清涼な音で聴く、昭和の若者風俗史
I feel Coke! いつの時代も、若者たちに爽快な夢を与えてきたコカ・コーラ。音楽の部分でも、スカッとさわやかにやってくれました!
そう「 コカ・コーラCMソング集 1962-89 」はその名の通り、1962年から89年まで日本でオンエアされたコカコーラのCMソングを一堂に集めたコンピ盤なのです!
何がスゴイって、2枚組全54曲の中には、とにかくレアなオリジナル音源がいっぱい。
歌詞などを変えレコード化されている曲に関しては、CMバージョン・CMサイズで収録という気の配りよう。本邦初音盤化の楽曲ばかりとなっております。
通して聴けば、GSあり、ボッサやソフトロックあり、フォークあり、テクノやAORと、ジャンルの幅広さと、スバラシイ音楽の数々に胸キュン!
ブックレットも充実しておりまして、「LOVE SOUNDS STYLE」シリーズなどのリイシューで名を馳せた濱田高志さんがライナーノーツを担当なさっています。
内容はと言いますと、記念すべき日本のコカ・コーラCMソング第1号であるフォー・コインズ(ワタシはわかんない…)から、加山雄三とザ・ランチャーズ、ピンキーとキラーズ、ザ・ワイルド・ワンズ、ヴィレッジ・シンガーズ、スクールメイツ、時代は流れ、佐藤竹善、JAY WARKに至るまで、時代を彩ったアーティストたちによる秘蔵音源がズラリ。
洋楽陣では、グレン・キャンベル、スタイリスティックス、B.J.トーマスらも起用されておりますが、西郷輝彦、布施明、森山良子ら、今ではコカ・コーラのイメージがない大御所も、フレッシュな時代の歌声で録音。当時はヤングの人気者だったんですよね。
変わりダネでは、なんとデューク・エイセスの名も! 知らなかったな~。
そんな中、ワタシがオススメいたしますのは、やはり70年代初期~中期のもの。フォーリーブスの「青い空青いからコカ・コーラ」をはじめ、赤い鳥、トワ・エ・モワ、尾崎紀世彦、青い三角定規、朱里エイコの面々です。
また、70年代後期からは、トランザム、柳ジョージ&レイニーウッド、サーカス、原田真二、ムーンライダーズ、上田正樹、矢沢永吉らロック・ニューミュージック系にシフトされてますから、時代の変遷、音で聴く流行史という趣もありますね。
残念なのは、いわゆるアイドル系が皆無に等しいこと。「夏色のナンシー」の早見優が、ひとり気炎を吐いてるだけですもんね。
まあ、ピンク・レディーはキャンペーンのキャラクターで終わったし、芳恵ちゃんはファンタだったし、そう考えると若者迎合でも、流行り廃りで括られるアイドルは客寄せパンダにはなっても、世界の普遍的なブランドの音楽としては相手にされなかったと言うべきか…、無念。
でもでも、やっぱり大満足のアルバムです。やっぱコーク片手に聴きましょう!
♪そうね~Yes Coke,Yes!
(2005.1.30)