ホリプロの至宝、ついに甦る!
B級系の多数初CD化が注目を浴びたアイドル・ミラクルバイブルシリーズ第2弾にふさわしい「 ベスト 」。
待ちに待った佐東由梨らサ行オムニバス「 アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 沢田富美子・佐東由梨・沢田玉恵 」とか、いろいろ出ますが、今回の目玉はやはり比企理恵ではないでしょーか。
ホリプロ記念BOXでは数曲がCD化されておりましたが、今回は単独でしかもフルコンプ。とてもうれしい。
ホリプロタレントスカウトキャラバン第4回の優勝者として知られる彼女。オーディションで郁恵ちゃんの「青春気流」を歌ったせいなのか、佐々木勉さんによる楽曲をリリースし続けました。
独特の声質を生かし、郁恵ちゃん路線をコミカルに継承したとでも言うべきかな。
ラジオで強力プッシュされた軽快なデビュー曲「恋のローラーブーツ」や、テニスルックでガンバった「ARE YOU HAPPY?」もよい出来ですが、本領を発揮したのは3曲目の「陽気なフラ・ベイビー」からだと思います。
シャックリ唱法などとも呼ばれた節回しと独特の声質が炸裂の名曲。単なるB級で埋もれさせておくには惜しい、至宝の類かも。ちょっぴりHなミドルティーンの等身大の世界が魅力的です。
続く「恋のワナ・ワナ」を頂点に、結局ラストシングルになってしまった「想像力少女」ではテクノ歌謡にも挑戦。このベストでも相当の実力派であったことを納得させられます。
お見事だったんだけど、デビュー日が早すぎで花の80年組の中に埋もれちゃった感じでした。ホリプロの錯誤というか甲斐智枝美にシフトっていうか、どっちつかずのバックアップのせいで新人賞を逃し、セールス的にもふるわず、ミュージカル「ピーターパン」をきっかけに、女優の道へ行ってしまった…。
「秘密のデカちゃん」「不良少女と呼ばれて」など多数の大映系ドラマを覚えている人も多いでしょう。
エキゾチックなルックスと個性際立つキャラの持ち主だから、もう少し時代が遅かったらホリプロお得意のバラドルとしても活躍できたように思うけど。リタイア組の多いスカウトキャラバン出身者の中でも息の長い活動をしているから、いずれ歌も…なんて思います。
余談ですが、実家は焼き鳥屋さん。明星のスターのお弁当拝見で、ヘルシーな焼き鳥弁当を披露してたのを覚えています。
(2004.10.12)