明子に幸子に直子に友子…赤い少女たちのメモリアル!
商魂たくましいソニーならでは、またまた山口百恵引退25周年記念商品の登場です。
初夏にTBS50周年、ホリプロ45周年を記念して「赤い」シリーズがリメークされたのはご存じでしょう。「赤い疑惑」を焼き直した石原さとみ主演の第1弾「赤い疑惑」はわりといい視聴率だったそうですし、フカキョンらの新作にも期待が集まってることでしょう。
しかし、「赤い疑惑」、百恵ちゃんのオリジナルが使われると言いながら、結局はホリプロの新人大竹佑季になったりして…やり口に興ざめでしたよね。
そう思ってた矢先、過去にシングルで発売されたテーマを集めた「 赤いシリーズ シングル・コレクション 」が出ることを知ったんですね。便乗商法という感じもあってやっぱフクザツですけど、あの大映ドラマの名作たちに罪はないのでご紹介しましょう。
赤いシリーズと言えば、74年の「赤い迷路」がスタート。
もちろん百恵ちゃんも出演し、このCDにもテーマ曲は収録されておりますが、百恵ちゃん主演ではなくテーマもインストでしたから、百恵ちゃんの歌は、堂々主演、ゴールデンコンビのTVドラマ初共演となった第2弾の「赤い疑惑」の「ありがとう あなた」からとなっております。
これも、第3弾の「赤い運命」のテーマ「赤い運命」もB面扱いでしたが、ドラマのヒットも安定した76年には「赤い衝撃」から「赤い衝撃/走れ風と共に」として、初めてA面へと進出します。「パールカラーにゆれて」と「初恋草紙」の間の臨発扱いっぽい感じもありましたが、一応レギュラーシングルとして歌番組でも歌われておりました。
ワタシは「走れ風と共に」が大好きで、今もよく口ずさんだりします。
そしてシリーズは百恵ちゃん不在、水谷豊と竹下景子の「赤い激流」となりまして、これにもインストではありますが3曲が収録されてます。
そしてゴールデンコンビではなくトミーとの競演となった「赤い絆」の「赤い絆/口約束」。名曲アルバムでも紹介しましたが、「口約束」、いいんですよ。
結局百恵ちゃんは「赤い」シリーズから、80年の引退作の単発ドラマ「赤い死線」まで離れてしまいますが(78年に篠田三郎と「人はそれをスキャンダルという」をやってますが、これはタイトルで分かるように「赤い」シリーズではありません)、この後の「赤い激突」がスゴかった。
何がって、宇津井さんのバレエです…。残念ながらテーマ曲はシングルカットはなく未収録ですけど。
ホリプロとしては、百恵ちゃんの後を能勢慶子に継がすべく「赤い嵐」をやりますが、不発…。包丁を握って「マコトさん!」なんていうシーンが印象には残っているでしょうけど、ギャグのネタどまりでしたね。
これや、いっときポスト百恵の呼び声が高かった浜田朱里の「赤い魂」も、テーマ曲のシングルカットはなく未収録です。
なお、このCDにはボーナストラックとして、百恵ちゃん77年のアルバム「百恵白書」から「赤のシリーズ・四人の少女に捧げる 約束」が収録されています。
結局、百恵ちゃんに始まり百恵ちゃんで終わった「赤い」シリーズは、彼女の引退で永久欠番みたくなってしまうんですね。
ホリプロは百恵ちゃんの引退とともに、今度は「青い」シリーズでと、榊原郁恵主演の「青い絶唱」を企画。だけど、当時の郁恵ちゃんはナッキーでは魅力を発揮できてもシリアス系の大映ドラマは似合わなかったのか、それでオシマイ…。
しかし、その主題歌「幸福によろしく」はいい曲ですよ。
とまあ、なんだか「赤い」シリーズの歴史をひもとくことになりましたが、ざーっと言えばこんな感じです。あ、そういえば田宮二郎の「白い」シリーズもあったよね。関係ないけど…。
(2005.8.3)