撮影したというしたジャケット、アーティストからあなたへのメッセージ、ピンナップポスター付きと、豪華版。そーいうワケですから、マニア的にはCD化を切望されてたアイテムだったのですね。
ちなみに、この4ch方式のレコード、すぐ下火になってしまった感がありますけど、ソニーってワリと長く続けてたみたい。ウチにも対応ステレオがあって、4chカッティングのレコードをかけると、ランプが点灯するのですが、77年「秋桜」のシングルに反応したことをハッキリ覚えてます。
話は74年のヒット全曲集に戻りますが、このシリーズ全部がSQ対応というワケでしはないらしく(ワタシは未確認)、百恵ちゃん以外では、南沙織、浅田美代子、キャンディーズぐらいみたい。
ちなみにこのラインアップ中キャンディーズの「そよ風のくちづけ」別テイクは、百恵ちゃんよりひと足お先に「CANDIES PREMIUM~CANDIES ALL SONGS CD BOX~」で復刻されてます。やはり、シンシアに期待ですぅ…。
で、百恵ちゃんの場合、明らかな別テイクは「ひと夏の経験」だけらしいけど、初めてのベストだから、シングル曲が足りず(当時の最新曲「ちっぽけな感傷」は未収録)LPからも多数チョイスされています。だから、いつものベストとは違った味わいがあることでしょう。
ワタシのオススメは、百恵ちゃんには珍しいオールデイズ風の「お月様の下で」と、ひと夏の経験のB面「太陽の友達」です。
なお、百恵ちゃん関連では、90年代の新アレンジ3部作「百恵回帰」「歌い継がれてゆく歌のように」「惜春譜」をリマスタリングのうえ完全収録した2枚組のハイブリッド盤「 コンプリート百恵回帰 」と、旧友アン・ルイスをはじめ大橋純子、柳ジョージ、鈴木雅之ら実力派や、ポスト百恵と騒がれた三原じゅん子、原田知世、工藤静香のアイドル勢、さらにスネオヘアー、I WiSH、RAG FAIRなどの新進アーティストが参加したトリビュートアルバム第2弾「 山口百恵トリビュート Thank You For・・・part2 」(「 山口百恵トリビュート Thank You For...(CCCD) 」の続編です)も同時発売です。
(2005.4.5)