一挙復刻! 黄金時代のジュリーふたたび
ジュリ~ッ! 寺内貫太郎一家のきんばあさんこと悠木千帆改め樹木希林でなくとも、つい叫んでしまいそう。
だって長らく入手困難だったジュリーの黄金時代、ポリドールから出た27作品が復刻されるんだもん。
と言いながら、当初予定されていたライブ盤6枚の初CD化は見送られたそうで、結局は21タイトルとなるんですけど。
しかし2,000円均一というおトクさはウレシイものです。余談ですが、以下に紹介する小柳さん、梓さんもそうですけど、今年はナベプロ音源の再発オンパレードの予感。
あまりに大量で、リリースが2回に分けられたこの復刻。
1等賞ジュリーならでは、優秀なスタッフが結集した名盤ぞろいですが、ワタシの場合はやっぱ「 思いきり気障な人生 」でしょうか。
77年、悲願のレコード大賞を獲るひと月前に発売なったこのLP、ノリにノってるジュリーを体感できます。例の“いもジュリー”事件の影響か、77年にはこれ1枚しかオリジナルアルバムは出ていませんの
で、「さよならをいう気もない」「勝手にしやがれ」「憎みきれないろくでなし」のシングルヒットを収録。さらに、翌78年にリアレンジでシングルカットされた「サムライ」が入ってますから、ちょっとしたベスト盤という感じもあります。
それにしても、阿久さんのコンプレックスをすべてジュリーで解消しようという姿勢が随所に見え隠れして、ワタシは、つい面白がってしまいます。渋いタイトル曲も良いですが、ワインのCMにも使われた「あなたに今夜はワインをふりかけ」が大好き。今でもコンサートで演るそうですよ。
しかし、阿久さん、アルバムのタイトルが素晴らしいですね。この次の「 今度は、華麗な宴にどうぞ。 」も内容ともにシビレましたけど。
で、3月2日発売の第1弾10タイトルは、ズズ&村井さん、そして東海林修のハイセンスさが素敵な1969年の1st「 JULIE 」から。
「 JULIEII 」「 JULIEIV 今僕は倖せです 」「 JULIEVI ある青春 」「 JULIEVIII JEWEL JULIE 」「 THE FUGITIVE 愛の逃亡者 」「 いくつかの場面 」ときて、フランス発売の「 KENJI SAWADA 」に続きますけど、松本隆、阿木耀子、桃井かおり、荒木一郎らの詞にジュリー本人が曲をつけた「 チャコールグレイの肖像 」がシブい出来で素敵。
トリはもちろん「 思いきり気障な人生 」です。
そして3月30日発売のものとしては、「 今度は、華麗な宴にどうぞ。 」から始まって、「 LOVE~愛とは不幸をおそれないこと~ 」までは阿久さん。
PLとともに阿久さんの断筆宣言を受け、スタッフ一新となった会心作「 TOKIO 」や「 BAD TUNING 」も素敵。先祖がえりの「 G.S.I LOVE YOU 」、久し振りの大ヒットとなった「 STRIPPER 」や「 A WONDERFUL TIME 」など、80年代半ばまではNM系の作家陣による意欲作も多数。
井上陽水が全曲書き下ろした実験作「 MIS CAST 」、さらに源氏物語をジュリーの解釈で表現した全曲筒美作品の「 女たちよ 」など、とどまることのないジュリーの挑戦は、けっこうスゴい。
あと「 NON POLICY 」と、ラジオタイアップの企画盤「 JULIE SONG CALENDAR 」までが復刻のラインナップです。
とご紹介しつつ、ワタシがイチバン好きなのは、この後、東芝に移籍した後の「架空のオペラ」なんですけど…。
それはさておき、通して聴いてると、あの華やかな姿がどうしてもよみがえってきます。
トンガってたジュリーをもう一度、ってのはムリですけど、またシャープなジュリーを見てみたい、聴いてみたいもんです。
(2005.2.5)